宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

やっと茶道に自信が・・

2017-07-10 20:06:05 | 茶道
茶道を稽古して半世紀弱経ちますが、70歳を越えるころからやっと自信をもって茶道をしていると人に言えるようになりました。

大昔、私が大学生のころ「茶道を稽古している」と同じクラスの男子学生に言ったところ、「茶道って何をするの?」と質問され「お茶を点てる稽古」と薄っぺらな返事しかできませんでした。「侘び・さびなんでしょ」と言われますます混乱したことでした。

稽古場では点前の稽古すること以外何もなかったですし、当時は歴史についても軸についても花についても道具についてもまして侘びさびについても全く関心がなく、ただひたすらに点前の稽古をしていました。ですからそう答えるしかなかったし、今から考えると若かったのですから恥ずかしいことでなく当然のことでした。
しかしこのことがトラウマになって以後、「茶道をしている」と軽々しく言わないことにしました。

しかし徐々に点前以外のことに目が向き、茶道に関する本を読み始め、茶道の歴史・道具・掛軸のことなど自分で調べノートにまとめたりしました。こうして知れば知るほどますます茶道の奥深さがわかり、知識豊富な先輩方の話を聞いたりすると、めったに変な事を云えなくなりました。
齢を重ねていろいろとお茶会にいくと亭主(席主)とお正客との素敵な会話を聞き、如何に自分が無知であること実感、怖くなりました。

しかしこんな私も茶道はずっと好きでした。
そして茶名を頂いた頃、先生から「一人でも教えられたらすごく勉強になりますよ」と言われました。祖母も茶道の先生であったので茶道を教える人になりたくなりました。
確かにお教えするとなると生徒さんから色々質問されたりしますのでもっともっと勉強しなければなりません。茶道は底なし沼のような世界ですから・・・
又知識ばかりでなく人間としてもちゃんとしなくてはなりません。

生徒さんに鍛えられて私もだんだん茶道について自信がついてようやく70歳過ぎたころから「茶道をしています」と言えるようになりました。
コメント (2)
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