大多数の国民が真相究明を求めている加計学園問題について、それを避けるかのごとく通常国会が閉幕です。さらに東京新聞の望月衣塑子記者へも官邸が圧力をかけているという、アベ政権のおぞましさが伝わってきます。権力の不正に対して鋭い調査報道に取り組み、『武器輸出と日本企業』(角川書店)の著者としても知られる望月記者だけに、圧力に屈せず仕事を続けてゆくことでしょう。
今日は午後からの「熟慮塾」講座へ、上越市立高田図書館へと車を走らせました。第2回目は「漱石と日露戦争」で、興味深いことがぽんぽんと出てきます。先ず市内のある寺のご住職から、「第一高等学校不敬事件」で追放された内村鑑三氏が4つ下の弟がいる高田に身を潜めていたと「高田高等学校百年史」のコピーを配布で、「教育勅語」の発布をめぐって起きた事件の波紋が高田中学校の一員にも及んでいたと紹介です。
講座「漱石と日露戦争」で、海軍の広瀬中佐が出てきたので、司馬遼太郎著『坂の上の雲』を思い出しながら、歴史は時の愚かな権力者により繰り返されることを再認識です。講義を終えてから高田図書館内の上越市出身の童話作家の小川未明文学館を覗いてみました。
子どもたちにも分かりやすい展示方法に「なるほど」で、主な童話集の表紙や晩年を過ごした東京都杉並区高円寺の家の書斎部屋なども再現です。
高田図書館を離れて、受講メンバー数人にMさんが加わり、美味しコーヒーをすすりながらの政治談議です。「共謀罪」により市民が萎縮してしまうのは与党の思うつぼで、これからも歴史から学び権力に屈することなく市民活動を続けようと意見の一致です。その後は友人ら4人で近くの割烹料理店へ移動し、美味しい創作料理をいただき私だけが早めの帰途です。
夜8時過ぎに帰宅し、2009年から3年連続のNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」の画像を見ながら日露戦争を“復習”です。司馬遼太郎さんが10年の歳月をかけて書き上げた長編小説ですが、戦争を美化してはいけないと映画化に否定的だったという司馬さん、お元気ならば今のこの国を憂い憤ることでしょう。そんなことで萎縮することなく、いつも「いいね!」をクリックしてくださる人たちに「ありがとう」の思いの終日です。
いま大河ドラマ「おんな城主直虎」で着目を集めている井伊直虎が守り育てた井伊直政の長男の系統が、最終的に、越後国与板藩に転封され、幕末まで続きますが、その井伊家の家来だった柏木家が、その後与板の井伊家菩提寺の住職となり、その末孫である義円が、ルーツを辿り、井伊のはじめの領地だった安中の地で、キリスト信仰に出会い、非戦論を展開し、平和の方向を内村と意気投合していたものと思います。