宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

吉田博 展

2017-07-09 14:31:06 | 美術

吉田博展が昨日から東京で始まりました。明治生まれで生誕140年を記念する回顧展でもあります。既に千葉美術館から巡回して東京は最後です。
主人は千葉美術館に来た時から東京に来るのを楽しみにして待っていましたので二日目の今日行ってきました。
既にNHK日曜美術館では取り上げられていて予備知識はありました。

この画家、外国でのほうが有名で日本ではちょっと知らない方のほうが多いようです。私も知りませんでした。
ダイアナ妃も彼のフアンで、執務室に版画(↓)を掛けていたそうです。



当時はフランスへ留学する画家が多かったところ吉田博はアメリカへ行きました。ちょっとつむじ曲がりの所があります。

水彩画は素晴らしいです。空気の湿り具合まで感じられる農村風景、水面に移る樹木、夕方や朝という時間まで分かります。水彩でここまで描かれるとは天才!

油絵も描きます。剣岳はじめ槍ヶ岳等高い山も実際に登って描きます。昔山男であった主人は絵の前で懐かしそうに眺めていました。外国の山の絵もあります。山岳画家と云われたこともあったそうです。

そしていよいよ木版画に取り組まれます。
日本の浮世絵が外国で大変人気なのを実感し、吉田博は今までの平面的なものから奥行きのある影までつける木版画に挑戦しました。
淡い色合いで水彩画と同じく空気感・時間の変化も感じられる素晴らしい木版画です。
とくに海景や渓流(↑)など水の表現に私は感銘を受けました。とにかく「絵の鬼」と呼ばれただけあって水彩・油彩・木版画を精力的に多く描いた素晴らしい画家だと思います。
今まで注目されなかったのが不思議です。
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田中仙翁氏を悼む

2017-07-09 08:28:54 | 茶道

私は裏千家茶道を学んでいますが、他流派の茶道にもとても関心があります。
ですから各流派のお家元の著した本は大体読んでいます。
茶道は元は利休からですから、流派が違うといっても細かいところは違っていても、根本は同じと思います。
大日本茶道学会の元会長・田中仙翁氏がお亡くなりになりました。
7月8日の朝日新聞夕刊「惜別」欄に記事がありました(↑)。
その中に仙翁氏の言葉として私が感銘を受けたものがありました。
それは《茶道は客人をもてなすものといわれている。》そして《もてなされる側の感謝と慎み深い態度を学ぶことも茶道の本質と捉えている》という言葉です。

確かに普段の稽古ではもてなすことに主眼が置かれがちですが、もてなしを受ける側の態度・心構えも学ぶこと大切です。

「賓主互換」という言葉があります。賓は客人、主はもてなす側でお互いに役を入れ替えればお互いの気持ちを理解することができるという意味です。

普段の稽古では点前をする側になったり客の側になったりの稽古です。客になった時もお菓子を頂いたり抹茶を頂くだけでなく客としての態度・心にも気を配りたいと思います。
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