十二月三十一日(月)晴れ。
早いもので、今上陛下の御代、平成二十四年も今日まで。浪人の身でも、人並みに玄関に松飾りや玄関飾りを出し、部屋にはささやかな鏡餅などを置いて正月の準備を済ませた。毎年、大晦日には親しい人たちと我が酔狂亭で年越しの会を催している。別段、大したことをするわけでもないのだが、私の手料理で、一杯やろうという事だ。
北海道にいたのはもう二十年も前のことだ。以来、大晦日になると中国の詩人である高適の「除夜作」という漢詩が浮かぶ。
旅館寒燈獨不眠 旅館の寒燈に独り眠れず
客心何事轉凄然 客心何事ぞ転(うた)た凄然
故郷今夜思千里 故郷今夜 千里に思う
霜鬢明朝又一年 霜鬢(そうびん)明朝 又一年
と言うものだ。本当に髪の毛は霜のように白くなって、年が明ければ六十二歳となる。正に、門松は冥土の旅の一里塚。めでたくもあり、めでたくもなし。である。
しかしながら、社友や同志、友人に恵まれ、恙なく今年も一年を終えることが出来る。厳しい社会情勢の中で、真綿で首を絞められるように生活や収入は圧迫され、ほとんど崖っぷちに立たされて喘いでいるが、それでも飢えて死ぬわけでもないし、焦っても仕方がない。せめて苦境を楽しむ心の余裕を持つようにしたいと思っている。
来年は、野村先生の二十年祭という節目の年となる。せめて本の一冊も出さなければ、と考えているのだが・・・。
また、正月の休みもなく尖閣の海で、わが領土と領海を守るために戦っている海上保安庁の皆さん。陸・海・空の自衛隊員の皆さん。そして全国の警察官の皆さんには心から敬意を表する次第です。特に、尖閣の海で不法行為を繰り返している中国の船と対峙している海保の皆さんには、どうかお体を大切にして頂きたいと思っています。感謝をしております。
新年が、皇国はもとより、皆様にとりまして佳い年でありますことを心からご祈念申し上げます。新年もまた旧に倍しまして、ご指導とご鞭撻のほどをお願い致します。
また、正月二日の皇居参賀には参加いたします。午前九時前ぐらいに丸の内の東京海上のビルの前で社友と待ち合わせをしております。お見かけを致しましたならば、お気軽にお声を掛けて下さい。皇国の春をお祝いし、高らかに聖寿の万歳を三唱いたしましょう。