ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

書籍「年金五万円が教えてくれたお金の向き合い方」「あるもので工夫する楽しい節約生活」は9万部。工夫の毎日は続く。

もし30までに死ぬことがわかっていたら。

2017-10-08 09:22:01 | 文芸・作家の世界を訪...

 

 

 カズオイシグロ氏がノーベル文学賞を

受賞しましたね。

祝!!

この方の作品には、何度も衝撃を受けてきました。

最初は映画「日の名残り」

アンソニー・パーキンスが古風な執事を

演じていて圧巻。

しかし、本を読んで驚いた。

映画ではラブストーリー風に描いていたけど、

原作はイギリス貴族のもとで働く古風な執事の

生活を淡々と描いたもの。

これが面白い!

主人のナチス協力とか、立派な執事だった父親が

老いて、つまり認知症ね、失敗をするように

なっていく悲しさとか~~。

母親の話からヒントを得たのか、

崎の女性の話を描いた

「遠い山なみの光」は

ちょっとわからなかった(汗)



で、「わたしを離さないで」(早川書房)の衝撃。

これはなんと、臓器移植のためクローンとして

作られ、育てられた子供たちの話なんですよ。

 主役のキャリー・マリガンが素晴らしい。

 

ええ!!こんな小説ってあり!と思うほど。

それでも当然だけど、恋あり、嫉妬あり、

親探しありで~~。

死にたくないとあがく青年の号泣には

胸が張り裂ける。


人に自分の臓器を提供するために

作られるって、あまりにひどすぎるよ。

けれど結局、彼らは自分の運命を受け入れていく。

「しかし、人はみな、ある意味、無邪気な

子ども時代を経て、厳しい現実に気づく。

そしてそのなかで生き、そして死んでいく

のは同じ」とイシグロ氏。

「30歳で死ぬのも百歳で死ぬのも、

人はいずれ死ぬのだから」とも。

人生のメタファー、だと。

そして死の怖さをなくすのは愛だけだと。

現在の、過去の、愛。

思い出~~。

どういうわけか愛があると、

死がどうでもよくなる。

怖くなくなるのです、と。


こういう風に読んでなかったな。

再読するか?

う~~ん、キツい。

この方の作品って、人生観を揺さぶられる。

すぐに忘れるんだけど、こういう形で

奥に隠してあった揺れがまた出てくる。

 

厳しい現実に向き合ったとき、

自分がどんな風に感じ、動くのか、

それをじっと見ているもう一つの目、

視線=もう一人の自分-というか、

がいるんだと思わせる。



奥様は福祉関係の仕事、

彼がホームレス支援!!をしているときに

知り合ったのだとか。


で、いつかノーベル文学賞を

取るのではないかと思う作家はこちら

「すべて見えない光のアンソニー・ドーア」

モノと癒しと記憶の物語」


 というわけで、

ノーベル文学賞、でした。

人間の弱さ、見苦しさを含めて

いろんな人間を結局肯定してくれる

文学というものの素晴らしさ。

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コメント (2)
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