今年も年賀状を書いたり出したりの時期がやってきた。
子供の頃は、新年の書き初めをした後に先生や親しい友にほんの数枚を書いていた記憶がある。
元日に届くように前年の何日までに等と言うようになったのはずっと後のことである。
そう言えば、30日とかに年賀状が配達され「おめでとうございます」などという文言を見せられて不思議な気分になったこともある。
郵便局も何日前までに出せよとか、出すなとかが徹底されていなかった時期でもあったし、年賀状なのだから配達の時期を考慮してくれてもよさそうなものだと思ったりもした。
思えば年賀状に普通の官製ハガキを使い切手の部分の直ぐ下に「年賀」と赤鉛筆で書いて出したこともあった。
専用の用紙で、大量の年賀状を出すようになったのは多分バブルの頃からだったと思う。
恩師や同級生、仕事の関係、趣味同好会等々出す相手の重点指向や枚数の増減等には紆余曲折もあったが、年数を経て現在の枚数になっている。
今年は250枚をパソコンで作り、罪滅ぼしに手書きの一文を相手の顔を思い浮かべながらハガキの隅に一枚ずつ書き添えた。
確か去年は250枚では足りず20枚くらい買い足した覚えがある。
オマケに、新年になると出していなかった人から年賀状が来て、10枚くらい慌てて出した。
断捨離という言葉も一般的になったが、モノを処分したり執着を断つということに多少は目覚めたつもりであったが、この年賀状の断捨離はそれなりに難しい。
おそらくもう一生逢えないであろう人が全体の半数以上なのである。
一期一会の人に、年に一度の生存報告だと思えば、逢えない人にこそ出すというのもありだろう・・・・などとも思う。
実は今年も250枚買ったものの、全体の10%以上の宛先から「喪中につき新年の挨拶を失礼させて・・・」が12月初旬に届けられている。
先方も年賀状取り扱い時期に合わせて「欠礼報告」をしてきているのである。
出す側としては一向に構わないらしいが、それでも喪に服している相手には出すのはためらわれる。
そういうわけで、宛名だけ印刷されていない賀状がかなり手元に残っている。
多分新年には出していない相手からの年賀状に、慌てた風を装って出すために使用する。
何枚かがそれに使用され、そして何枚かはお年玉の発表が終わった後普通のハガキに替えて貰って、クイズや川柳の投稿用として有効に活用されることになるだろう。
去年は書き損じを交換に行ったら、抽選が終わってからにした方が良いですよと郵便局の職員に諭されて、成る程と合点がいったからである。
年賀状・・・この不思議なイベントも永遠に続けるわけにもいかない。
突然のエンディングも技法的にはあるかもしれないが、人生ドラマの終章に近づけばそれなりの整理整頓はしておくのが読者への心遣いでもあろう。
・・・・さてさて、如何なる事になるやらん。