桑炭会 島根県伝統の炭焼き 

松江市八雲町で伝統的な八名窯を継承し炭焼き、販売をしています。
メインテーマは自然環境保全。

むかしの人は"えらい"

2021年03月27日 08時30分06秒 | 活動報告

今の炭焼は材料を調達し窯に入れるまでの段取りはエンジン付きの機

械を使う。木の伐採のために下刈りが必要ならば草刈り機、伐採には

チェーンソー、炭木づくりには薪割機とこの分野でも省力化の塊。

昔はどんな大きな木でも鋸を曳いて倒し、割るには楔を打ち込んでこれ

また人力。楔を打つと簡単に言うが樫のような堅いものだと楔を叩き込

もうとするが跳ね返されて、それすら簡単にはいかない。

楔が入った後は大きな玄能のようなもので少しずつ打ち込むのだが体力

負、華奢(きゃしゃ)な人には最初から挑戦する資格はない。

炭焼きの材料の寸法には一定のものはあるが建築材料のような厳しい

制約はない。

大木を板にするのも勿論のこと鋸で人力。過日、会員のお父さんが使用

していたという大鋸を頂戴した。長さは80センチ、幅30センチと重さもずっ

しりとしている。早速、試し切りしてみる。力は要るが重さが手伝って食い

込んでいく。だが、これを続けていっても5分もすればKOは間違いない。

先輩の話によると、この鋸の倍の大きさのものもあるとか。はたまた、両側

に柄がついており二人で切る鋸も。

昔の人は人力でしか加工できなかったから随分と"えらい(偉いではない)"

作業だったことは想像に難くない。

            歯のサイズ、3㌢