FEEL ambivalence

毎日、いろんなことを思います。
両極端な感じで。

両面価値。
同一対象に対する愛憎共存。

やっぱりいつもの街並みだった。

2006-01-28 00:35:20 | ろぐ
 24日から今日まで9年暮らした街へ出かけていた。新幹線を降りるとそこは春のような陽気で、空が抜けるように青くて。秋葉原でつくばエクスプレスに乗り換えて昔の居場所に向かったけれど、あまりの電車の速さにびっくりした。ついた駅はいつもの街なんだけれど、そこに降り立った自分が見上げた街はいつもの街じゃないような気がした。あたりをきょろきょろしながら大学中央行きのバスに乗った。揺られながら9年前を思い出す。あの頃はこうしてバスに乗って帰省してた。ところどころ風景は変わってしまっているけれど。ぼんやり窓の外を眺めながらそんなことを思い出して。

 大学の本部棟に会いたい人がいる。だから、まずはそこへ。思えば去年は3月に会いに来たんだっけ。優しい笑顔と軽妙な語り。いろんなお話をしたけれど、一番ショックだったのは自分がかつて所属していた学類がなくなることかな。まぁ、そこまで執着しているつもりはなかったのだけれど。名前が変わるのではなく、存在が消える。ちょっと悲しい。不便だと口では言っていたけれど、それがアイデンティティのようで心地よかったのに。

 てくてくと歩いて、大好きな喫茶店へ。歩いているとやっぱり風は春のようで。学生が自転車で通り過ぎていく。なんだか、それだけで幸せになる。

 お店に入ると、人懐こい笑顔のマスターがうれしそうにしていた。驚いてくれないことがうれしかったりする。ぼくとこのお店を隔てていた時間は実は存在していないんじゃないのかなんて考えてみたりして。煙草をやめていることを告げるとマスターはうれしそうに「ウチのコーヒーは煙草にあうんだけどなー」とニヤニヤしていた。そんなやりとりがたまらなく心地よい。

 お店の前にバイクが止まり、一人の男性が店内へ。見れば、かつてのお客様だった。偶然の再会ってほんとにできるんだ。話は尽きない。仕事の息抜きに来たはずの彼とひたすらおしゃべり。こんなことができる街だったんだ。そういえば。

 夜、いつもの居酒屋さんへ。飲んで食べて話す。この場所じゃないとできない。このヒトがいなきゃできない。なんて、幸せな瞬間。夢にまで見た幸せな時間はあっという間にすぎていって。けっこう飲んだなー。何を話したっけ?たくさん笑顔を見せてもらった、本当に素敵な時間だった。

 かつて勤めていたお店に。時間が早いせいか、口開けのようだった。ジントニックが、まさに、「ジントニック」の味だった。これが僕が知っている、世界一美味しいジントニック。不思議なもので、カウンターには知り合いのお客様が並んで。何を話すでもなく、でも、一緒の空間と時間を共有できる。こんな空間だったんだ。素敵な空間。そうそう、地下にあるいつものお店にも行った。あまりにもうれしくて、うれしくて、言葉が出ない。離れている時間ぶんだけ思いは募っていくんだよ。照れるからあえてそこまでは言わないけど。でもやっぱりこのカウンターに座りたかった。こうして座りたかった。そのお店の常連さんにも会えて。それがうれしい。暖かい陽ざしのような、幸せな笑顔。

 ちょっと幸せすぎて記憶が飛んでしまった。
 うーん。飲みすぎ。

 待ち構えていた二日酔いのせいで、帰りの新幹線の中でずっと呻いていた。昨日の夜の記憶がどうしても断片的になっている。おとといの夜の記憶も、かすかに途切れていたり。

 新幹線で移動すると、自分がその時空間の変化についていけなくなる。帰ってきたばかりでまだまだ心の中が興奮していて、うまく何を書いたらいいのか、何を記録すべきなのか、それがわからない。

 ひとまず、ここで一度休憩をしよう。
 また、思い出したら筆を取ろう。

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