SJesterのバックステージ

音楽関連の話題中心の妄言集です。(^^)/
もしよろしければ、ごゆっくりどうぞ。

バンセン番組嫌い

2013年01月30日 21時58分26秒 | 声楽・宗教曲関連
★ラス・ウエルガスの写本
                  (演奏:パウル・ファン・ネーヴェル指揮 ウエルガス・アンサンブル)
《13世紀スペインの音楽》
1.輝かしき血統より生まれし
2.誰しも皆、十字架にかからむ
3.おお、マリア、海の星
4.臨終の血より
5.あまねく知られたるベリアル
6.サンクトゥス
7.アニュス・デイ
8.ベネディカムスドミノ
9.南風は穏やかに吹く
10.いざ、信徒らの御母よ
11.誰がわが頭に
12.けがれなきカトリック教徒よ
13.哀れなる人よ
                  (1992年録音)

このディスクが録音されてからすでに20年余・・・
当時、圧倒的な支持をうけて、レコード芸術の古楽部門賞を受賞した盤であります。

私が勝手に感性が近しいのではないかと思い込んでいる月評子でいらっしゃる濱田滋郎先生が、「力こぶを入れて推したい」というような表現で絶賛されていたことをはっきり覚えています。
で、入手してはみたものの、そのよさが感じられるようになるまではずいぶんと時間がかかってしまいました。
今だって、どれだけの良さを汲み取れているのかわかったもんじゃありませんが、少なくとも時間をかけてわが身に馴染ませたことで・・・味わって聴こうかと思えるぐらいにはなっているんじゃないかなと思います。

質朴でありながら確固とした存在感のある音の重なり、ハモってるんだかどうかわからないけど不思議な感覚に誘われる旋律線、不自然なまでに音を揺らして所期の効果を狙ったり・・・と、まさに温故知新というべき響。
なにぶん同時期の音楽のディスクはたぶん何も持っていないので、違う演奏を聴いてもシューベルトやショパンの楽曲を聴き比べるようにはいくはずもないのですが、たぶん声部のハネ具合とかいろんなところで似たような効果を聴いているので、アファナシエフとピリスほどの極端な解釈の相違はないんじゃないかなと想像したりしています。

私が、「それなりに何枚かのディスクを持ってる」といえるクラシックの作曲家といえば、ジョスカン・デ・プレとかパレストリーナ以降になると思います。
彼らをもってしても、この曲集に収められた作品との年代差は、われわれがショパンやリストの曲を偲ぶのと同じぐらいの時代の差があるわけですから、えらく古い曲ということに異論はありますまい。
これより古いのものはといえば、CD棚のどこを探してもグレゴリオ聖歌ぐらいだもんなぁ~・・・。

とはいうものの、これが世に出て1/5世紀になるんだから、こんな調子で行ったら700年前とかいっても実はそんな昔といえないのかもしれませんね。


いきなりこんな曲集を持ち出して、何が言いたいかといえば・・・

NHKの「ヒストリア」のBGMである梶浦由紀さんの楽曲のテイストが、私には、この曲集のそれとそっくりのように思えてならない・・・

ということなんです。


もとより、ここで歌われている内容も背景も全く異にすると思いますし、もしかしたら「Kalafina」なる、女性のヴォーカルユニットの編成に共通項があって、結果として織りなす旋律の綾は必然的に似てしまう・・・だけかもしれませんが、とにかく最初に「ヒストリア」で聴いたときから、「あれ、この雰囲気どこかで聴いたことがある」と思って気になっていました。
そしたら、これだったんです。。。

その当否は別として、ヒストリアの音楽は単なるBGMを超えて親しみを感じるものになっています。
梶浦さんのその他の曲は、ガンダムなどのアニメにもゲームにも興味がない私にとっては未知のものですが、やはりこういった風情を湛えたものなんでしょうか?
そこは非常に気になります。。。


さて・・・
当の「ヒストリア」ですが、テレビをニュースと「ダーウィンが来た」ぐらいしか見ない私が珍しくつとめて視聴している番組であります。
松平アナの「そのとき歴史が動いた」を見ていた惰性・・・かもしれませんが、進行の女性の着物の模様がうにょうにょ動くのを楽しみに見ていたりする・・・関心の高い番組。

しかし・・・
昨年度は、大河ドラマのいわゆる「バンセン」のための番組になってしまった感があって、本編のレベルの高さはきっと変わっていないのに、私の受け止め方としては、また大河の助太刀をしてる・・・と、ネガティブなものになっていました。

NHKは宣伝がない・・・というのはウソで、きっとあらゆる番組を使って大河ドラマの応援をしてるんだというのは、誰の眼にもけっこうロコツに見えてしまっていたんじゃないでしょうか?

ネット上でも、大河ドラマの視聴率の話題でもちきりでしたが、私にいわせりゃナンセンス。
週刊時代劇・・・
と大河を喝破したのは武田鉄矢さんだったと記憶していますが、国民的番組だからとありがたがることなく興味のあるかたが見ればいいにすぎません。
ましてや放送と同時間に視聴しなければならないなんてことはないんだから、「視聴率」なるものの定義にしたがってそのときに見た人の割合で値打ちを判断するなんてことはばかげている・・・と当事者じゃない私は思ってしまうわけです。

うちだって夏場、中日戦のナイターを放送していたらその時間はそちらを私がテレビを占拠して、大河好きの家人は、録画したものを後程じっくり楽しむ・・・んですが、こんなのは日本中どこでもありうる光景ではないでしょうか?
移動中にワンセグで見てる人もいるだろうし、きっと、大河ドラマを視聴している人口に昔も今もそれほど差はないんじゃないかな・・・というのが私の想像です。

「以前の大河の方が優れていたから、その時間に茶の間で見てくれる御仁が多かったのだ」と言われたならば、たしかにそうかもしれません。
・・・けど、私には、なんかこうしっくりこないねって感じです。

たとえ力こぶを込めた番組が芳しくない評価であったとしても・・・
自分の局の「特定の番組」を支援する目的をうすうすでも感じさせるような番組編成を組む方が、心証を害するデメリットは大きいような気がするんですけどね。

ま、いずれにせよ余計なお世話なんですけどね。


個人的には、Kalafinaは露骨な大河応援の論功行賞・・・などとのそしりを受けても、昨年の紅白に選んでよかったユニットと思っています。
・・・などと、とつぜん前言と相容れないことを書いたりして。(^^;)
要するに、「ヒストリア」の梶浦さんの音楽を、私はとても気に入っているということであります。


ところで、最近、朝の番組も「同じ理由」が不愉快で「今日の占いカウントダウン」を除いてはNHKを見ている私。
自局のドラマなどの夜の番組を、他番組を活用して宣伝しないでほしいものです。
もっとも、私を除く視聴者に需要があるからそうされているのでありましょうが・・・私はダメです。

視聴率競争・・・視聴者の目線に全く立っていない、放送側の理屈しか私には見えてきません。
もっと違った尺度を見出さないと、私のようにニュースとナイターと自然科学の番組しかみない人・・・それも録画で・・・が増えちゃうかもしれませんよ。
それだけでも結構テレビの前にくぎ付けになるんだから・・・。

というわけで、今から「ヒストリア」を観に行きます。

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