FEEL ambivalence

毎日、いろんなことを思います。
両極端な感じで。

両面価値。
同一対象に対する愛憎共存。

雨音にまぎれて。

2006-05-11 00:42:15 | ろぐ
初夏がこっそりとやってきた。
乾いた風を期待して開け放した窓からは、柔らかく湿った陽の光。
ぼくは思う。

また、巡る。

底知れぬ蒼に誘われて、自らも変われるのだと、そう信じたかのような灰色の雲が視界を覆いつくして、優しい雨を降らせていく。
温くなった甘いコーヒーをすすり、軽いため息をついた。
ギラリとした眼光を忘れていく。ただ、ただ、忘れていく。

ひととせが巡り、少しだけ寿命を縮めた遺伝子が、弱いつぶやきのようなパルスを発して。
ぼくはそのパルスを受け止める。
思考の谷間へと沈めていく。

不思議と変な覚悟ができてしまった。
開き直り、とはまた違うような気がするのだけれど。

結局のところ、無限軌道なのだ。
どこかで怯えているし、どこかで卑屈になっているけれど。

唐突にどうしようもなく魅かれあう瞬間がある。
突然訪れる別離の悲しみに襲われる瞬間がある。

思いは刻まれていき、それはぼくだけの思考の海で堆積岩になる。
何年かしたら化石になって、別の形で眺めることができるようになるんだろう。

あれほど、寂しがってみたり、誰かに話したかったり。
なのに。
今は逆だ。
殻を纏うことを厭わない。

雨に紛れてやってきた、夏の足音がそう思わせるのだろうか。

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