米株相場はさらに下落の公算大、過去の事例が示唆-バーンスタイン
Sagarika Jaisinghani
2022年9月14日 22:00 JST Bloomberg
ストラテジストらは1937年以降の15回の大幅な下落相場を分析
ピークから底までの下落率は平均で28%-現在は20%
米株式市場では今年に入り7兆6000億ドル(約1090兆円)が失われた。しかし過去の例に基づくと、弱気相場が終わるまでにはさらに下落する公算が大きい。サンフォード・バーンスタインのクオンツストラテジストが分析した。
アナリストのアン・ラーソン氏が率いるチームは1937年以降の15回の大幅な下落相場について分析。13日のリポートによると、ピークから底までの下落率は平均で28%だった。現在の下落率はまだ20%。
弱気相場が続く平均期間は7-8カ月で、3回の反発局面を含むという。この平均期間は22日前後で、リターンは9%程度。これは今年の状況に一致するとストラテジストらは指摘した。
ラーソン氏は、今回の弱気相場がまだ続くとの見方を示し、「世界的な同時株売りの大半は緩やかなインフレと低成長という状態で終わっているが、今はまだそこに達していない」と説明した。
Bernstein strategists warn US stocks will see more declines this year
世界の株式相場は今年動揺し、S&P500種株価指数は6月に弱気相場入りした。高インフレと中央銀行のタカ派姿勢がリセッション(景気後退)を招くことが懸念されている。8月の米インフレ率の高水準で、米連邦準備制度が利上げペースを緩める希望は消えた。
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8月米CPIと金融当局からの最近のタカ派シグナルは「連邦準備制度の早期の政策転換は望めないことを示している公算が大きい。従って、市場は利上げと成長懸念からのさらに大きな影響にさらされる」とラーソン氏は解説した。
バーンスタインは長期的な株価見通しについてはより楽観的で、インフレがピークを付けたかピークに近いとすれば、歴史的にみて今後1年のS&P500種のリターンはプラスになると指摘。消費者センチメントの弱さも1年後の買いの機会を示唆するとしている。
それでも、リセッションは弱気相場からの回復を「難しくし得る」とも警告した。
原題:Bernstein Quants Say $7.6 Trillion US Bear Market Has More to Go(抜粋)