都来眼前事、知足者仙境、不知足者凡境。
総出世上因、善用者生機、不善用者殺機。
総出世上因、善用者生機、不善用者殺機。
都て眼前に来たるの事は、足るを知る者には仙境にして、
足るを知らざる者には凡境なり。
総て世上に出ずるの因は、善く用うる者には生機にして、
善く用いざる者には殺機なり。
「足るを知り、善く用いる」
すべて目の前に起こって来る現実の問題は、
満足することを知る者にとっては、仙人が住んでいるとされる理想郷のようなものであり、
満足することを知らない者にとっては、凡人の欲望に満ちた世界である。
また、すべて世間一般に現れる事柄は、その本来の姿に従ってよく用いる人にとっては、
ものを生かす働きであり、本来の姿を損なうような人にとっては、ものを殺す働きとなる。