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カンチャン狂騒曲

日々の事をあれこれと、大山鳴動してネズミ1匹がコンセプト。趣味さまざまなどを際限なく・・。

師走に読書ってか?

2014-12-03 10:39:35 | 日記
 とにかく師走の慌ただしい気持ちが先行する中で、図書館に本を借りに行ったのだから、物好きか暇人と言われても反論はしないことにする。
 対外的にやっておかなければならないことが、月の前半に集中しているにもかかわらず、図書の返納期限は9日だ。
 
 「ジャック・ロンドン奇想天外傑作選」(訳)辻井栄滋、吉川敏博 2013明文書房刊
 ジャック・ロンドンは1876年の生まれで、21歳の時「お春」という短編を書いていて、この短編集の冒頭を飾っている。
 当時の西洋人の日本理解の書となり得たかについてはいささか疑問も・・・。またセリフの部分の訳に難がある。
 文章としては成立しても、日本人の通常の話し言葉ではないからだ。
 訳者はもう少し会話調の日本語で表現して欲しかった、などと言いつつ星2つだ。
 世界各地を駆け回っているので、内容は全世界に及ぶが視点は西洋人の眼差しだ。西洋批判をしているにも関わらずだ。
 8編が収録されているが、「思いもかけぬこと」という29歳の時の作品だけは私的には星3つだと思った。
 民主主義を語るとき直ぐ思いつくのは、多数決である。
 金科玉条の如き多数決であるが、この物語では最後に3人になってしまう厳しい状況の中で「多数決」が発動される。
 現場に立ち会わされるインディアンの不思議なものを見てしまった気分が最後まで作品に漂う。
 
 「終末」ベルンハルト・シュリンク著 松永美穂訳 2011年新潮社刊
 「朗読者」「帰郷者」に続くドイツの過去をテーマにした三作目の長編だ。
 戦後の文学において、ドイツの特殊性が突出しているイメージを強くするのは日本と対比してしまうからだろうか。
 ドイツ赤軍のメンバーとして服役した主人公が恩赦によって20年ぶりに刑務所から出てくる。
 それを迎える姉・旧友が同じ屋敷内で終末を過ごす。
 失われた恋・裏切り・自殺した家族の記憶、正しいと信じたテロ行為で損なわれた決定的なのも。
 人はどのように償いうるのかと問いかける。

 いま、出版物とくに文芸本はあまり売れないと聞く。
 イエスかノーか。白か黒か。など単純明快なハウ・ツウ的文章ばかり読んでいると頭の中にも師走の風が吹く。
 まあ、取りあえず残りを読み終えて・・・早いとこ返納しないと・・・・・師走だぞ~!

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コメント (2)
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