SUPER FLAT 2

非ファルス的にもっこりするものを肯定せよ!(神の性的不器用あるいはその性的悪戯に由来するもの達について)

THE WHO

2006年06月28日 | Weblog
ヘイヘイ、マイマイ♪ 王は死んだが忘れられない。これはジョニー・ロットンの物語。錆びる前に燃え尽きてしまいたい。ロックンロールは死にはしない♪ (ニール・ヤング「ヘイヘイ、マイマイ」)

「まったく吐き気がするぜ」――ニール・ヤングのアルバム『ラスト・ネヴァー・スリープス』(1979年)を聴いたジョン・ライドン(ジョニー・ロットン)本人の感想である。セックス・ピストルズを脱退した後のライドンはすぐに新しいバンド「パブリック・イメージ・リミテッド」を結成し、以後、できるだけニール・ヤングのような「お坊ちゃま」の歓心を買わないような音楽を創りはじめる。確かに『メタル・ボックス』のようなアバンギャルドを聴いていると、ニール・ヤングの曲など恥ずかしくて聴いていられなくなる。ニール・ヤングの「錆びる前に燃え尽きてしまいたい」というフレーズも、この「アメリカン・ロックの青春時代」を代表するフォーク・シンガーが謡うとものすごくナイーブに響く。だが同じようなフレーズをたとえば「さらば青春の光」を代表するロックバンドTHE WHOが「老いぼれる前に死んでしまいたい」(My generation)と歌えば、後のロックの歴史が変わったりするのだ。どんなにガラの悪いパンクスやモッズであろうと、THE WHOのメンバー前では借りてきた猫のようにおとなしくなる。それはセックス・ピストルズの連中だって同じだった。誰だってキース・ムーンのあのドタバタしたドラミングには恐縮するほかないし、誰だってピート・タウンゼントのこのジャンプを見れば思わず襟を正したくなるというものだ。(続く)

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