久しぶりに展覧会に出掛けました。小早川秋声…あまり有名な画家ではありませんが、一枚だけ心が震える絵があるのです。
秋声は大正から昭和にかけて活躍した日本画家です。
会場の初めの方は「楠公父子」「法華経を説く聖徳太子」など歴史上の人物の絵が展示されています。甲冑姿や着物の表現は細かく色彩豊かに正統派日本画という感じでした。
秋声は国内外国をいろいろと旅をしてその時の景色、そこに住む人物などの絵が続きます。
そして戦争画。
従軍画家として戦地に赴きます。「日本刀」「戦友」「出陣の前」「「虫の音」…と続きます。
「出陣の前」は大きい絵で、兵士が一人 抹茶を点てて飲んでいる様子、ちゃんと茶筅、抹茶の缶、茶杓らしいも,やかんなどを前に黒楽?茶碗で飲んでいる絵です。明日の出陣の前の一服を喫んでいるのです。これが最後の一服になるかもしれない、そんな雰囲気が漂っています。
「虫の音」は野外で何人もの兵士たちが仮眠をとっています。皆疲れてぐっすり寝込んでいます。国に残してきた家族などの夢をみているのかもしれません。
チラシの馬の絵↑は軍馬をその活躍をねぎらって、立派な鞍や牡丹の花、鈴の付いたベルト等で飾られています。
そして最後に私が心震える絵が展示されてました。「国の盾」という題です。戦死した兵士が軍服姿で手は胸に組んで、水筒・かばん・刀を携えて横たわっています。顔には寄せ書きのある日本国旗がかぶせられています。
悲しく 深く深く印象に残る絵です。しばらくそこから動けませんでした。
戦争の残酷さ、大勢の命を奪った戦争、兵士達は国の意のまま戦地で戦わされて・・・・本当に戦争はだめです!
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