この時期、晴天を約束された朝は代償として寒いことは覚悟しなければ
ならない、寒さにめっぽう弱い自分自身に言い聞かせながらlet's goと動
き出す。家からいつもの峠を越える辺りにくると日差しは穏やかそう、つ
い先日は真っ白だった道路とは思えない。
朝の茶話会を終え仕事にかかる頃になると太陽さんの日差しも後押しし
『春近し』を演出する。
先ずは懸案になっていた煙突の中に溜まったタール対策、煙を外部に排
出する際、エルボーで90度曲げてから直管で小屋外に出している。曲り
部分で煙が滞留する関係で、この部分にタールが付着し煙突径の20%く
らいは狭くなっている。
タールは厚いところで5センチ以上も溜まっており、冷えた状態だと固まっ
て除去するのは不可能。そこでタールに火をつけて焼き切ることにして、灯
油バーナーで火をつける。
やがて化学製品が焼ける時の黒に近い灰色のモクモク煙が大量に出だし
た。燃えるに従い煙突は加熱され少し赤くなり破風板と接触している所では
煙が出てきた。屋根に上がり水を掛けて様子を見る。煙突の先端からは炎
が出ているから内部の温度はかなり高いことを簡単に知らしめる。火が消え
たら燃えカスを除去、再度燃焼を繰り返しタールはほぼなくなった。
煙突との格闘と並行して大量の樫材の裁断、断ち割りを進めるが、物が大き
いだけに少し動かすだけでも数人の力と知恵を要する。
午後になるとすっかり春の陽気、外で仕事をする人は誠に快適、しかし窯出
しにはその恩恵に与かれない。ここのところ、感じとして焚口付近の焼失が多
く、以前よりこんもり感が無くなってきたように思える。今回も同様に焚口付近
の雑木はほとんど残っていなかった。また、後刻に判明した壁の損傷は激しく
規模の大きい修復が必要になっている。
推測されることは恐らく『窯が息をしている』、外部とつながっている恐れがあ
るということ。窯の傷みが産出量の低下につながっていることもありうる。
今季はこのまま使用するとしてシーズンオフに窯の修理は避けられない。
本日の産出量は309kgと低調。次回は窯立てを3月5日に予定。