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世界企業の7~9月、純利益5割増 米中で回復力に格差 企業業績・財務2021年11月14日 2:00

2021-11-14 05:57:44 | 日記
世界企業の7~9月、純利益5割増 米中で回復力に格差
企業業績・財務2021年11月14日 2:00 

世界の企業で業績拡大が続いている。2021年7~9月期の上場企業純利益は前年同期比5割増えた。新型コロナウイルス禍からの経済正常化で幅広い業種で伸びた米国企業がけん引。日本と欧州の企業も追随した。一方、中国企業が踊り場にある。先行きは原燃料高など波乱要因も多く、拡大ペースが米欧日でも鈍化する懸念がある。



QUICK・ファクトセットのデータを基に、世界の上場企業1万5105社の21年7~9月期純利益実績や市場予想の平均を12日時点で集計した。純利益は前年同期比50%増の1兆1349億ドル(約129兆円)で、4四半期連続の増益だ。20年10~12月期からコロナ前の前年同期を上回る利益水準が続いている。
地域別では米国が世界平均を上回る62%の増益となり、合計利益額は全体の43%を占めた。アップル(62%増)、アルファベット(グーグル親会社、68%増)など高水準の利益を稼ぐ米IT(情報技術)の業績拡大が続いた。
市況上昇を受け石油大手のエクソンモービルや鉄鋼大手のUSスチールが大幅な最終黒字に転換するなど伝統的な産業分野の企業の業績の持ち直しも目立った。コロナワクチンの普及で娯楽や旅客、外食なども挽回し、米企業全般で利益の底上げが進んだ。
米国以外の地域でも企業業績の回復が進んだ。欧州でも資源関連や素材中心に伸び増益率は58%で、日本も同46%だった。日本は外需の好調を受けた素材や海運などが利益を伸ばしたが、緊急事態宣言の長期化などに伴い鉄道や旅行など内需企業の出遅れが目立つ。他の地域に比べ好不調の分かれる「K字型」の傾向が鮮明で、増益率は世界平均を下回った。



一方、中国企業の増益率は1%とほぼ横ばい。前年同期は世界の主要地域で唯一増益だったが、足元ではその反動や当局の規制強化の動きのほか、資源高なども足かせになっている。
ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)は、教育業界などに対する当局の締め付けの影響でネット広告の出稿量が伸びず、3%増益にとどまった。中国恒大集団の過剰債務問題を受けて不動産大手や建設業でも赤字や減益が相次いだ。養豚大手の牧原食品は豚肉の価格が下落した一方で飼料価格が上昇して赤字に転落した。
先行きを巡っては中国景気の減速や原燃料高が企業業績の足かせとなりかねない。ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは「インフレは少なくとも来春まで続く」と指摘し、原燃料高の影響を受けやすい各国の製造業の業績に鈍化懸念が高まる。