犬の鳴き声「ワン(1)ワン(1)ワン(1)」の語呂合わせから、日本ペットフード工業会等6団体が11月
1日を「犬についての知識を身につけ、犬をかわいがる日」として「犬の日」を制定した。
イエイヌ
イヌ科イヌ属タイリクオオカミ種イエイヌ亜種に分類される。
■1.ヒトとオオカミの出会い
ヒトはアフリカで生まれた後、世界中に広がっていった。陸伝いに歩いて移動し、東アジアまでやってき
たところでヒトの祖先はオオカミと出合った。最初は、ヒト食べ残しを求めて近くに寄ってきたのだと考
えられている。ヒトにとってオオカミそれ自体脅威ではあるが、、一方で外敵が近寄るとオオカミが吠え
てその存在を知らせてくれるので役に立つ部分もある。おそらくオオカミの子供を人間が飼い慣らし始
め、人間に慣れた個体を選んで繁殖させていく過程で「イヌ」がつくられたのだろうと考えられている。
やがて、イヌは人間社会に入り込んで生活するようになり、共に狩に行ったり、外敵に立ち向かうよう
になった。イヌの存在は、ヒトが世界に広がっていく過程で大きな力となったと考えられる。イヌという
最良の友を得ることがなければ、現在の人間社会も違うものになっていたかもしれない。
ミトコンドリアDNAの分析から、イヌの起源は東アジアで、約1万5千年前頃にオオカミから分かれた
のであろうと考えられる。人間が「イヌ」を創り出すまでは、イヌは世界に存在しなかったのである。
イヌの誕生からまもなく、ヒトがベーリング海峡を渡り北アメリカに到達したときには、すでにイヌを連れ
ていたと言われている。アメリカ大陸のイヌには、ユーラシア大陸の遺伝子以外の部分を持つ個体が
あり、現地のオオカミとの交配があったと考えられる。
ヒトに連れて行かれた先で野生化すると、土着の野犬になる。東南アジアからオーストラリアに島づた
いに渡ったヒトが連れていたイヌは、そこで野生化し、ディンゴと呼ばれる亜種になった。
その後、各地でヒトはイヌの品種改良を行い、その用途に応じて様々なイヌの種類を創りだしていっ
た。
■2.イヌ(犬)の語源
*飼い主のそばに忠実に「居る(イヌル)」の意。
*「家(イヘ)」と寝るの古語「寝(ヌ)」が複合して、それが転じて「イヌ」になった。
*古語のエヌから転じた。
*鳴き声の「ワン」の「ワ」が「イ」に転じたことに由来する。
※漢字表記のの「犬」は象形文字で、付いた点が頭とされる。音の「ケン」は鳴き声
■3.犬に悪影響を与える食べ物
※チョコレート・・・チョコレートに含まれるテオブロミンという成分によって中毒を起こすためである。
※ネギ類(タマネギ、ネギ)・・・ネギ類に含まれる成分が犬の赤血球を溶かし貧血を起こす(タマネギ
中毒)ためである。
※鶏の骨・・・噛み砕いた際にササクレ状に割れるため、飲み込んで消化器穿孔の原因になることが
ある。特に加熱されたものが危険。
日本犬(にほんけん、にほんいぬ)
■6犬種
日本犬という言葉が使われるときは、1934年日本犬保存会によって定められたスタンダードに名前
を挙げられている6つの在来犬種を特に指すことが多い。1931~1937年に各犬種が順次、文部
省によって天然記念物に指定されたが、戦後その管理は都道府県教育委員会に委ねられた。
※秋田犬:大型、1931年指定
※甲斐犬:中型、1934年指定
※紀州犬:中型、1934年指定
※柴犬:小型、1936年指定
※四国犬:中型、1937年指定
※北海道犬:中型1937年指定
■その他の日本犬種
●特定の地域のみに以前から生息する犬を「地犬(じいぬ)」と言う。
※川上犬:信州系の柴犬である信州犬の1種だが、1983年に長野県の天然記念物に指定
※琉球犬:縄文時代以来の古い犬の形質を残すとされる。1995年沖縄県の天然記念物に指定
■広義の「日本犬」
外来の犬種を元にしたり交配したりして作られた日本原産の犬種も含まれる。狆、土佐格闘犬、日
本テリア、日本スピッツの4犬種がこれに当たる。アメリカン・アキタをこれに加える場合もある。
■日本犬の特徴
*温暖湿潤気候に対する耐性が強い。
*狩猟犬として山野を駆け回り、人間と協力して野生鳥獣の狩猟などに従事してきた犬たちであり、
高い身体能力を誇る。
*素朴・忠実・勇敢といった性質が日本犬らしいとされ、日本犬が国内外の愛好家たちに愛されて
きた理由も、そのような性質に負うところが大きい。
*体、肢、吻はがっしりしている。ピンとした三角形の立ち耳、吻のとがったくさび形の頭部、くるりと
巻いた巻き尾または前方に伸びて腰の上に被さる差し尾などを特徴とする。
*日本犬の体型は、数千年前の犬の姿とほとんど代わっておらず、犬そのものの原型を色濃く残し
ていると言われる。
*主人には非常に忠実だが、よそ者には警戒心をみせて馴れ馴れしくしないため番犬に向く。
■飼育数
日本で1年間に血統登録される50万頭超の純粋犬のうち、日本犬の占める割合は10%強で5万
5千頭ほどである。6犬種の中では、柴犬の飼育頭数が圧倒的に多く、日本犬中の約80%を占める
と言われる。
※柴犬の名前の由来
(1)柴藪を巧みに潜り抜けて猟を助けることから
(2)赤褐色の毛色が枯れ柴に似ていることから
(3)小さなものを表す古語[柴」から
などの説がある。
■全国行政犬猫の引き取り数・殺処分率の推移
http://www.kspca.jp/aigo-info/contents2-02-fig.html
■人気犬種ランキング
http://www.anicom-sompo.co.jp/breed/dog_2012.html
※日本の人気犬種150
http://www.petippai.com/dog/ranking.html