白雲去来

蜷川正大の日々是口実

淡の如し。

2012-04-06 10:16:28 | インポート

四月四日(水)晴れ。

 

 これを書いているのは、六日の金曜日の朝。朝食を終えて、コオヒイを飲みながら野村先生の原稿の校正を終えて、一段落している。考えてみれば、火曜日から三日間、一度も家から出なかった。書き物に追われていたこともあるが、先日、購入したbrotherのA3サイズもOKな複合機を使って、貴重なポスターをスキャンしたり、写真を取り込んで、以前使用していたものとどちらがきれいにプリントできるかなどを試していた。これが楽しくて時を忘れた。

 やはり、こういった機械は日進月歩。三年前に買ったエプソンのものより鮮明だ。事務所から様々なものを持ってきて取り込もうと思っている。

 

Scan0009※懐かしいポスター。

 

 野村先生の原稿を整理していたら、先生が、「河野邸焼き討ち事件」にて下獄した千葉刑務所を出獄直前に書いた文章があった。韓国の民青学連事件に連座して逮捕された二人の日本人の事について書いたものと、東京裁判における、広田弘毅と松井石根の両氏について書いたものだ。

 松井石根は南京攻略のときの総指令で、その責任を問われて死刑になった人だが、連合国側のパールという裁判官などは、最後の最後まで松井石根は無罪だと主張した経緯もある。当の将軍は、処刑のその日まで、日華両軍の彩しい鮮血を吸った南京の土と、祖国日本の土を混えて自らの手で創造した「興亜観音」の写真を獄壁に飾り、朝夕一日として敬虔な祈りを欠かしたことがなかったという。大川博士はここで、「何ヲ以テ知ル君子、交情復淡如(こうじょうまたたんのごとし)」 の古語を挙げ、この「淡の如し」という形容詞は将軍のために出来た言葉のように思ったとまで、その人柄の淡々たるを激賞していた。

 とても良い文章なので、現在、製作中の私の機関誌に掲載する予定でいる。

 

 夜は、冷蔵庫をかき回して、つまみを適当にこさえて、今日も松本佳展君差し入れの「一粒の麦」で月下独酌。

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