Mayumiの日々綴る暮らしと歴史の話

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☆流れ星を見て戦争を占った中国の仲達

2017-09-13 05:01:21 | Weblog

中国三国時代、蜀の劉備に仕えた丞相諸葛亮(孔明、181~234年)は、優れた戦略家として知られる。
孔明は234年8月、五丈原で魏の司馬懿(仲達、179~251年)と戦っているうちに病死したが、
その時、仲達は次の様な情景を見た。

赤い芒角(かど)のある星が、東北から西南へと流れ飛んで蜀の陣営に落ちて行く。
二回までは落ちてからも空中に戻ったが、三度目には遂に地に落ちた。
占星術では、流れ星が落ちるのは敗戦の兆候を表わす。
仲達はこれを孔明の敗戦の前兆と見て蜀軍の後方に奇襲をかけたが、この時はまだ孔明の死は伝えられていなかった。
陣営に火を着けて蜀軍が突然撤退を始めたので、付近の住民たちは何かが起こったことを魏軍に知らせに来る。
仲達は迫撃を開始したが、蜀軍一行の最後にいた楊儀が鼓を鳴らして防ぎ止め様としたので、「切羽詰った敵を追い詰めては却って危ない」と仲達は迫撃を一旦中止した。

数日後、孔明の陣営跡を見た仲達は、そこに軍事に関する機密書類や作戦書、軍糧などがそのままになっているのを見て初めて孔明の死を知り、「孔明は天下の奇才だ」と言ったと謂う。
まだ孔明が生きているのかも知れないと言う部下の辛毗に、「軍人が一番大切にするべき、謂わば内臓にあたるこれらの物を捨てて行くなんて、生きているとは考えられない」と言い放った。

これを見ていた住民が、仲達の弱腰な様子を目にして言った言葉が「死せる孔明、生ける仲達を走らす」である。
これは唐の太宗の648年に完成された晋王朝一代の歴史を扱う『晋書・宣帝紀』によるものだ。
また、孔明の遺体は遺言によって、218年から219年にかけて蜀の大将黄忠が魏の夏侯淵を破った定軍山に葬られた。
孔明が望んだのは、塚を築くこともない質素な埋葬だったと謂う。


(画像・司馬懿仲達「歴史人 完全保存版 三国志の真実」より)

     

     

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                                           -不吉な未来を見通す神秘ー
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★占星術の予言書を読み違えて滅びた秦

2017-09-13 04:56:48 | Weblog

古代中国には、人間界のことは星の世界に反映し、
星の動きは人間界に起こる事件の予兆だとする「天人感応の説」と云う考え方がある。
これに因って占星術が起こった。

例えば、ほとんど動かない北極星を現世の皇帝に見立て、その光が弱くなると皇帝の身に何か異変があるとか、
木星が意外な方向に動いたりすると、その下の地域に兵乱が起こるなどと予言をする。
強大な権力を誇った秦の始皇帝が造った「万里の長城」にも、この占星術による予言書が関係していたと謂われている。

当時、秦の北方に匈奴と云う種族がいた。
匈奴はフィンランド人の祖先とも言われる乗馬と弓が得意の勇敢な騎馬民族で、各部族が統合されて大きな国家に成りつつあった。秦にとっては脅威である。
『史記』始皇本紀によると、燕の盧生と云う人物の『録図書』と呼ばれる予言書に「秦を亡す者は胡なり」とあるのを知った始皇帝が、紀元前215年、それまで進出が阻まれていた匈奴に将軍蒙恬率いる30万の大軍を送り、一気に滅ぼしてしまう。
胡とは匈奴を指す。
その上、始皇帝は再び匈奴が攻め入って来ない様に、万里の長城を建設させ備えたのだ。

結局、匈奴が秦を滅ぼすことはなかったが、長城築造の為に毎年数十万人が投入されたことが秦の国力を弱める結果となってしまった。そして、長城を築いた始皇帝は安心して死んだが、その跡を継いだ二世胡亥の時に滅亡する。

「秦を亡す者は胡なり」と云う予言の「胡」とは匈奴ではなく、実は胡亥のことだったのだ。

     

     



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