今日は曇りがちながら薄日もさすという天気で、少しムシムシする。
午前中はOB会組織の総会、午後は法務局に境界立ち会いのため出かける。
面倒臭さや鬱陶しさで、少々げんなりだったが、ちょっと楽しいニュースが飛び込んだ。
郡内にある石造水路橋の「通潤橋」を国宝に指定すべく文化審が答申したというニュース。
秋頃、官報告示され正式に指定となるはこびとか。
(石造水路橋「通潤橋」)
私が小学生の頃、郷土の偉人として「布田保之助」という人物について習った。
彼がこの地域の総庄屋として、谷を挟んだ白糸台地に農業用水を送る施設として石橋を築いたと。
1854年(嘉永七年)に建設され、橋長約78m・幅約6.6m・高さ約21mの石造りアーチ橋。
橋の国宝指定は全国で初めてということである。
既に、通潤用水白糸台地の棚田景観が「国の文化的景観」及び「世界かんがい施設遺産」に登録されている。
(通潤橋の放水)
定期的に、導水路内に溜った土砂除去等のため放水が行われていたが、昨今は観光用にも時間を設定して放水が行われている。
手すりも無く危険なので、一般に人の通行の用には供していない。
私は1~2度歩いて渡った事があるが、吊り橋などより恐怖感はなかった。
ちなみに、私は揺れる吊り橋は大の苦手とする。
九州の石橋の80%くらいは熊本県にあり、その県下でもこの緑川水系には80%以上が集中する。
(二俣橋)
美里町にあり、石橋が途中で二俣に分岐する珍しい構造。
太陽の光線によって、ハート型の光と影の形が出来ることで、カップル等に人気の撮影スポット。
途中で車を降りて、民有地を歩きたどり着いた山奥の石橋。
橋の名前は忘れてしまった。
民有地の出入りは猪や鹿除けのゲートを通ったのが印象に残る。
この他、緑川本流では「霊台橋」という独特の形をした橋もあるが写真を探し出せなかった。
(玉名の高瀬裏川の石橋)
これらの、高い架橋技術を支えたのが、八代ゆかりの「種山石工」。
後に、東京の「日本橋」や「万世橋」など全国の石橋を手がける橋本勘五郎等が率いる技術集団。
先の熊本地震と引き続いた大水害では、通潤橋も一部損壊したが補修が完了した。
殆どの橋は今も往時の姿を留めている。
地域行政機構によって、計画立案・建設が行われ、地域が受益者であるとともに保守・整備の担当者としても長きに亘って守られ、今も現役である。
公共工事のあるべき姿を提示しているようにも見えるが・・。
「今もって助走ばかりに明け暮れる」・・・しろ猫