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112 お麩の日

2012-11-02 00:07:11 | 雑記

全国製麩工業会が、毎月2日を「お麩の日」に制定した。

 麩(ふ、セイタン)

麩はグルテンを主原料とした加工食品。グルテンは、水で練った小麦粉に含まれるタンパク質の一つ

である。小麦粉に食塩水を加えよく練って生地を作り、粘りが出たところで生地を布製の袋に入れて水

中で揉む。デンプンが流出した後に残ったグルテンを蒸して生麩(なまふ:もち麩)が作られる。

生麩を油で揚げると揚げ麩(あげふ)になる。生麩を煮てから成形して乾燥させると乾燥麩(かんそう

ふ)になる。

上記のようにして作られたグルテンに、小麦粉、ベーキングパウダー、もち米粉などを加えて練り合わ

せ、焙(あぶ)り焼きしたものが焼き麩(やきふ)である。

生麩には、ゴマ、ヨモギ、紅花などの素材を加えて、風味や色をつけたものもある。

また、流出したデンプンを集めて乾燥させたものを正麩(しょうふ、漿麩)と呼んで糊や菓子の原料に

なる。

このようにして作られる麩であるが、それぞれ食感が異なる。

煮物・汁物・和え物や、すき焼きなどの鍋物の具、沖縄料理の炒め物の材料としても多く用いられてい

る。秋田などの東北地方の一部や北海道の一部ではラーメンの具として用いられている。

生麩や焼き麩は料理以外に菓子として用いられることがあり、生麩は小豆餡を包んで麩饅頭、焼き麩

は生地に着色して砂糖を練り込み、麩菓子などの駄菓子とする。黒糖で花林糖のような風味を持たせ

た麩かりんとうもある。 

生産地

山形県(焼き麩)、宮城県・岩手県(揚げ麩)、新潟県村上市(焼き麩)、京都市(生麩、飾り麩)、石川県

金沢地(生麩、焼き麩、飾り麩)、沖縄県(焼き麩)、中国江蘇省無錫市(揚げ麩:上海料理の煮物、精

進料理)など。

麩の種類

板麩(いたふ):短冊似の板状に成形して焼いた焼き麩。山形県酒田市の特産「庄内麩」が有名。

 味噌汁・お吸い物の具、鍋物など様々な料理に使われる。

まんじゅう麩(岩船麩):饅頭型をした焼き麩。新潟県村上市岩船地区が発祥地とされ、「岩船麩」と

 して知られる。同県の下越地方で作られる。

●麩まんじゅう:生麩の皮で漉し餡を主に包んだ饅頭。もちもちした食感の皮を楽しむ。笹の葉や塩漬

 けされたサルトリイバラで包まれる場合もあり、塩気や香りがアクセントになる。京都府上京区の『

 麩嘉』や愛知県江南市の『大口屋』のものが有名。他にも石川、大阪、和歌山などで作られる。

つぶし麩:まんじゅう麩に蒸気を当てて蒸し、柔らかくなったところを円盤状に押し潰したもの。密度

 が高く身が締まっていて歯ごたえがある。その昔、船で数多く運ぼうとして考え出された。

車麩:竹輪のように、アルミの棒に麩の生地を薄く巻いて、回転させながらよく焙焼し、その上へ重

 ねて生地を巻く。巻いて焼き、焼いては巻く工程を3回ほど繰り返して棒状にした焼き麩。

 沖縄料理のフーチャンプルー(麩チャンプルー)、チキアギ(つけあげ)などには欠かせない。新潟県

 、石川県などでよく食べられ、お袋の味として煮物などに使われる。

押し麩:車麩を春巻きのように押し潰したもので、山形県などで作られている。

揚げ麩:中国無錫の揚げ麩は、団子状に丸めた生麩を、菜種油などで揚げて作る。揚げることで

 気泡を作り、直径6cm程度の大きな球に膨らましてある。

 仙台麩(油麩)は、棒状の揚げ麩。岩手県南部及び宮城県の伝統食材。汁物に使うときは、水戻しせ

 ずに料理に使え、適当な大きさに切って煮物に入れることでコクが出る。汁気の少ない料理に使う

 場合水戻しが必要。

飾り麩:花の形や手毬の形などを食紅などを使って彩りよく形どったもの。京都の「京小町麩」、「花

 麩」、石川県の「加賀飾り麩」などが有名。

角麩:成形に簾(すだれ)を使った四角形状の麩で、表面には波状の模様が付く。生麩と乾燥麩が

 ある。角麩は名古屋市周辺や尾張地方で製造・消費される生麩で、この地方ではスーパーマーケッ

 トや小売店でもよく見かける。

 これを「すだれ麩」と呼ぶ地方があり、石川県では生麩の知部煮の材料であり、茨城県結城市では

 長方形状の乾燥麩で塩分が強く、水で戻して塩抜きしごま酢和えに調理され、冠婚葬祭のときなど

 に食べられてきた。

安平麩(あんぺいふ):山口県で生産される丸型の焼き麩。原材料はグルテンと小麦粉。一見シュー

 クリームを思わせる外見をしている。

丁子麩(ちょうじふ):京都名産の四角形の焼き麩。

ふやき御汁:石川県で考案された、モナカの中に、細工麩・乾燥野菜を詰めてあるもの。調味量とと

 もに椀に入れ熱湯を注ぐと一人前の汁物が出来上がる。外側の皮が麩と勘違いされることが多い

 が、モナカ(原料:もち米)であって、麩(原料:小麦)とは異なる。 

■麩の歴史

麩、ゆばは室町時代に中国より伝わり、京都の寺院や宮中ではぐくまれた日本のしょくざいであり、近

年では、植物性たんぱく質を豊富に含む低カロリー食材として改めて注目を浴び、京料理だけでなく

幅広いジャンルの料理素材として認知されている。

麩の伝来

麩は、室町時代に明との間で行っていた勘合貿易に伴い、中国に渡った修行僧によって伝えられた。

当時の麩は、石臼で挽いた粗い「挽き割り小麦」を水で練ってこね、デンプンと分離させた「小麦たんぱ

く(グルテン)」のことを指した当時小麦のことを「麺(めん)」と呼んでいたことから、強い粘りとコシがあ

る小麦たんぱくは「麺の筋」という意味から「麺筋(めんちん)」と呼ばれていた。 

当時、肉を口にしないなどの厳しい戒律の禅僧にとって、麩は豆腐や湯葉と同じく貴重な栄養たんぱく

質とされ、寺院の中ではぐくまれた。しかし、当時は小麦の作付け量は少なく、挽き割り小麦は高価で

、一般には口にすることは出来ず、宮中や僧堂で特別な時にのみ食べられるものだった。

文献に見る「麩」

麩は宮中や寺院の中で育まれた後、懐石料理や法要の料理として町衆のも食されるようになった。

天保年間の茶会記には菓子として「ふのやき」が多く記載され、当時の茶人にも好まれていたことが

伺われる。また、江戸時代の『食物和解大成(元禄十一年刊)』や『當世料理(嘉永六年刊)』にも、麩

に関する記述が見られ、いつの時代の食文化にも存在する、欠かせない食材であることがわかる。

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明治時代以降の産業の発展に伴い、粗い「挽き割り小麦」に代わって外国からきめの細やかな精白

小麦粉が入ってくると、麩づくりの常識が変わった。精白小麦粉を原料にした麩はかつてない滑らか

な食感を生み出し、その技術は現代の美味しい麩づくりの基礎となっている。

■現代の麩

一緒に調理する食材の良さ吸収する魅力により、京料理の枠を超えて幅広い料理法でアレンジされ、

プロからも感受性を刺激する食材として注目され続けている。

 さくら棒

さくら棒は主に静岡県で売られている麩菓子の一種で、長い棒状で、表面には融かした砂糖が塗られ

ている。基本的には、その名のとおり桜色に着色されている。現在では様々な色があるが、どんな色

のものでもさくら棒という。長さは90cmほど、通信販売のものは輸送の都合で短くされたものが多い。

土産物店などでは1本ずつラップフィルムで包装され売られている。スーパーマーケットや通販などで

はまとめ売りもある。さくらの味はしないただの麩菓子だが、昔懐かしい駄菓子の一つである。

■さくら棒の製造過程

 http://shizufan.jp/netamap/seibu/22534/