「母が重い」とは最近よく聞く言葉です。
母の言動から自由になれず
悩む女性たちが増えているとか。
母への過剰な反発も、その別の
表れかただと思いますが、
この現象を洋服と着物で
うまく表しているなあ、と
感服したのが、
何度か触れた「繕い裁つ人」。
作品は、市江の祖母志乃の物語でも
あるのですが、
映画で志乃の娘を演じている
余貴美子さん。
目立たず奥に隠れているのですが、
彼女はいつも着物、なんですね。
しかし着物だけでは目立つ。
だからその上に割烹着。
監督のこのセンス、すごいと思います。
母親志乃の洋服への想いが強すぎて
ついていけない~~。
どんな洋服を着たらいいのかわからない。
そこで着物。
つまり「母が重い」娘の気持ちを
何気なく着物で表している。
でも着物だけではあまりに目立つ、
そこで割烹着で隠す~~。
映像的にも着物のほうが絵になるしね。
きもの着るようになって
作品の細部まで目が届くように~~。
同じような例はありますね。
わが家~~いえ、白洲家です。
正子さんは、自分の母親の
「振袖を着て華族女学校に通っていた」
お嬢様ぶりに猛烈に反発、
「柔らかもの」は絶対に着ない。
そして、そんな強烈な母にまたまた反発して
正子の娘は大の「着物嫌い」に。
この「母の着物が重い」現象、
娘だけではないようで、
「繕い裁つ人」の漫画版ではこんな
シーンが。
着物で授業参観にくる母親、
「授業参観やなんかでお袋が
目立つのはたまらなく嫌でね」
と息子。
「おまえのために着て、なにが悪いっていつも
あの着物を着ていたんですよ」
かくして、母の遺した着物は市江の手で~~。
そうか、息子もそう思うのか~~。
わが家の子どもたちの着物嫌い~~、
「母が重い」現象だったのね。
そこで、
着物断ち、ブログ断ちの一か月。
はい、その間スイッチオフ。
東京に帰ってきたら、
それまであんなに夢中になっていたことが
なぜかしらんと。
「外に向いていた気持ちが内に向いてきたね」
だって~~。
というわけで、今では子供たちも
まあ、(母きもの)楽しみだからいいんじゃない、
というように。
娘も着物好きに~~?
大人になったもんだ、
子どもたちが~~?
いえ、母が~?
この劇的な変化~~。
劇的変化は「重かった母」の方?
というわけで、重く感じてきたら、
なんでも初期化?
しばらく距離を置いて
また新たな着物生活~~おい!
着物熱で離婚寸前までいった人もいるからね。
誰になんと言われようと
わが道を行く方々には
敬意を表するのですが、
その裏では~~。