活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

マンガの創り方(序論)

2009-03-14 23:56:41 | 活字の海(読了編)
著者:山本おさむ 双葉社刊 2008年8月30日 第1刷刊行
サブタイトル:誰も教えなかったプロのストーリーづくり


最近、ひょんなことから漫画家さんと知り合いになった。

ネットを介してだが、その方の創作ノートのラフスケッチ等を見せて
いただく機会もあって、創作という活動に興味を持っている。

これまでにも、スティーブン・キングや野田章宏元帥等、好きな作家の
書いた小説作法等は読んできたのだが、更に多様なジャンルの創作に
関する考え方を、知りたくなってきたのである。

そんな折、本屋で目に入ったのが、本書「マンガの創り方」と
久石譲の「感動をつくれますか?」。

久石氏の本は新書でもあり、躊躇は無かったが、本書は500ページに
にもなる大部な単行本であり、値段も税込みで4千円を超える。

やや躊躇したが、ぱらぱらと立ち読みをしてみて、その内容の面白さに
思わず購入してしまった。

そのボリューム故、まだ半ばまでしか読了していないが、想像以上に
面白いその内容に、そして自分が受けた啓示を忘れないようにしたい
という思いから、気がつけばキーボードを叩いていた…。


本書は、大きく以下の五つから構成されている。

・序論
・第一部 「ストーリー作りを始める」
・第二部 「ストーリーを組み立てる」
・第三部 「ネーム(シナリオ)を作る」
・第四部 「ネームを推敲する」

現在は、ちょうど第三部に取りかかったところ。

この構成を見てもお分かりのように、本書は所謂マンガの描き方の
本ではなく、マンガの創り方の本である。

こうした本って、確かにあまり無かったよな。と思う。

ペン入れの技法や、トーンの張り方、ポージングや遠近感等、
描く上での注意点をまとめている本は、少し大きめな書店に
いけば、それこそ色んな人が色んな切り口から書いているし、
雑誌まである

でも、ほとんどが作画技法に重きを置いており、ストーリーの
創り方の部分をここまで主題にしたものは、類書を見ないのでは
ないか?

その一点をもって、本書は既に存在価値を有しているし、しかも
その一点の密度が実に濃いと来ては、漫画家を志す積もりが無くとも、
マンガを好きな人、もっと言えばマンガに限らず文字を媒体にした
創作を勉強中の全ての人にとって、参考になる本ではないか?と思う。


この本で、僕がまず最初にやられた!と思ったところは、序論から
始まる。

自分が楽しむことを主眼で描いているうちは、プロとしては使いもの
にならない。自費出版では無いのだから、作家の自己表現の場所を
提供するのが出版社ではない。あくまで読者の存在を意識して、
読者を楽しませること。これが出来ないうちはプロではない。

こうした主張が、序論開始直後から熱く語られる。
そして、その主張は実にもっともなのだ。

僕もこうしてブログに文を書き連ねて、ネットの海に発信している。
別にお金を取れる代物でもないし、基本的に僕が書きたい内容を
書きたいように書いているだけである。

だが、それでは精神的マスターベーションと変わらない。
プロの文筆家ならば、読者を意識した文章を書かなくては失格である。

別に、そうしたことをゴールに、このブログを書いている訳ではない。
何度も言及しているが、あくまで発端は、自分自身の備忘録としてで
ある。

だが、それに徹するならば、別にブログの形を取らずに、ノートや
日記の形でPC内に保存する形で残しておけば構わない訳である。

情報を他者へ発信するブログというメディアを選んだ以上、
そうしたことをきちんと踏まえないと、読んでもらっている人に
失礼にあたる。

そう思い、この序論に感銘を受けた次第である。


この後も、様々な気付きをもたらしてくれている本書であるが、
また読了した暁には、それらをまとめてみたいと思う。

さて、その頃には、僕の文章はどのような変革を遂げているのか?
楽しみである(笑)。


(この稿、(恐らく少し間をおいてから)続く)


マンガの創り方―誰も教えなかったプロのストーリーづくり
山本 おさむ
双葉社

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2 コメント

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Unknown (シャドー81)
2009-03-15 22:57:17
久石譲さんの本は、私も読みました。制作現場の厳しさがよくわかりました。

今でも十分、物の見方で参考になることがありますよ。さらに変革・進化するとなるとどうなるのかなぁ。期待してます。
返信する
相変わらず… (MOLTA)
2009-03-16 00:49:25
すごい読書量ですね。
しかも、ジャンルも豊富だし。

当方まだまだ道半ばですが、少しでも前に進めるように、ガンバリマス。
返信する

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