桑炭会 島根県伝統の炭焼き 

松江市八雲町で伝統的な八名窯を継承し炭焼き、販売をしています。
メインテーマは自然環境保全。

材料の準備

2021年01月30日 11時55分41秒 | 活動報告

昨日までの雪は大方が溶けているが昨夕から冷え込みが厳しく、今朝は

溶けた雪が凍みてツルツルになっていた。外での作業に備えて昨日より

も厚手に着込み出かける。顔を合わせ開口一番『寒いねー』

今季は3窯目が仕上がり残すところ2か月半くらい、現在保有の材料は山

行きで備蓄しているものに加え、篤志家が再び大量の樫材を運び込んで

頂き2~3窯くらいは確保できたのではないかとの見積もり。窯の容量を知

らないため必要材料の定量が分からず目分量に頼っているのはもどかし

い。窯容量の測定を思いつつ毎度、失念も更にもどかしい。

本日の山行き予定に先行し、頂いた大物樫材の裁断、炭木づくりをするこ

とになった。前回に頂いたものより少し小ぶりではあるが薪割機で割れるサ

イズではなくチェーンソーで縦割り、半分に分割する。

チェーンソーが呻りをげてチップを吐き出す。一方では炭木づくり、枝木の

始末とちらつく雪の中で頑張る。

やがて雪は止み天道様が顔を出し気分も晴れる。

午後には薪割の続きと薪用の楢を伐採する班に分かれて作業をする。伐採

場所は先日来のところで未だ樫は残っているが、在庫を多く抱えており余り

溜め込み過ぎると乾燥が進む心配もあり楢の順番となった。

2本の楢を倒し枝打ち、裁断の大まかのところを終え炭小屋に帰還、薪割班

ともどもティータイム兼反省会。

次回は窯出し・窯立ての予定で『1月は行く』で行ってしまい、『2月は逃げる』

の2/7となった。

        日当たりの悪いところはアイスバーン

 

            以上、午前中の仕事師

                  楢の伐採


窯籠め、昨日の続編

2021年01月26日 17時10分44秒 | 活動報告

昨日は17時までの記事だったが、その後窯では止むに止まれない状況に

なり遅くまでバトルが繰り広げられていた。煙突・通風孔の全開を目安にす

る300度に近くなるよう調節をしていく。19時になると298度、ここで全開にし

て精錬を始める。

次は煙突の中が白くなるのを待つのだが、じっと待っていると意地悪をして

いるのではないかと思うほど白くならない。遅くなるのを覚悟し肝が据わった

22時248度、22時10分に通風孔を閉じ22時20分に煙突を閉じて目塗りを明

朝に残し炭焼きを終える。

今までの殆どの炭焼きパターンは夕方に火入れをしてきたのでその時間経

過が刷り込まれている。今回は朝に火入れをしたので感覚的に経過のずれ

が生じ何度か考え直すことがあった。炭焼きにかかる時間の制御は難しい

のは過去のパターンを参考に同じようにしているつもりでも結果は異なる経験

からも分かる。ただ正確でなくても過去をなぞればそこそこの結果を残せるの

ではないかと思う。

と、自分に言い聞かせても恐らく再び『うーん・・・・・・・』

       変哲のないただの小屋になった

           


今宵の内に窯籠めか

2021年01月25日 17時54分46秒 | 活動報告

炭焼き開始から78時間辺りで急上昇したものの均してみると、温度カーブに

極端な変化はなく全体が縮まったようになった。最終作業の行方を知らない

まま本日の経過報告となる。

9時のチェックで200度になっているから、これからの温度上昇によって本日中

の決着か粘って翌朝に籠めるかの判断を迫られる。ただ後者の場合は夜中に

監視することなく朝まで待つにはリスクが大き過ぎるから今日中に終わらせるの

が現実的だ。

11時30分221度、14時242度、17時では外の煙突からは殆どが水蒸気含みと

われる煙が未だ出ているし内部煙突は目視できないが写真に撮ると未だ煙

が見える。17時272度、これから精錬のため全開にして煙突内部が白くなり始

める300度辺りを待ち最終のガス抜きの工程に入ることになる。

温度的には夜中に窯籠めの悲劇は避けられるのではないか予想。

                 9時頃

               17時頃

          


炭焼き4日目、早めの展開

2021年01月24日 17時55分09秒 | 活動報告

炭焼きは何回やっても状況が異なり起きる問題の解消に手立てを打つのが難

いとベテランの方からもよく聞く。ましてや相撲で言えば『ふんどし担ぎ』のよ

うなブログ管理人がややこしいケースに当たった時には講釈し切れず苦慮す

る。今回のケースもそれに当てはまりかけている。昨晩20時の最終チェックで

90度になっていたので少し抑え気味の調節で一晩越すと、朝一で112度に上

昇。9時になると130度になっていたので煙突を更に抑え気味にする。その後

すこし落ち着きを見せていたが16時で169度、再度煙突の微調、17時172度。

本日の途中経過でこの後に調節される。以前も同様のカーブを描いたことは

あるが、そのより半日近く早い時間帯の出来事なので説明しにくい状況にあ

る。

                   9時頃

               味わいのある煙 17時頃

         


藤の年輪

2021年01月23日 17時56分20秒 | 活動報告

先日の山行き作業はそれ以前に倒した材料の引き取りだったが伐採する

際、大きな藤蔓が何本かの気に絡まっており根元を切っても上はつながっ

ていて宙ぶらりんのような格好になり始末に難儀したとの話を聞いた。

その藤蔓は扁平の径の大きさが20㌢~25㌢くらいもある大物。物知り博士

によるとこれにシイタケを植え付けるとその年から栽培でき量も多いが長持

ちしない欠点がある。

切り口を触ってみると柔らかそう、確かにノミで削ってみても柔らかい。年輪

の幅は広いが普通の木のようにきれいな並びではなく妙な形状をしている。

普通の年輪は1周が1年と分かり易いが藤の年輪はどのように見ればいいの

か判断できかねる。普通に勘定してみると10年くらいだろうが、そんなもので

はなくもっと長らくこの地に鎮座していたものではないかと思われる。

年輪の珍しさから鉢置きや飾りにしてみたい希望があり斜めの輪切りや普通

の輪切りにしてみた。切り口を整えてやると中々乙なものになった。

さて、炭焼きは3日目を迎えた。昨夕18時に点火を確認し焚口の閉鎖、以後は

通風孔・煙突の調整がメインの仕事になる。朝一6時にはこの時間にしては86

度と若干高めになっていることから絞り気味にして本日は80度台安定の一日

を目指す。

一日中そぼ降る雨、何か明るいパッとした話を聞きたい気分だった。

               17時頃