「トミーノッカーズ」も
そうだけども「アル中」小説として読んでしまう俺としては怖すぎるんだよね((+_+))
「シャイニング」のまさに続編であの可愛いダニーが
みごとジャック父さんを彷彿とさせるアル中おやじになっているところから始まる。
俺も気を失っての翌朝のむかえ方はよく知っているけれども
文豪が驚異のボキャブラリーを駆使して現わすその才能を甘受して
恥ずかしすぎる俺の姿が小説の世界に映し出されるのがM的な快感。
そしてリアルに酒の海に溺れた哀れな中年男のその姿がこれでもかと見せつけられる…
スティーブン・キングの描く町や市井の人たちは生々しく浮き上がってくるのが得意技だ。
幼児虐待ありDVあり不倫あり近親相姦ありイジメあり原発事故問題あり…とにかくアメリカが抱えている病巣は全て
書きつくす。圧倒的だ。
日本というのは米国の後追い姿になっているからS・キングの描いているアメリカ合衆国の姿は
そのまま日本の近い将来の姿だ。
俺はこの人の小説は虚構の世界だとは思わないで読んでいるよ。
それはマザーグースの世界がやっぱり現在の世の中を写し描き出しているのと同じように
本質はそのまま本当のことなんだと感じる。
S・キングの描くオゾマシイ怪物や宇宙生物も全て存在している。間違いなく。
そう「トミーノッカーズ」は確かにいるよ。
それを笑ったりキチガイ呼ばわりうする人たちこそ夜のニュースを見ていない証拠だ。-トミーノッカーズ冒頭より―
そうそのとおり「ヘイブン」という町は創作の賜物でありかつ実在する町だよ。
人間の心に宿す怪物は姿かたちが見えないからいないわけじゃないのと同じことだ。
心を寝床にする怪物は昼夜問わず跋扈する。
感情という高性能の操縦席を陣取って隙を見計らっている。
虎視眈々と狙っている。
気をつけよう。
毎晩酒に溺れるくたびれ果てた中年男達よ。
隙を見せるな。目を開いておけ。深呼吸をしろ。
気を失うな。