南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

アジアと日本のささやかで大きな違い

2007-08-20 01:48:16 | アジア
ファーストフードなどで、香港やシンガポールと日本で
大きく違うなと思うささやかな事があります。それは食後
に自分が使ったトレーや食器を自分で片付けるかどうかと
いうことです。日本では、ファーストフードやセルフサー
ビスのお店で飲食をした場合、自分が使ったものはゴミも
含めて自分で片付けるというのが常識となっています。
でも、香港やシンガポール(だけでなくアジアのほとんど
の国)では、自分が食べた食器はテーブルの上に置き去りに
します。

マクドナルドなどのファーストフードも、スターバックス
などのコーヒーショップも、フードコート(屋台街)など
もだいたいそうなのです。自分が使ったトレー、食器、
ゴミなど、みな平気でテーブルに置き去りにします。アジア
ではそれが常識なのです。別に、マナーが悪いとかいう問題
ではなくて、お店側できちっと片付ける人がいるのですね。
片付けをする専任の人たちがいるので、お客のほうは何の
良心の呵責もなく、彼らに後片付けを任せられるのです。

こういう環境で育ったアジアからの旅行者が日本に来た場合、
片付けずに去って行って顰蹙を買ったりすることもあるの
かもしれません。10年以上もシンガポールにいた私も、うっ
かりすると片付けずにテーブルを去ろうとして、はっと思う
時があります。こういう文化の違いに関しては、あまり指摘
されることもないので、知らず知らずのうちに摩擦を起こし
てしまうこともあるのかもしれません。

今日、成田から香港に戻ってきたのですが、成田の第二ター
ミナルの中にあるレストランに入りました。ここは注文は
カウンターでして、そこで支払います。生ビールとラーメン
を注文したのですが、生ビールはカウンターで受け取ります。
ラーメンのほうは後で届けるということで、電気的な機械を
もらいます。そこからシグナルが発せられているという感じ
で、かなりハイテクです。しばらくして店員がラーメンを
運んできます。

この上の写真のお店がそれです。ラーメンはまあまあの味で
したが、問題は、食器を自分で片付けるべきかどうかの判断
でした。店のシステムは、ファーストフードの流れです。
でも、ほとんどの料理は、店員がテーブルに運んできてくれ
るのです。普通の食堂とか、テーブルでオーダーを取るお店
では自分で片付けたりはしません。私はどうしようか迷って
しまいました。

しばらく観察をしていると、食べ終わって、自分でトレーを
持って片付けている人が何人か目につきました。でもトレー
を置く場所が明確にあるわけではなく、途中で店員が受け
取っていました。何人かが自分でトレーを運んでいました。
テーブルの上に食器を残したまま立ち去っていった人々も
いました。こういう場合、どのようにしたらよいのか、わけ
がわからなくなってしまいました。

食器を片付けるのは店員の仕事のようにも思えます。客が
自分で食器を片付けるという行為は、店員に楽をさせている
だけだというふうにも考えられます。さんざん悩んだあげく
私は食べ終わった食器をトレーに乗せて、持って行きました。
食器を置く場所はあるのですが、何となくそこはお客が立ち
いるべき場所ではないような雰囲気もしました。店員がそこ
にいて、トレーを受け取ってくれたので、それ以上悩む必要
はなかったのですが、もし誰もいなかったら、ちょっと困っ
たところでした。

シンガポールのフードコートとかで、食べ終わった食器を
持って、右往左往している日本人観光客を何度も見たことが
あります。フードコートでは食べ終わった食器は、テーブル
の上に置き去りにすると、片付けのおじさんやおばさんが
さっさと片付けてくれるのです。自分で注文したお店に持っ
ていこうとすると、迷惑がられます。食器を洗うところは
作るところとは別になっているのです。

あまり気づかない部分かもしれませんが、日本とアジアは
小さな部分でシステムの違いがあるのです。そういう部分を
知らないと、ちょっとした国際問題になってしまいますね。