SUPER FLAT 2

非ファルス的にもっこりするものを肯定せよ!(神の性的不器用あるいはその性的悪戯に由来するもの達について)

インランド・エンパイア24

2009年12月31日 | Weblog
 さて、前回凄いものを発見してしまったので、さらに詳しくエンディングのシーンを分析して検討した結果、あるひとりの風変わりな男の存在が浮かび上がり、その男をここに連れ出してくることになった。象徴界を破壊しようとした男、アントナン・アルトーだ。ぶっちゃけ、この女たちの踊りの「ぎこちなさ」は、アルトーが「神の性的不器用」と呼んだものに由来している、と考えられないだろうか。これからアルトーを尋問するが、何か判明したらまた報告したい。ていうか、いつまで続くんだこの連載は。

>彼はぎこちなくなりたかった――何というか――「不器用(maladroit)」になりたかったのです。なぜなら彼は当時、デッサン技法の教え方、すなわちその訓練法は、彼が拒絶していた文化によって浸透されていると考えていたからです。だから、彼は上手なデッサンの規範を侵犯したかったのです。彼が何度も繰り返し「不器用(maladresse)」という語を用いるとき、そこにはもちろん誤った宛先という意味での「宛先違い(mal-address)」や、ぎこちなさという意味での不器用(maladroitness)や、また彼自身のデッサンの見かけ上の見当違い(misdirection)が含意されていますが、しかしまた、神の性的不器用と彼が呼んだものに対する反撃としての投射も含意されているのです......彼自身の、神話としての歴史のなかでは、すべてが〔神が性を自然に受け入れられないという意味での〕神の性的ぎこちなさの結果なのです。(『デリダ、脱構築を語る―シドニーセミナーの記録』44ページより抜粋)

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