Mayumiの日々綴る暮らしと歴史の話

日日是好日 一日一日を大切に頑張って行きましょう ξ^_^ξ

菜根譚 前集221項

2023-07-31 14:22:52 | Weblog

 

君子、処患難而不憂、当宴遊而惕慮。
遇権豪而不懼、対惸独而驚心。

君子は、患難に処りて憂えざるも、宴遊に当たりては惕慮す。
権豪に遇いては懼れざるも、惸独に対しては心を驚かす。
 

「君子の心配事」
君子というものは、苦しい状況に身をおいても、それを気にとめないが、
宴会などの楽しみの場所では、羽目を外しはしないかと恐れ気を使うものである。
また、権力のある人に会っても、怖気恐れることはないが、
困窮して身寄りの無い人に対しては自分の心を痛めるものである。


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菜根譚 前集220項

2023-07-30 13:39:37 | Weblog


カサブランカ

子弟者大人之胚胎、秀才者士夫之胚胎。
此時、若火力不到、陶鋳不純、他日渉世立朝、終難成個令器。


子弟は大人の胚胎にして、秀才は士夫の胚胎なり。
此の時、若し火力到らず、陶鋳純ならずば、
他日、世を渉り朝に立つとき、終に個の令器と成り難し。


「可能性を育てあげる」
若者は大人の卵であって、才能の秀でた人はやがて士や大夫という立派な人になる卵である。
この卵のような未完成の段階に於いて、例えば陶器を作ったり鋳物を鋳たりする際のように、
もし火力が足らず、陶鋳の方法が純粋でなかったりすると、
後日、世間に出たり地位に就いたりした時に、結局一つの優れた人材となることは難しい。





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菜根譚前集 217項

2023-07-27 14:05:56 | Weblog


チョコレートミントの花

至人何思何慮。愚人不識不知。
可与論学、亦可与建功。
唯中才的人、多一番思慮知識、便多一番億度猜疑、事事難与下手。
至人は何かを思い。何をか慮らん。愚人は不識不知なり。


与に学を論ずべく、亦、与に功を建つべし。
唯中才の人のみ、一番の思慮知識多ければ、
便ち一番の億度猜疑多く、事々に与に手を下し難し。


「中途半端な才人の不幸」
道に達した人は、胸中にあれこれ思い煩うことは何もない。
また、愚かな人は初めから知識などに捉われていない。
何の拘りもないこのような人達とは、一緒に学問を論ずることもでき、
また一緒に協力して事業を興すこともできる。
中途半端な知識を身につけている人だけは、一通りの思慮や知識を具えているので、
それで、素直にものを信ぜず、あれこれと思い巡らし、
疑い深い心も多くて、このような人達とはどんなことでも、一緒に仕事をすることは難しい。


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菜根譚 前集216項

2023-07-26 13:12:37 | Weblog


フロックス

天賢一人、以誨衆人之愚。
而世反逞所長、以形人之短。
天富一人、以済衆人之困。
而世反挾所有、以凌人之貧。
真天之戮民哉。


天は一人を賢にして、以て衆人の愚を誨んとす。
而るに世は反りて長ずる所を逞しくして、以て人の短を形わす。
天は一人を富ましめて、以て衆人の因を済わんとす。
而るに世は反りて有する所を挟みて、以て人の貧を凌る。
真に天の戮民なるかな。



「天意に逆らう人」
天は、衆人の中から一人を選んで知恵を授け、
それでも多くの愚かな人達を教え諭そうとされた。
ところが、実際の世の賢人と言われる人は、天の意志に反対して、
自分の長所を勝手気ままに出して、それによって他の人の短所を暴き立てている。
また、天は、衆人の中から一人を選んで富を授け、
それで多くの貧しい人達を救おうとされた。
ところが、実際の世の中の富者と言われる人は、天の意志に反対して、
自分の持っている財産を鼻にかけて、それによって他の人の貧困を侮っている。
このような人達は、本当に天の罰を受けるはずの罪人である。



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菜根譚 前集215項

2023-07-25 06:50:27 | Weblog



善読書者、要読到手舞足蹈処、方不落筌蹄。
善観物者、要観到心融神洽時、方不泥迹象。
 
善く書を読む者は、手舞い足蹈む処に読み到るを要して、
方めて筌蹄に落ちず。
善く物を観る者は、心融け神洽ぐの時に観到るを要して、
方めて迹象に泥まず。
 


「読書と観察の要諦」
本当に書物を読もうとする人は、
喜びのあまり手で舞い足で踏んだりして
小踊りするまで読み極める必要があり、
そうしてはじめて、魚や兎を捕らえる道具の様な、
陥り易い弊害に陥らないで、本当の意味が掴める。
本当に事物を観察しようとする者は、
精神が事物に融和して一体となるまで観察し尽くす必要があり、
そうしてはじめて、物事の表面だけに捉われないで、
真実の姿を観ることができる。




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◆日本神話に見る 呪術の起源

2023-07-17 06:10:43 | Weblog


天瓊を以て滄海を探るの図
伊弉冉尊と伊弉諾尊が天の浮橋に立ち、地上に天之瓊矛を突き刺し国を産んだ。


伊弉諾神宮 天照大神に後を託し、伊弉諾尊は淡海の多賀に寓居したとされる。
その場所が兵庫県淡路市多賀に建つ「伊弉諾神宮」だという説がある


多賀大社 古事記によれば、伊弉諾尊がお隠れになったのは淡海の多賀とある為、
淡海=近江とされ、淡海の多賀は滋賀県の近江の多賀大社のことだという説もある


黄泉比良坂 伊弉諾尊と伊弉冉尊が千引石を挟んでお互いを呪詛したとされる黄泉比良坂が、
島根県松江市揖屋にある「神蹟黄泉比良坂伊賦夜伝説地」だとされている


富士山本宮浅間大社 木花咲耶姫を主祭神とし、
相殿に夫となった瓊瓊杵尊と、その父神の大山祇神を祀る浅間神社の総本社。
奥宮は富士山山頂に建てられており、富士山は富士山本宮浅間大社の御神体として崇められていた


木花咲耶姫 夫婦の契りを結んですぐに妊娠した為、瓊瓊杵尊に不倫を疑われた。
我が身の潔白を証明する為、燃え盛る産屋の中で出産するという気が強い面も持ち合わせていた。
木花咲耶姫は良妻賢母の代表でもあり、その神徳は安産や子育てとされている(早稲田大学図書館蔵)


八咫烏神社 奈良県宇陀市に建てられた古社
祭神は建角身命で磐余彦尊一行の道案内をした八咫烏の化身と伝えられている


女狭穂塚 宮崎県の西都原古墳群には木花咲耶姫の墓とされる女狭穂塚が残されている


天香久山 畝傍山、耳成山と共に大和三山の一つに数えられ、
三山の中で唯一「天」という尊称が付けられている


神武天皇 八咫烏に導かれて大和を目指す神日本磐余彦尊一行。
その行く手には、苦難の道が待ち受けていた


呪術や祈祷、呪詛を最初に行なったのは誰か?
その答えを求めて日本の歴史を辿って行くと、神話の世界に辿り着く
   

   ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼


★伊弉諾尊と伊弉冉尊が国産み、神産みを行なう
 遥か昔、混沌とした世界が次第に固まり天と地が生まれた。
そして、「造化三神」と呼ばれる神が誕生。
更に、神代七代と呼ばれる神々が誕生し、その最後に伊弉諾尊と伊弉冉尊が産まれた。
やがて、二神は夫婦の契りを交して国産みを行ない、日本列島となる島々を産んだ。
続いて神生みを行ない、大事忍男神など自然に纏わる神を順調に産んでいく。
だが、突然二神を不幸が襲う。
順調に神々を産んでいた伊弉冉尊だったが、
産まれてきた神が火を司る神・軻遇突智(かぐつち)だった為、
伊弉冉尊はホト(女性器)に火傷を負い、臥せってしまった。
その後も、病状は回復せず、やがてお隠れになってしまった。

愛する妻の死を嘆き悲しんだ伊弉諾尊の悲しみは癒えない。
遂に、死後の世界である黄泉国に出向いて妻を連れ戻す決意を固めた。
伊弉諾尊は苦難に満ちた旅の果て、やっとの思いで黄泉国へ辿り着く。そして、
「愛しい我が妻よ、二人で造った国は、まだ完成していない。どうか一緒に帰ってくれないか」
この声を聞いた伊弉冉尊は、姿を見せないで、
「私は既に黄泉戸喫(よもつへぐい・黄泉国の食事)を食べてしまった為
この国の住人になってしまい、もう帰ることはできません。
ですが、せっかく迎えに来て下さったので、黄泉神に相談してみます。
その間、決して私の姿を見ないで下さい」
そう言って伊弉冉尊は、黄泉国の奥へと入って行く。
だが、それっきり待てど暮らせど音沙汰が無い。
心配になった伊弉諾尊は、伊弉冉尊との約束を破り、火を灯して奥へと探しに入った。

奥には伊弉冉尊がいたが、明かりに照らされた伊弉冉尊は体中腐り果て、
蛆がたかり、更に体中に蠢く八柱の雷神がまとわりついているではないか。
そのあまりにも変わり果てた姿に驚いた伊弉諾尊は慌ててその場を逃げ出した。
伊弉諾尊に姿を見られた伊弉冉尊は、
「私との約束を破って、私の姿を見たのね。もう許すことはできない」
そう言うと、伊弉冉尊に仕えている黄泉醜女と一緒に追いかけて来た。
捕まれば、伊弉諾尊の命も危ない。
伊弉諾尊は、山葡萄の蔓の髪飾りを外して投げ捨てると、
蔓はみるみる成長して甘くて美味しそうな山葡萄を実らせた。
すると、伊弉諾尊を追いかけて来ていた醜女たちは、
甘くて美味しそうな香りに引き寄せられたのか、その実に群がり貪り喰らう。
その隙に伊弉諾尊は醜女たちと距離を稼ぐが、山葡萄を食べ尽くした醜女たちは再び迫って来る。
伊弉諾尊は、髪に刺した竹の櫛を抜き、その歯を折って投げ捨てた。
歯が落ちたところからたくさんの筍が生え、
再び醜女たちは、その筍に群がり引き抜きながら食べ始めた。
伊弉諾尊は醜女との距離を引き離すが、今度は伊弉冉尊の体に纏わりついていた八柱の雷神たちが、
1500の軍勢を引き連れ迫って来る。
伊弉諾尊は腰に下げた十拳剣を抜くと、走りながら後手で刀を振った。
雷神たちは十拳剣を恐れ、それ以上は近づけない。
やがて伊弉諾尊は、黄泉国の出口のある黄泉比良坂の下まで辿り着くと、
そこには実をつけた桃の木が生えていた。
桃の実には悪い物を退ける呪力が秘められている。
伊弉諾尊は、その桃の実をもぐと追い迫る雷神めがけて投げつけた。
すると、桃の呪力により、雷神たちは逃げ去ったが、そこへ伊弉冉尊が追いついて来てしまう。
伊弉諾尊は急いで千人がかりでないと持ち上げられない千引岩で坂の出口を塞いだ。
すると千引岩の向こうから、
「愛しいあなたが、こんなことをするのなら、
私はあなたの国の人々を一日に1000人殺してやるわ」
と言い、これに対し伊弉諾尊も、
「我が愛しい妻よ、お前がそんなことを言うのなら、
私は一日に1500の産屋を建てさせ子供を産ませよう」
と言い返した。
この二神のやり取りが、日本初の呪詛であり、呪詛返しだとされている。
日本では、言葉には霊が宿っているとされる言霊信仰があり、
相手に対して呪いを込めた言葉を発するだけで、呪詛を行なったことになるからだ。
言葉による呪詛は現代でも行われ、敵対する相手に対して、
「死ね」と罵る行為も言葉による呪詛である。
    


   ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼



★木花咲耶姫の父神から呪詛された天孫・瓊瓊杵尊
 伊弉諾尊の娘である天照大神の孫・瓊瓊杵尊は葦原中国を平定する途中、
笠沙の岬で美しい乙女と出会った。この乙女が大山祇神の娘の木花咲耶姫だった。
瓊瓊杵尊は木花咲耶姫を一目見るなり恋に落ち、すぐさま求婚する。
この申し出に大山祇神は大喜びだ。
大山祇神は木花咲耶姫と瓊瓊杵尊との結婚を祝福し、多くの結納品を用意し、
更に木花咲耶姫の姉・磐長姫も瓊瓊杵尊に嫁がせる為、瓊瓊杵尊のもとへと送った。
だが、瓊瓊杵尊は磐長姫の容姿が気に入らず、
磐長姫だけを大山祇神のもとへ送り返してしまったのだ。
これを知った大山祇神は、
「妹に添えて姉の磐長姫を嫁がせたのは、天孫の長寿と健康を願ってのことでした。
磐長姫には天孫の命が岩のように永遠に揺るぎないようにとの願いが込められていました。
ですが磐長姫を嫁にせず、木花咲耶姫だけを嫁にしたということは、
天孫の寿命も木の花が散るように儚いものとなるでしょう」
その為、今に至る代々の天皇の寿命は、天孫の子孫でありながら人間並みに短くなってしまう。
大山祇神の無念から出たこの言葉が、天孫とその子孫へと続く呪詛の言葉となってしまったのだ。
このように何気なく呟いた言葉が呪詛になる場合もある。
相手を罵らなくても、言葉による呪詛は発動してしまう。
     


     ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼



★呪術を用いて危険を回避し大和を平定後、天皇に即位
 更に、日本書紀にはこのような記述もある。
神日本磐余彦尊の一行は、どうにか菟田の高倉山に登り周囲を見渡すことができた。
そこから国見丘に敵対する八十梟帥が軍団を従え陣を張っているのが見えた。
このままでは、神日本磐余彦尊が大和へ入るのは難しい。

その夜、悩んだ神日本磐余彦尊の夢枕に天つ神が現れ、
「天香具山の社の中の土を集め、天平瓦を80枚、更に厳瓮(大きな壺)も作り、
天つ神と国つ神など総ての天神地祗を敬って祗り呪詛を行えば、敵は平伏するだろう」

神日本磐余彦尊はさっそく、仲間を地元の農民と変貌させ、天香具山の土を取りに行かせた。
当然のように神日本磐余彦尊を警戒する八十梟帥の兵士が道の警備行なっていたが、
農民に扮した姿を見つけても見咎めることはなかった。
そのまま山に入り、天香具山の社の土を取り無事に戻って来た。
早速、神日本磐余彦尊はの丹生川上で天平瓦と厳瓮を作らせ、
天神地祗に祈り八十梟帥を調伏させた。

この後日談は割愛するが、神日本磐余彦尊は大和を治め、初代神武天皇として即位する。
神日本磐余彦尊は天つ神の託宣を受けて、八十梟帥を調伏する方法を学んだ。
このように、初代神武天皇誕生には呪術の力が用いられている。
呪術の力がなければ、大和は平定されず天皇家の時代は訪れなかったかも知れない。
     


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                                呪術と祈祷の日本史


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菜根譚 前集204項

2023-07-14 13:09:34 | Weblog


冷眼観人、冷耳聴語、冷情当感、冷心思理。

冷眼もて人を観、冷耳もて語を聴き、冷情もて感に当り、冷心もて理を思う。


「すべて冷静に対処する」
冷静な眼で人物を観察し、
冷静な耳で人の言うことをよく聞き、
冷静な感情で人の心を動かすものに対処し、
冷静な心で道理を考えるようにする。

。.ꕤ‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿ꕤ.。゚


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菜根譚 前集203項

2023-07-13 13:53:50 | Weblog


擬宝珠 Hosta 落ち着き 沈静

居盈満者、如水之将溢未溢。
切忌再加一滴。
処危急者、如木之将折未折。
切忌再加一搦。

盈満に居る者は、水の将に溢れんとして未だ溢れざるが如し。
切に再び一滴を加うることを忌む。
危急に処る者は、木の将に折れんとして未だ折れざるが如し。
切に再に一搦を加うることを忌む。


「満ちれば欠ける道理」
富貴や権力が最高に達した人は、水が器から今まさに溢れ出ようとして
溢れずにいるようなものである。
それ以上に一滴を加えることをひたすら嫌い避ける。
差し迫った危険な位置にいる人は、木が今にも折れようとして
折れずにいるようなものである。
それ以上に一押さえ加えることをひたすら嫌い避ける。


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菜根譚 前集202項

2023-07-12 14:46:17 | Weblog

ムラサキバレンギクの画像のようです
エキナセア(紫馬簾菊) Echinacea 優しさ 深い愛 あなたの痛みを癒やします

世人以心肯処為楽、却被楽心引在苦処。
達士以心払処為楽、終為苦心換得楽来。

世人は、心に肯う処を以て楽しみと為し、却って楽心に引かれて苦処に在り。
達士は、心の払る処を以て楽しみと為し、終に苦心を楽しみに換え得て来たると為す。


「真実の楽しみ」
俗世間の人間は、心に満足することを以て楽しみとしているが、
却って楽しみの心に引きずられて苦しい場所に追い込まれる。
道に達した立派な人は、世人が満足するものと反対なことを楽しみとしているから、
結局は苦しみの心を楽しみの心に交換してしまうことができる。


     ✎______________





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カレーの時間 ŧ‹”(๑‘ڡ‘๑)୨“ŧ‹”

2023-07-10 07:27:02 | Weblog


タンジー(蝦夷蓬菊、Tansy) Tanacetum vulgare
             あなたとの戦いを宣言する 抵抗 婦人の美徳

「昔は良かったとか、昔の男は強かったとか、そういう言説が大嫌いなんです。
過ぎ去った時代を生きた人びとの物語っていうのはたいてい美しいんです。
だって、遠くにあるから」

僕たちがいるのは今、ここであって
「昔より恵まれているとか、マシだとか、もしくはダメだとか、
甘えてるとか言われてもね。タイムマシンで行って検証できるわけでもなし、
過去には戻れない。僕たちが行けるのは明日より先の未来だけだから」


                          - 寺地はるな 「カレーの時間」 -







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菜根譚 前集199項

2023-07-09 13:00:09 | Weblog

倹美徳也。
過則為慳吝、為鄙嗇、反傷雅道。
譲懿行也。
過則為足恭、為曲謹、多出機心。

倹は美徳なり。
過ぐれば則ち慳吝と為り、鄙嗇と為りて、反りて雅道を傷る。
譲は懿行なり。
過ぐれば則ち足恭と為り、曲謹と為りて、多くは機心に出ず。


「倹約も譲も度を越さず」

倹約は美徳である。
だがしかし、度を過ごすとケチになり、卑しくなって、
その結果逆に正しい道を損なうことになってしまう。

謙譲は善い行為である。
だがしかし、度を過ごすと馬鹿丁寧になり、堅苦しくなって、
その結果多くの場合、何か魂胆があると見なされることになる。


     ˳◌* ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ *◌˳˳◌* ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ *◌˳



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菜根譚 前集198項

2023-07-08 10:47:16 | Weblog


ルドベキア(松笠菊、Rudbeckia)  Rudbeckia spp.
                                   正義 公平 あなたを見つめる



鷹立如睡、虎行似病。
正是他攫人、噬人手段処。
故君子、要聡明不露、才華不逞。
纔有肩鴻任鉅的力量。

鷹の立つや、睡るが如く、虎の行くや、病むに似たり。
正に是れ他の人を攫み、人を噬む手段の処なり。
故に君子は、聡明を露わさず、才華を逞しくせざるを要す。
纔かに肩鴻任鉅の力量有り。


「賢明を誇らず、才能に溺れず」
鷹が木にとまっている様子は、あたかも眠っているようであり、
虎が歩いている様子は、あたかも病気にかかっているようである。
このような様子こそ、鷹が獲物につかみかかり、虎が人にかみつこうとする為の方法である。
だから君子たるものは、自分の賢明さをやたらと外に表わさず、
才能をやたらと振り回さないようにすることが必要である。
それでやっと、大事を双肩に荷うことができる力量があることになる。



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菜根譚 前集197項

2023-07-07 13:58:58 | Weblog


ヒソップ(柳薄荷、Hyssop) Hyssopus officinalis 清潔 浄化


日既暮、而猶烟霞絢爛。
歳将晩、而更橙橘芳馨。
故末路晩年、君子更宜精神百倍。

日既に暮れて、而も猶お烟霞絢爛たり。
歳将に晩れんとして、而も更に橙橘芳馨たり。
故に末路晩年には、君子は更に宜しく精神百倍すべし。


「晩年の心がけ」
太陽が沈んでしまっても、それでも尚夕映えは美しく輝いている。
また、一年が今や暮れようとしているのに、
橙や蜜柑などの柑橘類は一段と芳しい香りを放っている。
だから、人生の晩年に当たって、
君子たる者は更に精神を百倍にも奮い立たせて立派に生きるようにすべきである。

。.ꕤ‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿ꕤ.。






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菜根譚 前集195項

2023-07-05 14:56:51 | Weblog


オレガノ(花薄荷、Wild majoram) Origanum vulgare
      富 輝き 財産 自然の恵み あなたの苦痛を除きます


建功立業者、多虚円之士。
僨事失機者、必執拗之人。

功を建て業を立つる者は、多くは虚円の士なり。
事を僨り機を失う者は、必ず執拗の人なり。


「成功する人と失敗する人」
大きな功績や事業を完成するような人は、
多くはアッサリして円満な性格の持ち主である。
事業に失敗し時機を失ってしまうような人は、
必ず執念深く片意地な性格の持ち主である。






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◆海の底への誘い 船幽霊

2023-07-04 13:04:49 | Weblog


『絵本百物語 船幽霊』


『今昔画図続百鬼 舟幽霊』


『土佐化物絵本 船幽霊』


船幽霊は海上で溺れ死んだ人の魂魄が、夜の紛れに、航海する船を沈める為に現れるという。
中国では、船頭が食物を与えると、この怪異は消え失せると伝えられているが、
我が国にもしばしば出現することがある。

その妖異の始まりは、波の上に一握りの綿が風で飛んで来たように見え、
浮び漂ううちにそれが大きくなり、顔かたちができて眼鼻が具わって来る。
かすかに声がして、友だちを呼ぶように聞こえる。
そのうち行き成り数十の鬼が、遠く、あるいは近くに出没する。
船に乗り込むばかりに船ばたへ手をかけ、船の航行を止めようとして、
船頭は逃げることができない。
幽霊は声をあげて「イナタ貸せ......」という。
このイナタというのは船頭たちの俗語で大柄杓のこと。
馴れた船頭は、柄杓の底を抜いて海上に投げ入れる。
この杓で船幽霊は海水を汲んで船に入れ、船を沈めようと図るが、沈められないで済む。
万一、底のある柄杓を与えれば船は沈没する、と伝えられている。
                  

                      『世事百談』 巻三
  

  *⑅୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧⑅*
 

私が出合った怪異である。
十七、八年以前(1781~1784)、讃岐(香川県)の金毘羅様にお詣りして
厳島(広島県廿日市市)へ回ろうとする海路、音頭の瀬戸(広島県呉市の海峡)を過ぎて、
船は留まり、夜明けを待って船を出し、二、三里(1キロメートル弱)ばかりも過ぎた頃であった。
船頭が急に「静かに!」という。
何事かと怪しむうち、水面に烏帽子のような物が浮かんでいるのが見えて船と行違った。
「今のは何だ」と訊くと「アレです」としか言わない。
よくよく尋ねるとそれは海蛇で、烏帽子状のものは海蛇の尾の先であった。

これを見て後、また暫くすると、東北の方角から、
子どもの声で「ホイ、ホイ」と三度ばかり呼ぶ声がした。
すると船頭は、また手真似で人を制して、
その方向へ向かって「よいわ、そこに居れ、そこに居れ」と呼びかけた。

その日は霧が立ち込めて四方が見えない。初めは同じく航行する船からの声かと思ったり、
霧の向こうにある島から、鳥の声が人の言葉に聞こえたかと思ったりしたが、
この船頭の応答によって、それは怪異であると知った。

その後、それが何であったのか、船頭に問いただしたかったが、
船中では縁起を担ぐ風習が強い為、訊くのは諦めた。
考えてみたが、これこそが船幽霊だったのであろう。
                  

                        『閑田耕筆』 巻一
  

  *⑅୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧⑅*


                        江戸時代 怪奇事件ファイル


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