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FREAKY 13 DEAKY

酔いどれの誇りと踊る熊へ

オーバールックホテルの過去の亡霊とYouTubeと

2025-02-23 14:55:13 | 小説等感想
夜中の10時ごろ静まった室内でYouTubeにハマって見ていたものが、
1987、88年ごろのCM。
その当時のコマーシャルを見ると、当時の記憶がハッキリと思い出されるのが何とも言えない気分にさせてくれる。
しかし、フッと怖い気持ちになった。

S・キングの「シャイニング」そのままだと。

主人公のジャックはまったく売れない小説家。
生活費の為コロラド州リゾート地で豪雪期間中閉鎖ホテルで建物が傷まないよう泊り込みでメンテナンスをするバイトにありつく。
まぁ、みんな知っての通り幽霊屋敷。
前回泊り込みバイトした家族はどうなったかというと、化け物らに憑りつかれてしまった親父が妻と双子の娘を惨殺したといういわくつきホテル。
大事故物件。

S・キューブリックは全削除したが、小説ではこのジャック親父が夜な夜な小説も書かずに(というか書けずに)ホテルの屋根裏倉庫に入り浸っていたとこが面白いし怖い。
ほとんど「開かずの間」の倉庫には1950年代全盛期のホテルの記録書式や写真がテンコ盛りに保管されていてそれにハマっていた。今で言う、沼っていた。

新作を仕上げるという、「苦しい現実」から逃避するために幽霊屋敷の化け物部屋に入り浸ると。
幻想の懐古趣味侵されて邪鬼に憑りつかれてしまう。

懐かしさは、危うい。
今というところに向き合えなくなってしまう病気になってしまう。

過去には戻りたくないけども、「いまそこにある現実」からも逃げ出したい気持ちも立ちふさがる。
逃げてばかりいても解決しない。
やはり内なる自分を観ないと、進められない。

過去の亡霊は甘い香り。
危険な香り。

年に何度かこういう夜がやってくる。

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満を持して、打ちのめされた

2024-07-19 12:49:57 | 小説等感想
早く文庫化しないかなと首を長くして待っていた。
兎に角読みたかった。
やべェ本と出合った。
一生本だ。
やられた。気持ちよく倒された。
登場人物を好きになる、ということは作者が命を吹き込んだからだと思う。
ユーチューブでは沢山の感想と評論が展開されている。
いまさら何も言うことない。
製作費百億円の映画を凌駕する小説。
犯罪・暴力・欲望・運命・縁。
描き切る力量。
文章力。活字の力。自分のイマジネーション。著者と自分の熱量。
生きていてよかった、こんな本と出合えるなら。
こう思わせてこそ。ぶ厚い。

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深夜特急と六畳一間。

2023-12-07 16:39:04 | 小説等感想
ミッドナイトエクスプレス。
あるいは刑務所脱獄の隠語。


それにしても、この虚ろさは
どうしたことだろう。
籠の鳥と違ってどこでも自由に飛び立てるはずなのに、異国の安宿で、
薄汚れ寝袋にくるまり、朝、茫然と天井を眺めてみじろぎもしない。
その姿には、見ているものをぞっとさせる、鬼気迫るものがあった。
        ——沢木耕太郎著 深夜特急——


いち地方大生のまだ何者でもない貧乏学生だったわたしがまさにこれ。

良い小説とは書いている内容がリアルに自分と重なるものだ。
作者は俺のことを書いているんだ、そこまでは思わんが。

単位も取れない。金ない。彼女いない。友達いない。テレビない。車ない。エアコンない。
ないない尽くしの何者でもない私。

街の小さな古い図書館で見つけた。
沢木耕太郎。

人気作家だけあってくったくたで疲れきった本のページをめくるとあっちゅうまに引き込まれた。

時間だけは有り余るほどある。
このノンフィクションノベルの主人公と全く同じだ。

世間はバブル崩壊前の絶頂を極めていた。
なんの関係もない大学生。

なんとかしてこの無為の地獄から脱獄したかった。
この作者みたいな行動力のない私。
本で代替行為。
夢中で逃げた。
成し遂げられるものなどない。ただ逃げるのだ。

輝く銀河鉄道には乗り損なったが無為地獄の夜の特急には飛び乗った。
そこは地獄だったが孤独ではなかった。
一人だったが心の穴は埋められた。
生き延びることが出来た。
やがて寂しさを抱きしめた若者同士が出会い始めていった。
恥ずかしさを虚しさと悔しさを抜きに語ることのできない時代がやってきた。




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開高健と石原慎太郎

2021-06-29 20:38:44 | 小説等感想
茅ケ崎の海。



芥川賞。


共通点はまあ。


でも、


政治と距離をとるのか、ドップリはまり込むのか。



そこで人生が両極端になる。




どちらも天才。




しかし、辿った道が。




面白い。





悪魔に魂を売ったとか何とかより、深く真っ黒な闇がある。





芸術のいかがわしさと高潔さ。





ゴルフのように、ド素人もやるし超人のプロもやる。





それがアート。





ART




ARTと驚く為五郎。

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川端康成とは

2021-03-15 21:14:10 | 小説等感想
永遠の、



美少年で



いられなくなった、


エイジングと




戦って






等身大の



「鏡」に映し出された、




あばら骨とか、シミとか、しわとか、







それを




誰かにも、そして誰にも






見せたくはなかった。






それって、「雄」として生まれたときに、





背負う、宿命だな。















あばよ。




文豪。

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