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『インサイド・ヘッド』なぜ“カナシミ”は必要なのか? イマジネーション豊かな“頭の中” 8/3(土) 12:00配信 リアルサウンド

2024-08-03 14:04:23 | 日記
『インサイド・ヘッド』なぜ“カナシミ”は必要なのか? イマジネーション豊かな“頭の中”

8/3(土) 12:00配信
リアルサウンド

『インサイド・ヘッド』©2024 Disney/Pixar

 ディズニー&ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド2』が、8月1日から日本で公開されている。本作はアメリカでは6月14日に公開され、アニメ映画として史上最速の、公開から19日で興行収入10億ドルを突破。6週目には『アナと雪の女王2』(2019年)を超えて世界興行収入14億6000万ドルを記録し、アニメ映画の歴代興行収入1位を獲得した。

【写真】『インサイド・ヘッド』場面写真(全12枚)

 そんな大ヒット中のアニメ映画の前作『インサイド・ヘッド』(2015年)が、8月3日に『土曜プレミアム』(フジテレビ系)で放送される。アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した本作は、ピクサーらしい美しいアニメーションと、秀逸なストーリーで多くの人に愛されている。ここではそんな『インサイド・ヘッド』の魅力を探っていこう。

イマジネーションあふれる「頭の中」の世界

 11歳の少女ライリーの頭の中の司令部に暮らす5つの感情、ヨロコビ、カナシミ、ビビリ、ムカムカ、イカリ。彼らの働きによって明るく幸せに育ったライリーだったが、田舎町から大都会サンフランシスコへの引っ越しでライリーに変化が起こる。ライリーの性格を形作る「特別な思い出」が、カナシミが触れたことで「悲しい思い出」に変わってしまったのだ。「特別な思い出」を「楽しい思い出」のまま守ろうとしたヨロコビは、カナシミとともに司令部の外に吸い出されてしまう。2人は頭の中で何が起こっているのかを初めて知りながら、司令部に戻るべく奔走する。

 本作は「頭の中」の世界を舞台としており、擬人化された感情たちが活き活きと表現されている。そこでは「特別な思い出」や、それが形作る「性格の島」「思い出の保管場所」「記憶のゴミ捨て場」などを巡り、イマジネーションにあふれた世界が描かれていく。この設定には、なるほどと思わされると同時に、自分の頭の中にもこんな楽しい世界が広がっているのではないかと観る者を引き込む力がある。それはやはりピクサー作品特有の映像の美しさの力でもあり、現実の世界と頭の中の世界の質感の違い、人間のキャラクターの髪の毛などのリアルさと、粒子で表現された感情たちの独特な質感の差によって生み出されている部分もあるだろう。

 それぞれの思い出は、ヨロコビの黄色、カナシミの青、ビビリの紫、ムカムカの緑、そしてイカリの赤など、そのときの感情によって色分けされている。さらに地面や「考えの列車」は濃淡の違うピンクだったり、かわいらしいデザインだったりと、観ているだけでも楽しい。


誰もが共感できるストーリー

 本作の監督であるピート・ドクターは、『トイ・ストーリー』(1995年)などで原案を務め、『モンスターズ・インク』(2001年)で長編監督デビューを果たした。その後、アカデミー賞を受賞した『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009年)や『ソウルフル・ワールド』(2020年)を監督し、『私ときどきレッサーパンダ』(2022年)や『マイ・エレメント』(2023年)では製作総指揮として携わるなど、ピクサー設立当初から現在に至るまで同スタジオの作品になくてはならない人物であり、現在はチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めている。

 『インサイド・ヘッド』では、彼は監督のほかに原案、脚本も担当し、自身の娘が11歳だった頃の経験を活かしたという。主人公であるヨロコビはライリーの親のような役割も持っており、ライリーが成長して変わってしまうことを恐れているのだ。

 誰にでも「感情」はあり、私たちは日々さまざまなことを感じながら生きている。そんななかで、『インサイド・ヘッド』の物語の中心になるのは「“カナシミ”は必要か?」ということだ。ヨロコビとカナシミが司令部の外へ吸い出されてしまったあと、そこに残ったのはビビリ(恐れ)、ムカムカ(不快)、イカリ(怒り)だった。これらはほかの2つの感情に比べて、動物の本能に近い部分がある。引っ越しをきっかけに不安定になったライリーは、より人間らしい感情を失ってしまうのだ。映画冒頭、司令部のリーダーであるヨロコビは、「カナシミの役割はわからない」と言っている。しかし彼女はカナシミとともに冒険するうちに、その役割に気づいていく。それはきっと、誰にでも経験があるような出来事で、感情は複雑なものだということを再確認させられる。

 イマジネーションを刺激する楽しい「頭の中」の世界や美しい映像、そして誰もが共感できるストーリーによって、私たちに気付きを与えてくれる『インサイド・ヘッド』。子どもも楽しめる世界観はもちろん、大人の心にも訴えかけるストーリーの巧みさも持つ、ピクサーらしい作品だ。感情たちの冒険を通して、自分に向き合う時間を持つことができるだろう。

瀧川かおり

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