新一万円札記番号「０００００１」入手できるか 渋沢栄一出身の埼玉・深谷市やきもき 5/29(水) 19:00配信 産経新聞

新一万円札記番号「０００００１」入手できるか　渋沢栄一出身の埼玉・深谷市やきもき
5/29(水) 19:00配信
産経新聞

深谷市にある渋沢栄一記念館

埼玉県深谷市出身の実業家、渋沢栄一の肖像が使われる新一万円札の発行が７月３日に迫るなか、出生地である深谷市は記念となる「若い記番号」のお札の入手に注力している。入手できれば一般公開するほか、各種イベントでも活用することを考えて日銀に配布を要望しているが、いまだに返答はなし。イベントなどで目玉になるだけに、市は日銀側の対応にやきもきしている。



記番号は紙幣に一枚ずつ印刷されている番号。国立印刷局によると、記番号は数字とまぎらわしいＩとＯを除く２４字のアルファベットと６桁の数字で構成されている。

現行紙幣の記番号の構成はまず１、２字のアルファベットと６桁の数字、最後に１字のアルファベットとなる。最初に印刷された紙幣の記番号はＡ０００００１Ａだった。新紙幣では最初がアルファベット２字、次いで６桁の数字、最後に２字のアルファベットに変更される。

「若い記番号」は一般的に６桁の数字が小さいもので注目度が高い。現行紙幣のＡ０００００１Ａは日銀が設立した貨幣博物館（東京都中央区）に収蔵し、２番以降は日銀が肖像の人物ゆかりの団体や自治体などに渡しているという。

２０年前に発行された樋口一葉肖像の五千円札の記番号Ａ０００００２Ａを所蔵する台東区立一葉記念館（東京都台東区）は「肖像の元になった写真を提供したので若い記番号の紙幣が台東区に渡された。発行当時は展示品の目玉になっていた」と話す。

福沢諭吉肖像の一万円札のＡ０００００２Ａは慶応大学が、野口英世肖像の千円札の同番号は出身地の福島県猪苗代町にある野口英世記念館が所蔵している。

注目度の高い若い記番号の紙幣を入手するため、深谷市は力を尽くしている。市渋沢栄一政策推進課によると、令和４年には小島進市長が自ら要望書を携えて日銀発券局に出向き、６年は日銀総裁あてに要望書を郵送した。

市の希望はできるだけ若い番号。アルファベットにかかわらず０００００１が第一希望だという。推進課は「展示を考えているので珍しい番号にこだわりがある」としている。

この要望に対し「正式な返事はまだないし、実務者レベルの話でも『分からない』とだけ言われた」（推進課）。過去の例から配布してもらえると期待するが、「早く決まってほしい」と気をもんでいる。

新紙幣をめぐっては、市は７月３日午後５時半から、市役所駐車場で記念のビアフェスを開くなど各種イベントを企画している。