世の中にBluetooth対応のキーボードは数多くありますが、ほとんどがモバイル用途を目的としている為、メカニカルキーを採用したものは殆どありません。日本国内ではFILCOぐらいしか出して無いんじゃないかな?
ダイヤテックのホームページを見ればわかると思うのですが、数年前に今回と同じような仕様でCherryの茶軸と黒軸のモデルが発売されていました。 その時はASCII配列の茶軸モデルが安くなったら購入しようと目論んでいたのですが、いつの間にか絶版になって、流通在庫も無くなってしまって、悔しい思いをしたのでした。
で、今回。新たに赤軸と青軸がモデルに加わって、再販される事になったので、ちょいと値段は張るけど、また悔しい思いをするのは嫌なので、購入に至った次第です。
今回購入したのはMajestouch2 Convertibleの赤軸モデル。キーボードの感触は赤軸のそれで、キートップの形状やキー配置もオーソドックスなものとなっています。かな文字表記の無いJIS配列モデルですが、iOSやAndroidに配慮してキーの側面にASCII配列時の文字や記号、mac仕様の特殊キー記号が描かれています。
また複数(4台)のデバイスとペアリング可能なので、デバイスを切り替える為にF1~F4キーの側面に1st~4thまでの文字が書かれています。
キーボード背面のDIPスイッチでCtrlキーとCapsLockキーを入れ替える事ができるのですが、入れ替えた時の為に、予め大きさの異なるキートップが同梱されています。
USBケーブルを挿す事で、普通の有線キーボードとしても使用できますが、有線使用時はキーボードの電源をONにしていても、Bluetoothデバイスは使用できません。個人的にはコレが非常に残念でした。普段は有線でPCを使いつつ、必要に応じてBluetoothでiOSへの文字入力ができれば便利だと思っていたのですが、この仕様だと、いちいちキーボードからケーブルを抜いたり挿したりしなければなりません。電源スイッチとUSBケーブル差込口は、すぐ手が届く場所にあるのですが、スイッチは手探りで簡単に押す事ができるのに対して、ケーブルを接続するのに手探りは難しいです。
PCもBluetooth接続で使えば良いのですが、Logicoolの専用無線接続と違って、Bluetoothは電池のもちが悪いから、PCのキーボードとして使うにはもう一つなんですよね…
タブレットやスマートフォンで物理キーボードを使うのは邪道ってな気もしますが、移動中に使うのでなければ、画面全体が利用できて、しかも高速入力が可能な物理キーボードは非常に便利です。
それにしても、FILCOのホームページでキーボードの解説記事中に、基板がFR-4だとかスルーホールだとか書いてるけど、普通の人には何が凄いのかさっぱり分からないと思うんだよなぁ…
FR-4ってのは基板の基材の種類で、ガラス布を用いたガラスエポキシ基板。もうちょっと安いガラスエポキシ基板でガラス不織布を使ったCEM3ってのがあるんだけど、FR-4の方が剛性が高いんですよね。ついでに値段も高いです。耐トラッキング性能も少し違うけど、キーボードではあまり意味が無いので…
それから、キーボードって大抵は片面基板なんだけど、普通は基板両面に回路を引かない限り、銅スルーホール加工はしないのですが、あえて銅スルーホール加工する事によって、スイッチの足を基板両面とスルーホール内で半田付けして、グラつきを防いでいる…という事だと思います。
バラしてないから分からないけど、ガラエポ基板は基板製造時とか半田ディップ時に反りやすいんですが、たぶん殆ど反ってないんじゃないかなぁ…Cherryスイッチへのこだわりも凄いけど、基板への拘りも凄いなぁと思うのでした。効果があるのかは分からないけど。
ついでに、キーボードのフレーム(というかボディーというか)も、剛性が高いですし、わざわざシボ加工したり立体エンブレム入れたりで、手間がかかっています。
そんなんなので、無駄に金がかかっているキーボードなのですが、販売価格を考えれば、さもありなんといった感じですかね…
FILCO Majestouch2 Convertible 赤軸 日本語カナなし Bluetooth+USB&PS/2 Nキーロールオーバー対応 独CherryMXスイッチ赤軸採用メカニカルキーボード マルチペアリング4台対応 ブラック FKBC108MRL/NB2 | |
FILCO |
ただまぁ、折角新しく作ったモデルなんだから、それぐらいの動作は、キーボード単体で対応しておいて欲しかったんですよね…
誤動作防止とか色々と理由はあるんでしょうけども。