昨日は昼間から友人宅へ遊びにいって、その間にもアベマで叡王戦をチラ見していたが、いつまでたっても50%同士の毎度で、夕方で十分と思う。
午後4時に終了して5時前に帰宅。再度どうなったとみるが、藤井10分、菅井40分くらい残して、未だ50%同士。
あのなあ、素人は思うんだぜ。50%というのは、一手目を指したときと同じこと。野球の0-0と同じで、決して10-10ではないんだね。50%がずっと変わらずに10-10になるかあ。しかも角交換はしたようだが、持ち駒あまりない。せめて藤井君は、未体験の振り飛車穴熊に、「やってやろうじゃねえか」と、果敢に挑んでいるのが、あの風貌からは想像できない凄み。持ち時間5分くらいになった小考のときに、相手がトイレにたった直後に一手を指す。こういうのは、無意識の中の露骨性だよな。
ところで、駒のぶつかり合いの手前までなら、ちょっと記憶力のいい連中なら、誰でも5分で指せると思うんだけど。あの魔太郎だってそのくらいやっている。冒頭からの丸暗記ってやつで。
さて、問題は50%のままなのに、なんで10分対30分まで時間が減るんだ。そこからが長考の応酬なのに、明確に答えた人は誰もいないよ。せめていいところというなら、「考えることを持っている」ということは、プロらしいなとは思う。世間の多くは考えているといいながら、迷っているだけのことが多い。それは人生についてもそうだ。そこを連中は、考えている。「1時間考える時間をくれ」というなら、世間でそんなこと言える人は相当すくないよ。何しろ考えることがない、必要がない、テーマがないからね、迷えるだけの子羊。
問題はそれ以降。
まず藤井は、10分の中で、多分千日手に持ち込んだ方がよかったらしいのに、分が悪く継続を選んで悪手を指した。受けて立つ竜王としては、小僧の振り飛車に最後まで「付き合ってあげるよ」の大横綱気分だよ。
ために悪手になったね。相手菅井は60%の勝率になって、「藤井はまた負けるのか」とちょっとがっかり。ところがそこからの本格殴り合いに入って、菅井のミスが目立つ。
ああAIの時代に入ると、それは試験場の相手の解答欄見ているようで、偏差値の優劣が露骨に盤面に出てくる。簡潔に、それはどの程度頭がいいか、相手は悪いのか。答えと同じ手になるか、違うのかは、ホームランか、三振かがその場でわかるわけで、ショーウィンドウの美人比べと一緒で、素人の私でも面白い。
結果5時半から7時までの1時間半に70手から160手まで進んだわけだから、その動きは早くて多彩だったよ。
菅井有利のなかなのに、端歩を進めたときに、彼は一気に20%も落とした。解説も「手詰まり状態で次にやることないですよ」のなかで、大失敗する。ここですよ。本来1時間の長考が必要なのは。どうしてその時に時間がないのか。せいぜい3分程度。それじゃ正解は不明のまま。投げやり将棋、パニックプレーってやつでね。解説の藤井も「頭真っ白じゃないのかな」と大笑い。あまた真っ白はそう多く経験はないが、それはエクスタシーに近い。
先週あたりの魔太郎との名人戦でも、彼が50%から一気に30%へ大崩壊したのも、考慮時間なしに、玉が右上に逃げた一手だった。そこで1時間考えるべきだったのに、すでに時間がなくて、しかも指し手の意味も分からなかったと思うが、考慮なしの「真っ白プレー」が最悪の一手だった、本人にその自覚すらない。
なのだ。共に時間配分能力がゼロ。勝つための将棋になっていないということで。この程度でトッププロというなら、それは勘違いも甚だしい。尾瀬方面に観光に行くというのに、現地に着いたときに運転疲れで、ヘトヘトすぐ居眠りという、素人観光同程度。体力99%温存のなかで、現地到着、そこから遊ぶぞのフルパワーじゃないのかな。
棋士ももっと進化しないと。今後は70手までは5分で指して、そこから3時間55分かけてください。50%から動き出し以降を大切にね。
ところで若い藤井君とすれば、どの爺さんと当たっても、同時間持っていればOKであって、藤井5分と相手4時間くらいないと、均等とは思えないということを、菅井、魔太郎も自覚して欲しいです。
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