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旅行記、世相独言

巨大地下通路計画 -トロント-(異文化体験10 地下空間の旅3)

2010年12月12日 10時09分50秒 | 異文化体験_北米
(写真はクリックで拡大します)


巨大地下通路計画 -トロント-  1988.3.18~19

 オンタリオ湖に面した美しい街トロント

 早朝のモンレアール(モントリオール)を弁当持ちで出発、エアカナダでトロントまで1時間のフライト。イートンセンター近くの市の出張事務所で地下街の説明を受けた後、現地見学に出発する。

 巨大ショッピングモール「イートンセンター」

 イートンセンターを拠点とする地下街は、天井がガラス張りの地上3階、地下2階の巨大吹抜け空間を構成し、一大ショッピングセンターとなっている。金曜日の午前であるが、沢山の市民で賑わい、カナダ最大の人口300万都市の活気が伝わってくる。
 迷路のような地下街は、ビルの地下と連繋し道路の地下を潜り抜けオンタリオ湖近くのユニオン駅まで伸びている。ユニオン駅は「暴走特急」というパニック映画で、暴走機関車が駅に突っ込むシーンのモデルとなった駅。映画のラストシーンが目に浮かぶ。

ユニオン駅


 モンレアール同様、かくの如き地下街が何故発達するのか? 厳しい冬を迎えるこの地の人にとって、外気に触れることなく厳冬期の生活を楽しむニーズは非常に高い。
 当初、ユニオン駅でごく僅かの区間出来た地下通路が、あっという間に市の中心部に広がっていったようだが、ランダムな通路形成は意味がないので、市がマスタープランを作成し、ビルオーナーがそれに協力するという形で今日も少しずつ延長を延ばしている。

 アメーバー状に延長を拡大する地下通路

 ビルオーナーも地下通路を確保することは、それだけビルの付加価値を高めることになり、ビルとビルを結ぶ道路横断の通路は、両ビルオーナーと市が夫々1/3ずつ負担している。地下通路で人の通行が確保されると、通路の片側あるいは両側に自然と商店が貼り付き更に人が集まるという好循環を繰り返している。

 中華レストラン「Lichee Garden」で昼食 

 巨大ショッピングセンターは、自然光を取り入れた明るく楽しい空間を構成している。各店は日本人の異常なまでの高級ブランド指向という傾向も見られず、国産ブランドを大切にし、台湾や韓国で作られていようが良いものは受け入れる土壌が先進国としての誇りの中で息づいている。
 地下街視察ツアーは「Lichee Garden」という中華レストランでの昼食をはさんで、これでもか!これでもか!と夕刻まで続いた。


「Royal York Hotel」

 今宵の宿舎は英国王室御用達の「Royal York Hotel」。そのホテルのレストランでの魚料理。1400室近い客室と10数種類のレストランを有する格調高いホテルである。それにしても何を食っているのか分からない薄暗い蝋燭の明かりの中での食事であった。

 食後は昨夜の話を聞きつけた連中も加わって、タクシー2台に分乗しての5$遊び。今宵も5$紙幣が乱れ飛んだが、最後に呼んだ可愛い黒人の女の子。皆、目を皿にして凝視したが、教訓!暗がりでは黒人の女の子を呼ぶべからず!

  
(左)トロント・シティホール  (右)トロントのランドマークタワー「CNタワー553m」

 翌朝はナイアガラ出発までバスによる市内観光ツアー。N設計のO氏と私はこれをパスして街をぶらつくことに。まだまだ寒いトロント、高層ビルが林立する間をビル風が吹きまくる。シティホールまで歩くともう我慢の限界。結局イートンセンターに潜り込むことになった。
 地下空間はなるほど生活必需品であることを実感した次第。しかし、おかげで553mの世界一のCNタワーに上る機会を逸してしまった。ああ、残念、無念!



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