9月22日(金)曇り。
朝食は、ひきわり納豆、焼きのり、きんぴら、しじみの味噌汁。昼は、ファミマのメンチカツドック1個。夜は、小エビとキノコのアヒージョ、カツオのたたき、ナスのレンチン焼き。お供は、久しぶりに「伊佐美」。酔狂亭にて独酌。
「あはれ秋風よ 情(こころ)あらば伝えてよ――男ありて 今日の夕餉(ゆうげ)に ひとりさんまを食ひて思いにふける と」。有名な佐藤春夫の「秋刀魚の歌」である。佐藤がこの詩を書いた当時も、今から10年ほど前も秋刀魚は庶民の味方、安かった。一人暮らしの中年男が、秋刀魚を食しながら思いにふける・・・。これがマグロの中トロであったりカニやイクラであったなら、情景が違ってくるのだろう。しかし、昨今では、秋刀魚を食しても悲壮感などない、出始めの頃には一匹、千円近くもすると、とても買おうとは思わない。
冗談ではなく、群青の会の大熊雄次さんの行きつけの上野の「もん」という居酒屋のマスターのみきちゃん(男です)が、「上野の吉池の魚屋では、一匹5千8百円の定価が付いていました」と、スマホで撮った証拠の写真を見せてくれた。翌日、みきちゃんが吉池に行って「売れましたか」と聞いたら「売れませんでした」。当然だろうなぁー。初鰹をすべて買い占めて近所に配り、残った一匹を食した紀伊国屋文左衛門が生きていたら、その吉池の秋刀魚を買って吉原で食べてもらいたいものだ。