高槻成紀のホームページ

「晴行雨筆」の日々から生まれるもの

動物を守りたい君へ 感想

2018-07-01 20:21:27 | 私の著作
本書への感想には今のところ批判的なものはなく、好意的に受け止められているようです。やさしいことばでわかりやすく書かれていると指摘した人が多かったのはうれしいことです。高槻

+++++++++++++++++++++++++++
みさどん 2018/11/18
動物を守ることは環境全てに目を向けること。分かりやすく、ほとんどの人が知らない事例もあって、感銘を受けた。高槻さん、とても文がお上手だ。こんな学者さんが国の政策を引っ張っていってほしい。大人に読んでほしい。

+++++++++++++++++++++++++++
ひろろ 2018/10/27
野生動物の研究者である著者が,やさしい言葉を選びながら中高生向けに書いた本です。著者が終始強調しているのは,「リンク」の重要性です。リンクとは,動物と動物による単なる「食物連鎖」にとどまらず,たとえば昆虫が花の受粉をお手伝いをするといったことなども含めた,自然環境全体の,壮大かつ繊細な関係性のことと理解しました。オオカミを「邪悪な存在」と捉えて絶滅に成功した結果,「邪悪じゃない」動植物までもが絶滅の危機に瀕した過去の失敗事例なども,分かりやすく説明されていました。自然を守ることの難しさを学べる良書です。

+++++++++++++++++++++++++++
温水プーギー 2018/09/02
★5。大学で生物学を学んでいたが、生態学の話題やペット家畜の現状については知らないことが多かったので、とても勉強になった。特に「人間目線で動物を可愛がることと動物目線に立って愛護することは違う」というメッセージが心に沁みた。中学生前後でこの本に出会えた、動物好きな子供は幸せだと思う。

+++++++++++++++++++++++++++
ma273c 2018/08/18
動物を守るためにはちゃんと動物のことを知らないとだめ、ってことを学ぶための本。ペットと野生動物で章が分かれてるので具体的なことを想像しつつ読みやすい。子供が中学生くらいになったら読ませたい一冊。ただ反原発の話はいらなかったかなぁ。

+++++++++++++++++++++++++++
あさぎこ 2018/08/08
ペット、家畜、野生動物について、それぞれの章で分かりやすいが無駄の無い丁度いい量の説明が為されている。「守る」と言っても、例えば家族の一員であるペットの病気を治すといったような目の前の生き物の命を守るというより、まずはペットというのはどういうものなのか、どういう関わりを持っているのか、という所まで遡る。著者は野生動物の専門家なので、ペットや家畜よりも野生動物ひいては生態系についての話が充実している。大人にも十分にタメになる本で、ぜひともオススメしたい。

+++++++++++++++++++++++++++
yuri 2018/07/02
老若男女にとてもわかりやすい 生き物を大切にするということを正しく理解できる本 読み終えたら少し世界が広く見えるかもしれない

+++++++++++++++++++++++++++
Masayuki Takahashi 2018/06/25
ネタバレツイッターでお勧めだとのツイートが流れてきたので、少しだけど自然保護活動などやってるので、それの勉強のために読んでみた。 この本はペットについてというよりは生物多様性について述べている。 意外で重要だと思ったのは、今は絶滅してしまったトキの例で、餌場の田んぼと近くに寝床の森というセットがないと生きられい、そのためただトキを保護してもだめだということ。同様のケースが多々あり生物を守るということは、守りたいものだけでなく、全体を考えなければいけないことが書かれている。大変ためになった。

+++++++++++++++++++++++++++
肝胆 2018/06/13
ペットから野生動物、昆虫、森までひとつらなりに論じられているのを読み進むうちに自分の視野が広がるのを感じます。文章はやさしく、生態系に目配りした動物論として一読をすすめます。アニマルラバーとはまったく違う次元の立ち位置にあって、一方でピーター・シンガー的な「動物の権利」論に対しては批判的です。人間と動物(自然)の関係について考えたい人にとっての真の意味での「入門書」。

+++++++++++++++++++++++++++
モルモル 2018/05/19
動物との関わり方を考えさせられる本でした。 なぜ人間のやることには歯止めがきかなくなってしまうんだろうと絶望的な気持ちになる一方で、この便利な生活も手放せない。

+++++++++++++++++++++++++++
hiyohiyomaru 2018/05/15
「野生動物を助けたい」という中学生の気持ちへの答えとして書き出されるこの本。動物を守ることとは具体的にどのようなことかを洗い出す過程で、食べること、動物植物、農業、人間の暮らしとの繋りのこと、人間同士の多様性、原発事故のことへと拡がる。ジュニア向けのやさしい文章がとてもわかりやすい。これは大人こそ読むべき。

+++++++++++++++++++++++++++
てんきゅ 2017/09/18
動物を守るには、自然のつながりの知識が必要。引力の法則で、海に流れ込む栄養を、鮭は身体に貯めて川に戻り、熊は鮭を食べて、糞で森に栄養をもどす。「鮭が減るから熊を殺してしまおう。」って無知な発想は怖いね。


「本来、生き物はつながって生きていて、人間もそのつながりの一部であったのに、いつのまにか自分たちだけの閉じた世界に生きているような錯覚を持つようになってしまいました。」木を見て森を見ない、合理的で不正義で横暴で暴力的な行為の結果、多くの動植物が絶滅した。「世界は人間だけのためにあるのではない」レイチェル・カーソンが『沈黙の春』で訴え、今を生きる私たちがようやく到達した自然観が、アイヌの人々にとっては当然のことだったとは。動物を守りたい気持ちは、自然や地球を守りたいと思う気持ちにつながる。
2016年 9月12日

春木
動物を守るということはどういうことか、分りやすく書かれていて良かった。全ての生き物は繋がっている。その事に改めて気付かされた。
2016年 6月19日

Moeko Matsuda
自分のことを、感情的過ぎるのかな、と思うことがある。人間の利害と関係なく生きている動物達のことを思う時だ。私は動物が好きだし、子どもの頃から身近に彼らが生活が普通だったが、今でも「動物を飼う」いう表現には違和感を覚える。血統書にしか興味を持たない人々や、ペットショップに行くことを楽しめる人間のことを、心底軽蔑してきた。この本を読んで、そんな自分の感情的な部分と向き合うことができたように思う。優しい気持ちだけでは何も出来ない。私もちゃんと考えるから君も考えて欲しい。そんな切なる祈りがこもった本。
2015年7月27日

八ヶ岳高原でニホンミツバチと暮らす四季

若い世代の良き話し相手として、このシリーズを注目してください。わたしたちもまた、きみたちの明日に刮目しています。 . . . ("岩波ジュニア新書の発足に際して"より)
35年前、中学生、高校生を主な読者対象として創刊された岩波ジュニア新書。一流の執筆者が、その時代のホットな問題を取り上げて、難しいテーマを平易な語り口で解説してくれる。"古い世代"もおおいに気に入って愛読しているシリーズ図書の一つだ。
その岩波ジュニア新書の最新刊が、10月18日に発刊された「動物を守りたい君へ」。
「本当に動物のためになることってなんだろう?」. . . 帯に書かれたやや挑発的なコピーが暗示しているように、"動物を守りたい"ので獣医を目指す中学生や高校生へのメッセージの形をとりながら、実は、短絡的な動物愛護精神や、近視眼的な環境保護の問題対処活動に対する大人への辛辣な批判とも受け止めた。
著者は麻布大学の高槻成紀教授。八ヶ岳自然クラブのフクロウグループが、巣箱から回収した巣材や遺留物を提供している先生で、研究室の学生を連れて八ヶ岳南麓へも何度か現地調査に見えている。
というわけで、「フクロウと森林伐採」の章では八ヶ岳南麓のフクロウについても数ページを割き、我々フクロウグループの活動にも触れていただいている。

とかちのいきもの。
2014-03-06(Thu)
「動物を守りたい」生き物が好きな人間なら誰もが1度は抱く気持ちだと思います。
しかし、動物を守るとは、具体的にはどういうことなのでしょう?気持ちを実現するにはどうすればいいのでしょう?

この本は、家畜やペットと人間との関わりから、野生動物と私たちの生活との関わりまで、幅広い話題をカバーしています。そしてこれらの話題を通して、「動物を守るとは何か」を考えるヒントを随所で与えてくれます。

中・高生向きに書かれた本で、とても読みやすい文章で綴られています。いくつもの実例や、時には詩を挙げて、いきもの同士の繋がりを教えてくれます。研究者ならではの視点から、分かりやすい話題を提供してくれるので、思わずハッとさせられました。

「動物を守りたい」という気持ちを持つ方なら、その気持ちの意味を確かめるために、この本を読まれてみてはいかがでしょうか。

空飛ぶ色いろnatsuno7
本日、Earth Day。ちょうどこの本を読み終えました。著者がいうところの生物のリンクの重要さ。「風が吹けば桶屋が儲かる」なんて言い方もあるけれど、仏教の輪廻転生なんて言葉も彷彿として、生物学の本だけれど、哲学的でもあります。難しいことばが使われていないので、ココロに「沁み」ます。
人が見ることは植物にとってはなんの意味もありません。
たしかに。花からすれば、「まあキレイ」と寄ってくるニンゲンより受粉の助けをしてくれる虫こそウェルカム。
体の大きさ、力、攻撃などを基準にすれば「強い」大型肉食獣は、生態学的に見れば実は一番ひ弱な動物なのです。
だからと言ってむやみに保護しても、かえってひどく「リンク」を壊すことにもなりかねません。モンゴルの草原に野生馬を復活させようとするとき他の動物のテリトリーを侵さないか調査研究がされたそうです。まさに「冒険者たち」な「研究者たち」ですが、現実は地味で単調で、根気のいる調査だったそうです。
もっとも記録されている絶滅というのは鳥や哺乳類が中心で、実際には昆虫や貝類などもたくさん絶滅しています。しかし、人はそういう動物にまで目が届かないために、気がついたらいなくなっていたとか、その存在さえ知られないままに絶滅したものもたくさんあります。
日常のささやかなことでも、環境破壊をしないこと、そういうことを意識的に考えてみようと思うのでした。


「動物を守ることの意味を考えてもらいたい」
投稿者 synodos 投稿日 2014/9/26
野生動物の研究をしている高槻成紀さん(麻布大学獣医学部教授)が、「困っている動物を守ってあげたい」と思う人に「動物を守ることの意味を考えてもらいたい」と思って書いた一冊。人間の愛情を押し付けないで、ペットと付き合うために考えなくちゃいけないこと。人間が生きるために飼育し食べる家畜のためにできること。そして絶滅しかけている、あるいは繁殖しすぎている野生動物と人間との間にある問題を解決するために持っていたい「リンク」という発想。人の歴史の中で、長く深い関係を築いてきた動物たちと、これからも一緒に地球で暮らして行くために思い出したい、つながりについて考えさせてくれる一冊。

kanai0010さんのレビュー 2014年6月15日
野性動物との関わり、ペットとの関わり、家畜との関わり、共生について、そして東日本大震災のこと…。今まで言葉では「動物全体」「地球環境」「持続可能な」といいながらも、ついつい木をみて森をみず、動物個々の事象(例えば絶滅危惧種だったり、ペットの殺処分やや家畜の問題だったり、それぞれその時々自分の興味あるトピックで)となりがちだった自分というものにということに改めて気づかされました。
ジュニア文庫だけあって分かりやすく、語りかけるような言葉ですーっと胸に響きました。
子どもにも、おとなにも、一読をお勧めしたい一冊です。

読書感想文にピッタリです。
投稿者 いちご 投稿日 2015/4/21
読みやすく、分りやすい良い本です。
中学生の読書感想文用に購入しましたが、書きやすかったようです。

読書感想文
投稿者 momiji 投稿日 2015/10/19
中学生の子供の読書感想文用です。とても良い本で、内容は偏っていないので、安心できました。オトナの私が読んでもとても面白く感じました。

みとくみさんのレビュー 2014年4月23日
これは珍しく?学生から教えてもらった本。とても勉強熱心な女子学生が高校生の頃、この本に出会うことで視野が広がり、自分の本当にやりたいことに気付くきっかけとなったという。本書の内容を聞いていると、視点を変えることで見えるものや世界は変わってきて、善悪というのは一義的に決めつけられないというような内容だと話していた(ちゃんと理解できていたらうれしい)。私も読むと学びが多そうなので、本棚に入れておく。

理科や社会の断片的な知識がつながる
tcryuさんのレビュー 2014年3月23日
 この本で、我が家では初めての試みとして、うちの小学生中学年の子供たちに中高生向けのジュニア新書を読み聞かせしてみました。そうしたところ結果的に我ながら素晴らしいと思える教育的効果があげられたので、今後もこのような本を探してぜひまた読み聞かせに使ってみたい、と思うまでの良書でした。
 本書の何がそんなに良かったかというと、まず話題が子供たちにとってわかりやすいところから始まっているということです。子供たちも「動物を大切にしたい」という気持ちは当然持っています。さらに植物の受粉や動物の生態の話などは、授業でも断片的に少しずつ習っていることなので、全然わからない話ではありません。それで本書の良いところは、それらの断片的な理科や社会の知識が、筆者の実体験や具体的な地名によって肉付けされ、深められ、つなげられていくことです。理科の別の単元で習ったことがつなげられたり、理科で習ったことと社会で習ったことがつながったり、本書を読むとまるで社会科見学に行ったかのような効果があります。動物を大切にするという身近でわかりやすい話が、東北大震災、福島やチェルノブイリの原子力発電所の事故や、高度経済成長期の環境破壊までいつのまにかひろがっていくので、無理なくそこまで興味を持続することができます。東北大震災に関連して「ナラの木」の詩も良かったです。その詩が本書に全編転載されていなかったのはやむを得ないことでしょうが残念だと思いましたが、すぐにウェブ検索して見つけることができました。地方版の訳も見つけられたし、盛岡版の朗読をyoutubeで見つけることもできました。動物からは脱線とはなりましたが、方言に触れる機会ともなりました。
 画像を検索して見せたりクイズを交えたりなんかして、「ちょっとコレ楽しくてためになる授業になっちゃってんじゃないの」と自己満足までしてしまいました。子供たちの感想も「動物や自然の間にリンクがあるというのがよくわかった。アイヌの人たちが昔から地球は人間だけのものでないことを知っていたというのに感心した」など読書感想文のお手本みたいな感想を述べていました。お勧めです。
いいね!

candraさんのレビュー 2015年2月3日
いわゆる果実にはベリーとナッツがある。キャンディーはベリーに似ている(赤くて丸い)、という指摘が面白かった。

こ げ つさんのレビュー 2014年1月9日
これは良著です,ペットも含め動物と向き合うとはどういうことかということを,岩波ジュニア新書ということもあり大変わかりやすく書かれている。
海の恵みを鮭が森に運ぶ,というのには大変驚いた。

空のように、海のように
http://papi4883.exblog.jp/20956510

易しい言葉で語るのは難しい。
子供の伸びしろは果てしない、大人が断定してしまってそこで切らない注意が必要だ。
だからと言って大人が教えていかなければならないものもある。易しい言葉で伝えることの難しさがそこにある。

「私の住んでいる地球は人間だけのものではない。」という考えがこの本を貫いている。
トキやコウノトリは当時でも大都市だった江戸の空を飛んでいた。
今は日本原産のそのトリは絶滅して同じDNAを持つ外国産のトリが手厚い保護を受けて、佐渡や兵庫で放鳥され初めている。
トキが絶滅したのはよく言われる化学肥料や害虫駆除剤、乱開発だけが原因ではない。
大正時代に農民達が猟銃をもつようになって食料としてきたことが一番大きな原因になっているという。

シカやクマやイノシシやサルの害が問題になっているがオオカミが絶滅した以外に多くの原因があり人災であることをこの本は伝える。

なぜ動物を守らなければいけないのか、生物多様性が持続可能な世界をつくるというのが一般的な解答だが、著者は易しい言葉でそれを語る。「地球は人間だけのものではない」というのがベストアンサーだ。

著者は原発について厳しく語る。原発被災は人間ばかりでなく多くの動物達をも巻き込んだ。放置され飢え死にしたペット、殺処分された家畜達。動物達の犠牲はあまりにも理不尽だ。植物を含めて生き物達もおそらく何十年も被爆の重荷を負う。

その教訓になぜ学ばないのか。政権は原発再稼働に動いている。「地球は自分たちだけのもの」という勝手な思い込みがそこにある。動物と共に生きることが人間らしく生きることではないだろうか。

戦争や環境破壊、飢餓や伝染病等人類は大きな課題を抱えている。
「動物を守ること」、それは大人たちが易しい言葉で子供達に教えなければならない一番大切なことではないか、著者の声が心に響く。

科学読物研究会
http://www.kagakuyomimono.com/hon/8sekitsui/mamoritaikimihe/mamoritaikimihe.html

著者は動物生態学の研究者です。動物が好きで、けがをしていたり困っている動物を助けたいと考える子どもたちは多いでしょう。動物を守るということはどういうことかを、「ペット」「家畜」「野生動物」の3つに分けて具体的にわかりやすく書かれています。
ペットのいる生活の魅力はもちろんですが、ペット産業の隆盛の裏で売れ残った子犬が殺処分されたり 飼い主に捨てられて毎年20万匹以上のイヌやネコが安楽死させられていることもあえて書かれています。アライグマのような外来種のペットが逃げ出したり、捨てられて野生化して、在来種の動植物を食い荒らす問題も指摘されています。
 家畜は人間が生きるために飼育して食べる動物ですが、暗くて狭い部屋に閉じ込められ病気にならないよう薬を打たれて、時期がくれば処理される一生を送る動物に生命倫理という点で疑問だといっています。私たち消費者は 家畜の命をいただいているわけで、その動物が生き物として生きている間できるだけ健康でいられるように、と意識することはとても大切なことだと思います。
 野生動物を研究している著者は、動物の持つ特徴だけでなく、生き物のつながりや環境との関係を知ることが大切だと例をあげて紹介しています。人間と森とフクロウと森のネズミ、草原のネズミの複雑な関係や、モンゴルの絶滅種タヒ(野生馬)の復活が詳しい調査研究のもとに書かれています。アメリカのイエローストーン国立公園では、オオカミは1932年撲滅されましたが、オオカミに食べられていたシカが増えすぎて食害が増え、若い木や草がなくなり土砂崩れや洪水が起き、川も変化してビーバーが消えたそうです。そこでまたオオカミを放したらビーバーも戻ったそうです。このことからも生き物は様々なことでつながっているのがわかります。もちろん人間もそのつながりの一部です。世界は人間のためだけではないということ、地球上のいろんなつながりの中で人間も動植物も生きているのだから、動物を守るということは地球を守ることだという著者に私は心から共感しました。原発事故の半径20キロ以内の野生動物や家畜やペットのことも書かれています。この著者の『野生動物と共存できるか 保全生態学入門』(2006年岩波ジュニア新書)も合わせて読むと、いっそう野生動物のことがわかるでしょう。                 

Moeko Matsuda
自分のことを、感情的過ぎるのかな、と思うことがある。人間の利害と関係なく生きている動物達のことを思う時だ。私は動物が好きだし、子どもの頃から身近に彼らが生活が普通だったが、今でも「動物を飼う」いう表現には違和感を覚える。血統書にしか興味を持たない人々や、ペットショップに行くことを楽しめる人間のことを、心底軽蔑してきた。この本を読んで、そんな自分の感情的な部分と向き合うことができたように思う。優しい気持ちだけでは何も出来ない。私もちゃんと考えるから君も考えて欲しい。そんな切なる祈りがこもった本。

pugyu
怪我をした野生動物を治療することは動物を守ることになるのか。そんな切り口から、動物と環境の関係について分かりやすく説明してくれます。マルハナバチとサクラソウの関係は、絶妙なバランスで生き物が暮らしていることがよくわかりました。気温だけでなく雪の深さも重要なのだと。人間は閉じられた空間で生きているわけではない、自然を管理できるわけではない、ましてや自然は人間のためにあるわけではない。アイヌの教えをちゃんと知りたくなった。

れいか
比較的面白かった♪「つながり」の大切さを改めて感じる。様々な事情を知れた。シデムシとかの実験楽しそう。花の綺麗さはもともと人間のためじゃなく、残すため。大切な源を確認させてくれる

摩天楼
リンクの大切さをとても強調されているが、このことについて、動物保護にある程度関心があっても知らない人は少なくないだろう。この著者のように、広い視野を持ち、柔軟な思考のできる人が増えることが、動物保護には不可欠であろう。

かける
この本にはペット、家畜、野生動物と人間の付き合いかたについて考えてさせられるような内容がかかれている。特に野生動物はリンクを考えていかなければいけないのだと思った。

白花豆
ハチ公は忠誠心から渋谷駅に通ったのではなく、日課から軌道修正できなかっただけなど、実も蓋もない真実を暴くが、人間の感情や都合に合わせてペットや家畜、野生動物を扱うことに注意を促し、本当に動物や環境を守るための提言をする。糞虫の課題に取り組んだ学生に「池田さんも森の話を聞く耳を持てたのだな」と調査対象だけではなく、環境、存在、他の昆虫や植物とのリンクまで含めた研究をこのように表現する。好感のもてる先生。また大震災と原発事故後のペットや家畜、野生動物たちにも言及。人間の愚かしさを再認識した。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 野生動物と共存できるか | トップ | 人間の偏見 動物の言い分  »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

私の著作」カテゴリの最新記事