百姓一揆の目的は領主を倒すことではなく、あくまで「よりよい政治を行ってもらう」ことにある。百姓にとって領主は災害や飢饉などの危機から領民を守るべき存在であり、いなくてはならない存在なのだ。領主は年貢を納めてもらい、百姓は生活を保障してもらう持ちつ持たれつの関係だったと考えられている。領主がその責を全うしていないと思われた時、百姓は行動を起こすのだ。島原の乱などは目的を「打倒領主」とする一揆であったが、こういった一揆はどちらかというと珍しい、激しい部類の一揆である。一揆では「無関係の家屋などを壊してはいけない」「盗みをはたらいてはいけない」など、やっていい事と悪い事をその一揆に参加する集団の中で事前にある程度取り決めて統率をとっていたのだ。ちなみに百姓が一揆の際に手にした鍬や鋤は武器として用いただけでなく、自分たちが百姓であるというシンボルとしての意味も持っていた。一揆と似たもので「打ちこわし」というのがあるが、これは不正をはたらいた者の家屋などの破壊を目的として行う運動である。よって必ずしも「一揆=打ちこわし」とはならないのだ。
世直し一揆の一環と考えられることが多いが、真相は不明。
明治初期の租税改正反対一揆(伊勢暴動)を描いたもの。
竹槍で壁を破壊している。
戦乱と歴史のウソ