浜松市の東隣・周智郡森町には国指定重要無形民族文化財の
三つの舞楽が継承されています。
前回ご紹介いたしました四月始めの天宮神社・十二段舞楽と
五月始めに行われる小国神社の十二段舞楽は両者共によく似て
います。
他方、七月中頃に行われる山名神社天王蔡・八段舞楽は、前者とは
異なり、動物などをテーマにしたとてもユニークな舞いです。
六番目の「龍の舞」では奉納殿の柱によじ登り逆さまになって上体を
煽るアクロバットだったり、
七番目の「蟷螂の舞」(カマキリの舞)は日本全国でここ山名神社
にのみ伝承されてきた舞いです。
それでは、
7月17日(土)に日行われました山名神社八段舞楽より、
一番目の「八初児(やつはし)の舞」より順次アップいたします。
八初児と呼ばれる鞨鼓(小鼓)を身に付け、覆面をして舞うお清めの
舞いです。
頭や顔を覆面で覆うのは疫病から身を守るためだそうです。
続いて二番目の「神子(みこ)舞」です。
神子(巫女)は祓い清めを職掌することから、八初児に続いて
舞います。
八段の中でも重要な舞いであったと考えられています。
三番目「鶴の舞」。
京都祇園蔡では神様の使いとして真っ白な鷺が舞われていますが、
山名神社では雄雌番(つがい)の鶴が神様の使いとして舞われて
います。