スケルトンハウス‐きまぐれCafe

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業務執行権を有する役員とは

2010-05-15 10:16:47 | 社会・経済

Photo  厚生労働省が発行している「平成21年度 労働保険 年度更新 申告書の書き方」の4ページ労災保険『法人役員(取締役)の取扱い』の項目に、「代表権・業務執行権(注3)を有する役員は...」との記述があります。
「業務執行権を有する役員」の定義を調べているけどよくわからない。この手引きの用語説明にも出てこない。業務執行権を有する役員とはどういうことか。」
と悩んでいる人事・労務担当者がいました。


  会社には、その運営体制で異なるものの、会長、社長、専務、常務、取締役、監査役、顧問などと称される役員の方々がいらっしゃいますが、そのうち、どのような方が「代表権・業務執行権を有する役員」なのでしょう。
『会社法』を確認することで人事・労務担当者の悩みは解消すると思います。



  取締役とは、株式会社のうち取締役会非設置会社においては、対内的に会社の業務執行を行い、対外的に会社を代表する常設機関です。
  また、取締役会設置会社においては会社の通常の意思決定機関である取締役会の構成員です。

  取締役会非設置会社では、原則として、取締役それぞれに業務執行権と会社の代表権があります(会社法
348条、349条)。

  取締役会設置会社では、
取締役は、取締役会の構成員として会社の業務に関する意思決定に参加します。会社の代表権は、代表取締役が有し、他の取締役は有しません。
  また、業務執行権は、代表取締役と業務執行取締役に選定された取締役のみが有し(会社法
3631項)、その他の取締役は有しません。

  毎年開催される株主総会において新役員が改選されます。この株主総会後の臨時取締役会において、各役員の役割と権限・責務が決められます。

  いろいろ決まりは在りますが、多くの企業では

        業務執行権を有する役員≒取締役

と、平易に考えてもいいでしょう。



<<<  会社法抜粋  >>>

(業務の執行)

348

取締役は、定款に別段の定めがある場合を除き、株式会社(取締役会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。

取締役が二人以上ある場合には、株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、取締役の過半数をもって決定する。

3 前項の場合には、取締役は、次に掲げる事項についての決定を各取締役に委任することができない。

  一
  支配人の選任及び解任

  二
  支店の設置、移転及び廃止

  三 第
298条第1項各号(第325条において準用する場合を含む。)に掲げる事項

  四
  取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備

  五
  426条第1項の規定による定款の定めに基づく第423条第1項の責任の免除

大会社においては、取締役は、前項第4号に掲げる事項を決定しなければならない

(株式会社の代表)

349

取締役は、株式会社を代表する。ただし、他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。

前項本文の取締役が二人以上ある場合には、取締役は、各自、株式会社を代表する。

株式会社(取締役会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。

代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。

前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

(取締役会設置会社の取締役の権限)

363

次に掲げる取締役は、取締役会設置会社の業務を執行する。
    ①代表取締役
    ②代表取締役以外の取締役であって、取締役会の
    決議によって取締役会設置会社の業務を執行す
    る取締役として選定されたもの


前項各号に掲げる取締役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。











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