自然のシャワーを浴びながら:パート2

定年後の主人と晴歩雨読の日々。同じタイトルのニフティのブログ の続きです。

東北海道の初秋ー3

2023-09-30 | 国内旅行(温泉)
3日目は早朝から津別峠からの朝焼けと雲海を見て、1日がスタート。
朝4時半集合でバスで30分位の津別峠展望台へ。
ツワーの半分11人は昨夜満天の星空ツワーに参加、残りの12人が雲海ツワーに参加。
今日の朝焼けと雲海に勝るとも劣らない中秋の名月と星空が堪能できたという。
標高の高い場所にある山小屋から朝日が昇るのを見た事は何度もある。
でも今日の朝焼けは今までの人生の中で最高!
ちょうど5時頃展望台に到着したら、空が白んで来てやがて真っ赤に染まりだした。
右手には陽が昇りだして左手には雲海がドンドン湧き出して来た。
360度の展望で朝焼けと雲海が同時に見れたんだから、もうブラボー!!
「雲海が見えるのは運かい?」とガイドさんに聞いたら、シャレてると褒められた。
ちょうど朝の一筋の光が射して来た。
何度でも見ても飽きない神々しいまでの朝陽の光。
時よ止まれと言いたい瞬間が過ぎて、朝陽が大きくなって来た。

知床には太鼓の昔から動植物が命を育み、人と自然が緊密な関係を築く場所だった。
ヒグマの息遣いを感じる森があったり、シマフクロウの鳴き声が聞こえる夜空があったり。
昨日ヒグマを間近に見たが、どこでヒグマに遭遇してもおかしくない知床半島。
ヒグマの棲みかに足を踏み入れているからクマが出たではなく、人間が出たと捉えるべきだそう。

釧路辺りは夕焼けがキレイらしい。
夕焼けの一番は今夏、黒部五郎小舎前で見た夕焼けが最高だった。
日没の瞬間に夕陽が一瞬緑色に輝く「グリーンフラッシュ」というのがあるそう。
発生率が小さく稀有な現象の為、グリーンフラッシュを見ると幸せになれるというそうだ。
津別峠からは雲海の彼方にそびえる知床連山や斜里岳、そしてオホーツク海。
手前には屈斜路湖があり、中島という島が浮かんでいる。
947mの津別峠からは反対側に雄阿寒岳、雌阿寒岳、大雪山系も見えた。
そして遥か奥に国後島も見えた。
空が赤く染まりだして朝日が昇って来る様子が、手に取るように見えた絶好の展望台。
一旦昇った朝陽が雲間に隠れてしまった。
気温10度で早朝だったから長居してたら寒くなったけど。
でもモーニングコーヒー付きだったから、身体が温まった。
♬ 夜明けのコーヒー 二人で飲もうと あの人が言った 恋の季節よ ♬
津別峠の展望台に寝泊まりして、毎日でも朝焼けと雲海を見たいと思った。
刻々と変化する空の様子を見ていたら、自然の偉大さや不思議さを感じたりした。
知らず知らずのうちにスマホとデジカメで40枚くらい写真を撮っていた。
ちょっとしたカメラマンになったような気分でカシャカシャ。
見てれば見てるほどに雲海が湧きだして来て……。

去り難い思いを胸にホテルへ戻り、6時半からの朝食に間に合った。
今朝もモリモリ食欲旺盛なり。
天皇皇后両陛下もお泊りになったという、屈斜路プリンスホテル。
ホテルの部屋から屈斜路湖が見えていた。

今日のコースは尾岱沼(おだいとう)港→野付半島→ランチ→風蓮湖→納沙布岬→ディナー→釧路プリンスホテル。
8時に出発し420km走行する長~い1日が始まった。
屈斜路湖は周囲57kmのカルデラ湖で、中の島が浮かんでいる。
北海道の地名は読みづらいが、標茶(しべちゃ)町から中標津町、標津町へと走った。
途中の景色は牧草地ばっかりで、牛さんはもちろんサイロや牧草ロールがあちこちにあった。
朝食に牛乳飲み比べがあり、3種類のミルクが用意されていた。

牧草地帯からやがてオホーツク海が見えて来て、エビの形をした野付半島へと向かった。
野付半島は突き出している半島で、湾の中を尾岱沼(おだいとう)と言うそう。
その尾岱沼から小さな船に乗ってトドワラ桟橋にて下船。
オーロラ号とは違ってコンパクトで当然救命胴着を身に付けて乗船。
今日は視界がよくて知床連山や国後島まで見放題。
遥かというのかわずかというのか、、16km先にある国後島。
海岸線に沿ってず~っと続くトドワラ。
野付とはアイヌ語で顎の意味で、トドとはトドマツの事でワラとは原っぱの意味との事。(ゴマフアザラシ)
トドマツが海水に浸食され、枯れてしまった姿が広がっている場所トドワラ。
近年急速に風化が進んでて、いつか野付半島が無くなる日が来るかも……とガイドさんの話。
ゴマフアザラシが時折海面から顔を出していた。
ちょっと顔を出したかと思えばまたすぐ海に潜ってしまって、シャッターチャンスを逃してばかり。

野付湾遊覧船30分程楽しんでから野付半島に上陸。
野付半島の半分辺りのトドワラ桟橋から、徒歩でネイチャーセンターまで。
目に入る景色が想像とは違っていて、荒涼とした土地だった。
強風が吹く事が多いというが今日は穏やかで、途中野鳥観察小屋もあった。
夏にはエゾカワラナデシコやハマナスの花が咲くというが、色気なし。
クロユリ、エゾスカシユリ、エゾカンゾウ、エゾフウロ等の花も見れるというが残念無念。
でも白っぽい寒々とした中に赤い花みたいなのが群生していた。
塩生湿地に生育するというアッケシソウ。
紅葉し始めたアッケシソウ。
エゾシカさんも姿を見せてくれて。
ネイチャーセンターまでの40分足らずの散策。
殺風景な景色の中を花を見つけながら歩くとあったー。
ハマナスは分かった。
ハマナスの赤い実も発見。
ウンラン(海蘭)という可愛い花が咲いていた。
ネイチャーセンターのパンフに載っていたが、海岸の砂地に生え1~2センチの黄色い花を咲かせる。
葉に厚みがあり潮風にさらされる中でも、水分の蒸発を防いで生きて行けるそう。(タカネシオガマ)
ランのような花を咲かせるがキンギョソウの仲間で、絶滅危惧種に指定されている。
菊のようなタンポポのような黄色い花も。
他にもオジロワシ、オオワシ等が大空を飛んでいた。(コガネバナ)
途中のトドワラの案内板、トドワラが倒れた光景。
トドワラ展望台やトドワラ広場を経て、約1,3kmの散策も終盤。
トラクターに乗ってセンターまで来た人もいたけど……(モチ有料)

狭い道をのんびりと潮風に吹かれながらネイチャーセンター到着。
野付半島のようすが模型でよく分かった。
ネイチャーセンターでは文化祭の季節柄、写真展をやっていた。
野付半島は全長26km日本最大の砂嘴(砂が堆積し海上に長く突き出た地形)
2004年に北海道遺産に選定され、2005年ラムサール条約に登録。
自然が作った不思議な国、野付ネイチャーランド。
写真展の力作を見る度に絶景を見に何度でも来たくなる北海道。

野付半島からの帰りはバスがネイチャーセンターまで来ていて楽チン。
車窓から見た続くナラワラ林。
海水に浸食され風化したミズナラが立ち枯れたまま残っているナラワラ。
白骨化したような木々が水辺近くに立ち並んでいて、、異様なというか不思議な風景。
ガイドさんが教えてくれた今の時期しか食べれないホッカイシマエビ。
冬に氷に穴を開けて釣るコマエ等も野付半島でとれるという。
野付半島は最果ての極みといってもいいかも。

途中プルケという温泉旅館で鮭いくら丼ランチ。
因みにプルケとはアイヌ語で湧き出るという意味だという。
納沙布岬への途中立ち寄った風蓮湖脇のスワン44(国道44号線から)
オホーツク海と繋がっているという風連湖は車窓からはほどんど見えず。
デッカイ湖なのに森が深くてその奥の奥にひっそりと。

道の駅スワンでも写真展を覗いてみた。
根室半島にある根室駅と東根室駅、どっちも日本最東端の駅だそう。
根室駅の方は駅員がいて駅舎がある最東端、東根室駅はプラットホームがあるのみ。
また根室半島の道路にある信号機は普通は横長なのに縦長だった。
またロシア語も記してあった。

根室半島にある納沙布岬が近づいて来た。
ネムロ(根室)が近いからネムロ(眠ろ)なんてひとりダジャレ。
温根沼(オンネトー)の橋の上から、オンネトーとオホーツク海。
根室は日本で一番最初に朝陽が昇る、日本の最東端だから「あったり前田のクラッカー」←昔のCM
その根室半島の突端にある納沙布岬。
その岬に昭和56年に建立の巨大な「四島のかけ橋」というモニュメントがあった。
北方領土を4つのブロックに表現し、それが互いに重なり合って大きな架け橋となる。
領土返還を祈るゲートとして表現されてて、中央の祈りの火も赤々と燃えていた。
16キロ先の国後島等、北方領土の日が2月7日というポスターを見た。
北方四島とは択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島で北方領土。
北方館という建物では歴史が語る北方領土の様子が分かる古文書あり。
また北方領土返還要求署名コーナーもあった。
隣の建物望郷の家は北方領土の島々を追われた元島民の心の拠り所として開設。
無料の望遠鏡があり、覗いてみると間近に国後島等の島々が見えた。
歯舞群島の中で一番近い貝殻島(納沙布岬から3,7km)が見えた。
と言っても岩礁なので白い灯台だけが海に浮かんで見えただけ。

今回初めて歯舞群島6島の名前を知った。
多楽島、志発島、勇留島、秋勇留島、水晶島、そして貝殻島。
択捉(エトロフ)島が一番遠くて一番面積が広い事も。
自由に散策しながら見つけたハマナスの白バージョン。
シラギクを小さくしたようなコハコベの可憐な花。
セイヨウノコギリソウの花も。
網走生まれで育ちのガイドさんが、一人ひとりが北方領土問題に正しい理解と認識をと訴えていた。

夕闇が迫る頃(5時過ぎ)厚岸にあるコンキリエで夕食となった。
高台にある風光明媚なレストランで海鮮炭火BBQで、待ってましたー。
生ガキ、焼きカキ、ホッキ貝、ホタテ、シシャモ、秋刀魚、鮭などとアサリの味噌汁。
ほっぺたが落ちそうな美味でこれぞ北海道の味覚。

今日は日本最東端の納沙布岬まで行った。
シンガポールに住んでいた時、マレーシアのタンジュン・ピアイに行った事があった。
何でかと言うと、そこがアジアの最南端だから。
幸い中国語ができたから旅行社へ行ってバスの手配をして、マレーシアへは何度も出かけた。
ジョーダンに英語、ドイツ語、中国語、日本語、佐賀弁の5か国語ができると言ってたものだ。
マレーシアのデサルビーチ、シブ島、ティオマン島、ランカウイ島、ラワ島、ティンギ島、ブサール島。
他にもマラッカ、クアラルンプール、キャメロンハイランド等。
ボルネオ島にある東南アジア最高峰のキナバル山(4095m)にも相棒と登った。
そんな事を思い出しながらバスに揺られて……。
朝4時起きに始まりホテル7時半着で、今日も1日フルに遊んだな~。



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