ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

揺れる想い(ZARD)

2023-05-26 12:29:40 | Weblog

揺れる想い体じゅう感じて

君と歩き続けたい in your dream

 

夏が忍び足で近づくよ

きらめく波が砂浜潤して

こだわってたまわりをすべて捨てて

今あなたに決めたの

こんな自分に合う人はもう

いないと半分あきらめてた

 

揺れる想い体じゅう感じて

このままずっとそばにいたい

青く澄んだあの空のような

君と歩き続けたい in your dream

 

作詞は坂井泉水。作曲・織田哲郎とのゴールデンコンビ。

坂井さんの前に織田哲郎さんに触れておきます。同世代に小室哲哉という光輝く存在があったため、織田さんは影に隠れがちですが、小室さんと双璧と言えるほどの平成のヒットメーカーです。曲作りの天才だと思いますが、当の織田さんが「俺は天才なんかじゃないよ」というタイプの方なので、世間もそれを信じてしまう。

自らの才能を大きく見せようとする人と、能ある鷹は爪を隠す人に別れますが、織田さんは明らかに後者です。ZARDの曲だけみても「揺れる想い」「負けないで」「マイフレンド」など代表曲は織田さんが手掛けたものです。

 

「揺れる想い」は1993年5月発売。今からちょうど30年前に日本中で流れていた曲です。ポカリスエットのCMが印象的ですね。

 

坂井さんの歌詞は恋愛にまつわるものがほとんどで、この曲の「青く澄んだあの空のような、君と歩き続けたい in my dream」に象徴されるように、夢を追う男性が好きなのでしょう。

 

歌詞へのこだわりは強く、歌手になる前のレースクイーン時代の同僚によれば、ノートにぎっしりと詩を書き溜めていたそうです。

「この歌詞に曲をつけてもらって自分が歌う」という夢を思い描いていたのでしょう。そして何年か先に坂井泉水という歌姫が誕生しました。

坂井さんは本当に綺麗な人でしたが、容姿のみでなく、声のルックスが抜群でした。それに丹念に書かれた歌詞、織田哲郎との出会いがZARDを大きな存在にしたのでしょう。

 

坂井さんが美人薄命であったことは残念ですが、ZARDの曲は今もはっきりと生き続けています。

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名人戦第4局 藤井が渡辺を下し、名人に王手

2023-05-23 12:55:30 | Weblog

昨日まで行われていた名人戦第4局は挑戦者の藤井聡太竜王が渡辺明名人をわずか69手で下しました。

 

将棋人口は500万から600万人程で日本の人口から見ると5%程度なので、大多数の方にも分かりやすく内容を伝えられればと思います。

相撲に例えてみましょう。後手番の渡辺名人が積極的に攻めていきました。鋭い立ち合いから突っ張って、良い形に持ち込もうとします。

対する藤井竜王も上手く下からあてがって後退しません。受けを苦にしないことも藤井竜王の強さです。強靭な足腰の持ち主ですね。

渡辺名人は居玉(玉が初形のまま)で攻めていったのですが、中盤の競り合いの末、攻撃を受け止められてしまうと、居玉は攻められやすいです。それが祟って渡辺名人に粘りがきかず、藤井竜王が上手を取って前進し始めると、土俵際の手前で投了しました。藤井竜王の見事な受けの技術が光った将棋になりました。

 

藤井竜王は子供の頃の作文で将棋の横綱になりたいと夢を描いていました。すでに藤井さんは年5場所以上優勝する強い横綱ですが、この幼い作文の横綱は明らかに名人を指しています。さすがの藤井聡太といえども、次の一局は平常心で戦えるかは分かりません。

 

対する渡辺名人は将棋人生の土俵際に追い詰められた気持ちなのかもしれません。渡辺さんは20才の若さで竜王となって以来、これまでずっとタイトルを保持してきました。羽生善治九段にしても竜王を獲得した翌年に谷川浩司十七世名人に敗れ無冠に転落しています。渡辺名人はそこにプライドを持っており、「渡辺九段」という初めての響きに耐え難いものがあると推測します。そして対藤井戦4勝19敗。誰が相手でも少なくとも互角には戦えた渡辺名人にとっても初めての経験です。このまま第5局であっさり決着が着けば、引退の二文字が頭をよぎっても不思議ではありません。

 

次の第5局は将棋史に残る一局になるかもしれません。藤井がこのまま押しきるか、渡辺が踏みとどまるか。お互い悔いの残らない将棋を指してくれればと思います。

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中村天風「運命を拓く」を読んでみた

2023-05-16 12:07:37 | Weblog

エンゼルスの大谷翔平選手ですが、今日は投手として登坂し、打者としても特大の9号ホームランを放ちました。開幕から1ヵ月半、まずは順調なスタートと言えます。その大谷選手の愛読書「運命を拓く」を読んでみました。

 

「運命を拓く」は中村天風氏の死後、会員向けの講演をまとめたものです。

天風氏の根本的な考え方は「万物の霊長たる人間の心は宇宙本体と結びついている」ということです。よって、その心掛け次第で人生が好転したり暗転したりするという。そして好転するには常に心を積極的に保つことで、生き方が悪いと病気になり、運命も悪くするそうです。

この辺りに関しては個人的には解せないところです。では若くして病気になり亡くなった方は生き方が悪かったのか?それこそ運命的なものではないのかと。しかし天風氏は「病気や運命が悪い時こそ、今までの生き方を変えるチャンスと思え」と言う。自ら結核にかかり、その時にヨーガの聖人と出会い「自分は大宇宙の力と結びついている強い存在」と悟りを開いた経験が彼に限りない自信を与えました。

 

また、宇宙の造物主(宇宙霊)の心は心・善・美で、真は誠、善は愛情、美は調和のことであり、愛情と言っても恋愛や自己愛ではなく、もっと広い意味での人類愛的なものを指しています。だから、自分に良いことが起こるために神や仏にすがることを天風氏は嫌っています。

ただ、「心で考えていることがそのまま形となって現れる」というのは頷けるところもあります。私もそうした経験がありますから。

 

とにかく天風老師(この講演時、推定90歳位)はエネルギーの塊のような人です。本を読んで納得のいく話、いかない話、両面ありましたが、この本は一度限りで読み捨ててはいけない類いの本だということは分かります。何度も読み返して、深く理解しなければ身に付かないタイプのものです。

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名人戦第3局 渡辺、反撃

2023-05-15 11:48:17 | Weblog

昨日の名人戦第3局は渡辺明名人が藤井聡太竜王を下し、1勝2敗としました。

 

際どい終盤戦になりましたが、最終盤では渡辺勝勢に。3三の地点に角を打てば藤井玉は助からず、打った角が守りにも効いていて渡辺玉の詰みはなくなります。

それほど難しい手とは思えず、決断の良い渡辺名人なら10分、勝利に直結する手なので慎重になったとしても、30分あれば充分なはずでしたが、実際には1時間30分の長考になりました。

 

終局後のインタビューで「決断がつかなかった」と心の迷いを正直に口にしました。

それは何故かと言えば、これまで藤井竜王の強さをまざまざと見せつけられて、相手を過度に恐れてしまったためでしょう。3勝18敗。この対局前までの対戦成績です。ここまでの力の差はないはずですが、これまでの渡辺名人の将棋人生で初めて太刀打ち出来ない相手が怪物・藤井聡太でした。

 

しかし、とにかく勝てたという事実は大きい。昨日負けていたら事実上終わりでしたが、これで1勝2敗。面白くなりました。

藤井びいきの私でさえ、少し苦しんで名人になった方が将来を考えればいいのではないかという思いがありました。第4局以降も名人戦にふさわしい熱戦を期待しています。 

 

ところで藤井竜王の対局姿勢に変化がみられました。最終盤になると、体の上下動が大きくなり、相手にも落胆ぶりが伝わってしまうのですが、昨日は最後まで体を動かさず将棋に集中していました。もしかしたら、それが渡辺名人の大長考を呼び込んだ可能性があります。将棋の完成度は年齢より遥かに成熟しているのですが、勝負師としては年相応で成長過程にあるのだと思います。昨日は彼の心の成長を見たようで嬉しくもありました。

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エリートとホームレス

2023-05-12 16:39:48 | Weblog

エリートサラリーマンと化した彼は

通勤途中の公園で声を掛けられた。

「食い物くれよ」と

 

声の主は白髪まじりの汚れた顔

伸び放題の顎髭 

服や靴も黒ずんでいる。

エリートはそこを通りすぎると

「ホームレスか、どうしようもねえ」と

小さく吐き捨てる

 

1カ月ほど経ったある日

ホームレスはすっかり定番の食い物ねだり

エリートはうんざりした顔を浮かべ

足を速めた。

その背中にエリートの名前をぶつけられた

彼は足を止め、振り向いた。

 

「なぜ俺の名を知っている?」

ホームレスは名を名乗り

「俺を覚えていないか?」

エリートの目と耳と記憶が繋がった。

「お前、高校の時の」 

「やっと思い出したか」

ホームレスは呆れた口調だ。

「それにしてもお前、どうしたんだよ。俺よりも良い大学に入ってその様か」

 

「お前、汚れちまったなあ」

ホームレスは寂しそうに呟いた。

「えっ、俺が?まあ30年も経てば、多少変わるのは仕方ない」

エリートは軽く頬を撫でた。

「違う。外見じゃない。人間がだ」

「ホームレスのお前に何が分かるんだ」

エリートの顔が赤みを帯びた。

「高校の時、お前が教えてくれたんだよ。俺が友人の悪口を言うたびに、人には事情があるって」

 

エリートは何も言葉を返さなかった。

そしてホームレスの顔を見た。

彼の目はどこまでも深く洞察し

どこまでも遠くを射抜いていた。

エリートは「お前と話している時間はない」と言い残し、足早に立ち去った。

 

 

 

 

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青春(ザ・ハイロウズ)

2023-05-11 11:57:30 | Weblog

冬に覚えた歌を忘れた

ストーブの中 残った石油

ツララのように尖って光る

やがて溶けてく激情のカス

 

音楽室のピアノでブギー

ジェリー・リースタイル

骨身をさらけ出したその後で

散文的に笑う

 

心のないやさしさは

敗北に似てる

混沌と混乱と狂熱が

俺と一緒に行く

 

作詞・作曲は真島昌利。ブルーハーツの熱狂から10年程あとの曲。

冒頭の「冬に覚えた歌を忘れた~やがて溶けてく激情のカス」

この部分で青春の形を表現しているように感じます。

「ツララのように尖って光る。やがて溶けてく激情のカス」

ここ、ブルーハーツっぽいですね。

 

甲本ヒロトはある人たちから見れば、カスであり、ドブネズミだったかもしれない。 

ただ当時10代だった僕から見ると甲本さんはカリスマでした。トリッキーなスタイルでいてメッセージは強く伝わりました。

甲本さんの輝かせ方を最も知り尽くしているのが真島さんで、この曲もその流れで作られている気がします。

 

「音楽室のピアノでブギー。ジェリー・リースタイル。骨身をさらけ出したその後で散文的に笑う」

ブルーハーツにしてもハイロウズにしても意味を理解するより、感じることの方が大事なのだと思います。

ただ「散文的に笑う」というのはネガティブで心から笑っていない。

 

「心のないやさしさは敗北に似てる」

そんな気がします。僕は負けっぱなしです。

 

「混沌と混乱と狂熱が俺と一緒に行く」

これもある青春の形を見事に表現しているように思います。これを甲本さんが歌って届ける訳ですから、格好良くはなりますね。

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二十一変化

2023-05-09 11:46:27 | Weblog

あの日見かけた幸福の時計は

まだ動いているのかな

心に貯めた安い想いは

薄青いそよ風に飛ばされ消えた

甘い匂いに引き寄せられて

触れれば手痛い毒の花

 

真っ直ぐを投げるには時代が面倒で

心から沸き上がったストレートは

口元にて曲げる

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叡王戦第3局 死闘の末、藤井が菅井を制す

2023-05-08 11:34:08 | Weblog

1勝1敗で迎えた第3局は163手で藤井聡太叡王が菅井竜也八段を下しました。それにしても凄い勝負でした。予想通り居飛車対振り飛車の対抗形になり、第2局に続きお互い穴熊に組みました。第2局は同じ相穴熊で菅井八段の快勝でした。それでも藤井叡王は再び穴熊で挑みます。

 

大雑把に言えば「読みの藤井、感覚の菅井」。この将棋も中盤から終盤の入り口ぐらいまで菅井の感覚が冴え、また、こうした将棋の経験値でも藤井を大きく上回ることもあり、ペースを掴んでいるように見えました。

攻める菅井、守る藤井。藤井叡王も必死に踏みとどまり、千日手指し直し(同じ局面が4回繰り返されること)で先手後手を入れ替えて再戦かと思われましたが、藤井叡王が局面を打開します。飛車を捨てて勝負に出ました。この手はAI的にも良くはなく、菅井優勢に傾きました。

 

その後もしばらく菅井が攻め、藤井が守る展開が続きましたが、藤井叡王が2二角と9九にいる玉とは随分離れた場所から角を守りに効かせました。対して菅井八段は端歩を突いて藤井玉を縦から攻めようとしましたが、これが疑問手で、この辺りのやり取りで攻守が入れ替わり、最後は藤井叡王らしく菅井玉を即詰みに討ち取りました。死闘と呼ぶにふさわしい激戦でした。

 

これで藤井叡王が2勝1敗と防衛に王手をかけましたが、菅井八段も充実していて、まだまだ分かりません。

ただ言えるのは叡王戦の持ち時間の短さです。藤井叡王にはよくあることですが、菅井八段が持ち時間を使い切るのは珍しいことです。同じ4時間にしても1分未満は切り捨てるなどもう少し工夫して、対局者に落ち着いて考えさせてあげたいですね。

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最新人気歌詞100曲

2023-05-02 11:28:25 | Weblog

ゴールデンウィーク特別企画、歌詞検索j-Lyric.net様のご協力でお伝えする人気歌詞ランキング「カウントアップブログ100」。

 

早速、ランキングの発表です。本日の第1位はスピッツ「美しい鰭」。美しい鰭についてはこないだブログで記したので、今日は特にありません。スピッツは100位以内に「チェリー」、「ロビンソン」、「春の歌」がランクイン。スピッツ人気、根強いです。

特にロビンソンの歌詞は凄い。「川原の道を自転車で~」が最後には大きな力で空に浮かべたら宇宙の風に乗ってしまうという歌詞で最初に草野マサムネさんの凄みを認識した曲です。

 

それではカウントアップ。第2位はAKB48「どうしても君が好きだ」

草野さんが天才なら秋元康さんは怪物。80年代から約40年、芸能界の中心に居座っています。

 

第6位は市川由紀乃「花わずらい」。演歌が上位に入ってくるのが、このランキングの面白いところで、何でもありの総合格闘技です。

 

さらにカウントアップ。15位は「グリーングリーン」唱歌。懐かしい。小学校の教科書に載っていた曲です。「ある日パパとふたりで語り合ったさ。この世に生きる喜び、そして悲しみのことを」。

18位は「ふるさと」唱歌。今は帰郷している方も多いでしょう。

19位は「こいのぼり」。20位「一年生になったら」と童謡・唱歌が続きます。季節柄もありますが、人気は根強いです。

 

さらにカウントアップ。

24位は森山直太朗「虹」。25位は中島みゆき「糸」と実力派がランクイン。

28位はCHARA「やさしい気持ち」懐かしい。

31位は中島みゆき「ファイト!」これぞみゆきさんの真骨頂。「闘う君の歌を闘わない奴らが笑うだろう」名曲です。

34位はQueen「BoGEMIAN RHAPSODY」。唯一の洋楽。完成度が高く、僕自身も大好きな曲です。

35位は米津玄師「Lemon」。YouTube再生回数1位の曲ですね。米津さんの歌詞も何曲かランクインしていますが、僕の好きな「まちがいさがし」はランク外でした。

39位は松任谷由実「ルージュの伝言」。中島さんと共に大御所がランクイン。40年、50年経っても残ってくるのは凄いの一言。

 

42位はback number「水平線」。back numberは他にも「アイラブユー」「ハッピーエンド」「花束」「高嶺の花子さん」と5曲もランクイン。歌詞が高く評価されています。

43位は「いすゞのトラック」。ラジオでよく流れています。

44位は吉幾三「おら東京さ行くだ」48位は宇多田ヒカル「First Love」。宇多田さんは誰もが認める天才。吉さんは隠れた天才。

 

51位は「アンパンマンのマーチ」。52位はHY「366日」。54位はSMAP「世界に一つだけの花」。再結成はあるのか。

59位は久保田早紀「異邦人」。昭和の名曲。

63位、まんが日本昔ばなし「~にんげんっていいな~」

73位、花「唱歌」。「春のうららの隅田川~」

76位はBump Of  Chicken「天体観測」

83位、一青窈「ハナミズキ」。

86位、WANDSか「世界が終わるまでは」懐かしい。

92位は「おもちゃのチャチャチャ」童謡。作詞は野坂昭如。

 

ゴールデンウィーク特別企画。「カウントアップブログ100」。最後は駆け足になってしまいました。好評ならまたやって見たいですね。それでは。

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40年後も聖子、明菜

2023-04-28 11:48:36 | Weblog

こないだ、テレ朝で昭和歌謡を懐かしむ番組が午後7時~9時までの2時間放送されていました。ゴールデンタイムで2時間ですから、ある程度の数字は取れると判断したのでしょう。誰が松田聖子や中森明菜の全盛期に40年後も彼女たち中心の番組がゴールデンで流れると予想していたでしょうか。少子高齢化が止まらない日本の現状を表していると言えます。

 

とはいえ、少しずつ時代は進んでいて、こうした番組で定番だった山口百恵が外されていました。これには時代の変化に加えて、社会の変化があります。

百恵さんは結婚して引退し、家庭に入る生き方を選び、人々から称賛されました。一方の松田聖子は結婚して子供ができた後も精力的に仕事を続け、批判的に受け止められました。

それが現在では逆転した形です。女性の社会進出が強く求められる時代になり、普通の女性が山口百恵的な選択をすれば、むしろ批判される立場になったのです。

 

番組は全部見た訳ではないのですが、松田聖子の1位は「赤いスイートピー」、中森明菜の1位は「飾りじゃないのよ涙は」でした。明菜さんの1位は少し意外でした。

 

個人的にランキング外の曲を1つずつ挙げると、聖子さんは「ボーイの季節」、明菜さんは「トワイライト-夕暮れ便り-」を選んでおきます。

「ボーイの季節」はリアルタイムでは記憶にないです。この頃は結婚も決まって、テレビ出演も少なくなっていたからでしょう。90年代のアルバムで知りました。作詞作曲は尾崎亜美。美しいバラードで、聖子さんの伸びのある高音が心地良い名曲です。

「トワイライト」は作詞・来生えつこ、作曲・来生たかお。このコンビのバラードでは「セカンド・ラブ」という初期の名曲があり、トワイライトは忘れられがちなのですが、まだ10代ながら歌唱力に定評のあった明菜さんが、丁寧に切々と歌い上げています。僕自身にとっても、初めて友人とレコードを買いにいった頃で印象に残ります。

 

松田聖子と中森明菜。何もかもが対照的だったからこそ、同時代に歌姫が奇跡的に並び立つことが出来ました。

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