SUPER FLAT 2

非ファルス的にもっこりするものを肯定せよ!(神の性的不器用あるいはその性的悪戯に由来するもの達について)

秋葉原レッド・ライン

2010年08月08日 | Weblog
>「オルフェウスの死の図像」はそれゆえ、身ぶり言語の古代的最上級表現(Superlative)がその路上を移動しつつ、アテネからローマ、マントヴァ、フィレンツェをへてニュルンベルクへと到来し、アルブレヒト・デューラーの魂に入り込むに至った軍用道路の、発掘された最初のいくつかの宿駅に関する暫定的な発見報告のようなものと見なされるべきである。(アビ・ヴァールブルグ「デューラーとイタリア古代」より、田中純著『アビ・ヴァールブルグ 記憶と迷宮』216ページ)

 テレンス・マリックの映画『シン・レッド・ライン』には、河で血を洗い流すシーンの他に、ジャングルを切り開いて通された軍用道路上で、負傷兵達が輸血を受けながらジープで運ばれていくシーンがある。つまり軍用道路とは「血の道」であり、遺伝子の伝達経路でもあるというわけだが、このよく知られた秋葉原事件の発生直後の映像にも、そのレッド・ラインが写り込んでいる。警官に押さえ付けられた加藤の背後に見えるのは、横に長い赤い看板と、その下のコンクリートに何故かスプレーされた赤い塗料の線(?)である。これが偶然であり、また深読みし過ぎであることは分かっているが、しかし何故、加藤がこの場所で犯行を止めたのか、という疑問は残る。加藤の頭から流れている血が、コンクリート上の赤い線に混ざりこんでいる。(続く)

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