吉田博展が昨日から東京で始まりました。明治生まれで生誕140年を記念する回顧展でもあります。既に千葉美術館から巡回して東京は最後です。
主人は千葉美術館に来た時から東京に来るのを楽しみにして待っていましたので二日目の今日行ってきました。
既にNHK日曜美術館では取り上げられていて予備知識はありました。
この画家、外国でのほうが有名で日本ではちょっと知らない方のほうが多いようです。私も知りませんでした。
ダイアナ妃も彼のフアンで、執務室に版画(↓)を掛けていたそうです。
当時はフランスへ留学する画家が多かったところ吉田博はアメリカへ行きました。ちょっとつむじ曲がりの所があります。
水彩画は素晴らしいです。空気の湿り具合まで感じられる農村風景、水面に移る樹木、夕方や朝という時間まで分かります。水彩でここまで描かれるとは天才!
油絵も描きます。剣岳はじめ槍ヶ岳等高い山も実際に登って描きます。昔山男であった主人は絵の前で懐かしそうに眺めていました。外国の山の絵もあります。山岳画家と云われたこともあったそうです。
そしていよいよ木版画に取り組まれます。
日本の浮世絵が外国で大変人気なのを実感し、吉田博は今までの平面的なものから奥行きのある影までつける木版画に挑戦しました。
淡い色合いで水彩画と同じく空気感・時間の変化も感じられる素晴らしい木版画です。
とくに海景や渓流(↑)など水の表現に私は感銘を受けました。とにかく「絵の鬼」と呼ばれただけあって水彩・油彩・木版画を精力的に多く描いた素晴らしい画家だと思います。
今まで注目されなかったのが不思議です。
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