桑炭会 島根県伝統の炭焼き 

松江市八雲町で伝統的な八名窯を継承し炭焼き、販売をしています。
メインテーマは自然環境保全。

4窯目の開始

2020年01月21日 20時18分09秒 | 活動報告

朝から窯出し、窯立て準備を平行して行う。材料は頑丈して山から持ち

帰った沢山のカシ材、炭木サイズ(桑炭会は72㌢)に合わせて裁断、枝や

小丸太も夫々の長さに。

前回の炭焼きを終えてから7日を過ぎていても窯内部の温度は急激に下

がることなく、この日も炭出しを進めるに従って汗ばんでくる。幾ら暖冬であ

っても外は寒い、だが釜中は其処とは別世界。

焚口を壊しまず内部の全体をチェックする。

焼き上がった全体の形に異常がないである。つまり、窯に詰め込んだもの

が縮小されるから焼き上がった炭の全体像は窯の小型形になっていれば

いい。ところが今回は以前に修復したことのある右側の壁の方は左側と比

べ白く、低くくなっていた。右側の壁の一部(前回、修復した所)が剥がれた

もので、恐らくこの辺りのどこかと外につながっているものと考えられる。

前回は、そのようなことを確認していないから今回の炭焼き過程の間に何

かあったらしい。窯出しを終え、早速に壁の厚化粧を施す。

して、本日の上りは314kgとまずまず。

午後には窯立て、炭木づくりの作業を行い17時に火入れとなる。

雪のない炭焼きは気の抜けたコーラのようだ。

ここらでドーンと気合の入る雪を見せてくれ。

(管理人、所用で不在だったため会員への事情聴取により記事を作成)

**** 桑炭会のホームページ ****

桑炭会 クリックしてください

   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

後先が逆のデータ利用

2020年01月15日 18時17分10秒 | 活動報告

1月12日のブログで累積時間経過と温度の関係をグラフにしてみた。

普通は何かの傾向をつかむとか確証を得るためにデータを多角的に分

するものだが、先述の通り何となくグラフ化した。

炭焼きの所要時間の違いが一見できる。炭焼きの経過について3回とも

似したカーブを描いており2班の炭焼き方法に大きな差はみられない。

品質を守るためには今の傾向から逸脱しないように管理していくことが大切?

  **** 桑炭会のホームページ ****

桑炭会 クリックしてください

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地域がなくなる?

2020年01月14日 18時51分03秒 | 活動報告

昨日、カシの大木を提供して頂いた方のお住まいは典型的な過疎地、

標高300㍍くらいの所で町内を見下ろせる。町内には2~3軒から成る小

さな地域が点在している。このような地域でも何代も続いてきたから地域

途絶えることはなかった。

時代がそうさせていったのか、人の選択の結果そうなったのか複雑な原

因はあろうが、今では地域消滅のカウントダウンの終了を待つばかりとい

う悲しい現実の中にある。

限界集落をどうすれば防げるか、地域の活性化には何が必要か・・・

口角泡を飛ばしながら知恵を絞り出そうと方法論議に加わるが明確な方向

性すら探し出せない。地域が継続していた頃は子供が5人いたのは平均

な家庭のこと。それが段々と減り続けるのだから全体のパイが少なくな

っているのに『Iターン』だの『Uターン』だのと人の奪い合いが『解決策のひ

とつ』とは寂しすぎる。

地域が無くなっていくことは淋しいことには変わりないが少子化によるダメー

の回復は不可能に近く

『未来の地図帳』(講談社現代新書 河合雅司著)分析、予想によると

2045年、島根県52.9万人、鳥取県44.9万人とある。

この頃には地域の消滅だの限界集落なども話題にならなくなり合県論議

々諤々やっているかもしれない。

そして東京も2030年ころから人口減少が始まり出し減少は日本全体が対

象になっていく。

八雲町の近くには昔々、栄えた出雲国の国庁があった。世界にも沢山の

遺跡が発掘されている。いずれの所も昔は栄えたが衰退してしまったもの

だ。子孫繁栄が続かなければ遺跡が示すように自分たちの住む場所の

未来は明らかである。

『将来はなくなるかもしれない』と嘆きながら生きていくより『愚直に生きてい

れば何とかなるさ』と開き直って生きる、こんな発想の転換も一つの方法?

以上は今まで生きてきたある年寄りの戯言かもしれないが、問題はこれか

ら人口減少、地域減少の真っただ中で生きなければならない若者たちは

『令和元禄』で浮かれてばかりいると足元を掬われかねない。

これも年寄りの冷や水か・・・・退散、退散

(炭木の調達に出かけた山深い地区で『ここは、この先どうなるのだろうか』

と過ったことを思い出して)

  左下に集落あり

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

窯籠め(消火作業)と山行き

2020年01月13日 17時34分59秒 | 活動報告

炭焼は最終工程の消火作業に入った。朝7時、温度は258℃まで上昇し

煙突からは僅かに煙が出ている程度の状態、通風孔を全開にして精錬

を開始する。ここから温度は急上昇していき10時30分には煙突からの煙

は見えなくなり、温度も314℃、煙突内部がボチボチと白くなりかけてくる。

昼食を挟み13時過ぎ、356℃の時点で煙突内部は白くなっていたので暫

くしてから通風孔閉鎖によりガス抜き、続いて煙突を閉鎖して窯籠めを終

える。炭焼きの〆作業である目塗をして今シーズン3窯目を焼き終える。

   9時ごろ、未だ煙が薄く見える

今日の作業も2班に分かれ炭焼きで窯の子守りをする班、材料調達で山行

きの班。山行き班は過日、『手に負えない、今後の検討課題』としたカシを

伐採する予定。

そのカシは知り合いの達人にお願いし午後から切ってもらうため私たちは

前準備として周辺の下刈りをしておくことが主な仕事。自分たちで伐採

できるもあるので時間を見て行おうとなった。午前中に下刈りを終え、カシ

中くらいのものを2本調達する。

午後、山に出かけると達人は先に来て隣接する杉の木を倒す手はずを終

えていた。枝打ちの時に使う足場を確保する道具と安全ベルトを使い木の

上で自由に身動きできるよう準備万端。そして指示されたように2か所から

チルホールで引っ張り狙った場所に倒れるよう細工が為される。

直径50センチの大木だからチェーンソーで楔型に切っていくが堅いからエ

ンジン音も苦しそう。悪戦苦闘の結果、やっと楔型を切り取り少しだけチル

ホールで引っ張ると枝葉は揺れ、微かに『チッ、チッ』と音がする。

ここで達人は楔型の後からチェーンソーで切れ目を入れると、その音は

はっきりと聞こえ出し、チルホールで引っ張った次の瞬間、巨人倒れるが

如くスローモーションを見るようにゆっくりと予定されていた軌跡を辿った。

『さすが達人』ここから枝、小丸太、炭木用に切り分ける作業の早いこと、

蟻が獲物を分担して持ち帰る姿によく似ていた。

別の言い方をすれば『実に手際のいい』となる。

大量の材料を炭小屋に持ち帰り降ろし終えると遠くから5時を知らせる

チャイムが鳴りだした。人間が酷使するにも関わらず地球は偉いな

『冬至を過ぎると日が長くなった』と誰かの一言。

 ターゲットのカシ

  楔型に切り取る

  後方から切れ目を入れる

  山仕事、ご苦労様

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

温度の時系列表示

2020年01月12日 19時54分19秒 | 活動報告

炭焼のデータは実時間の温度をプロットし表示している。桑炭会の炭焼き

は2班に分かれて順々に行っている。その手法は過去から継承されたもの

で多少の違いはあるが、それとてニュアンスの違いとでも言う程度。

2班の焼き上げた木炭の品質に違いが見られないことは過去のデータから

裏付けることが出来る。

以前にみた資料の中に時系列で作業内容、参考温度を例示たものがあっ

た。今年度のデータを時系列にしてみると作業時間の長短、温度変化の

比較は分かりやすくなる。

確たる目的のない試みであるがデータの積み重ねを続ければ何か見える

しれない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする