『資本論』学習資料室

泉州で開催された「『資本論』を読む会」の4年余りの記録です。『資本論』の学習に役立たせてください。

第42回「『資本論』を読む会」の案内

2012-01-12 12:17:38 | 『資本論』

『 資 本 論 』  を  読  ん  で  み  ま  せ  ん  か 

                                    

                                      

 あけまして、おめでとうございます。

 早いもので、「『資本論』を読む会」を初めてから、今年で5年目に入ります。ところが、まだ第1章が終わっていないありさまです。何ともゆっくりしたペースですが、これが私たちのやり方なのです。

 これからでも、一度、『資本論』を読んでみようか、などと考えておられる方も、だから、十分間に合いますので、是非、ご参加頂きますようお願いします。

 さて、野田首相は、年頭所感で「社会保障と税の一体改革」は「待ったなし」だと、消費税導入を示唆しました。そして昨年末には民主党は2015年10月までに段階的に10%まで引き上げることを確認したのでした。

 野田・民主党は、マニフェストで掲げた公約をことごとく御破算にしながら、公約にもない消費税の引き上げを「不退転の決意」でやるというのですから、これは有権者を裏切り、愚弄するものと言わなければなりません。

 確かに国の借金は886兆円、地方も併せると1000兆円とも言われ、GDPの倍近い額になっています。これは事実上の国家破綻といっても過言ではない状況です。しかし、こうした現実に誰が責任を負うべきでしょうか。消費税でまかなうということは、一般国民、特に収入が少なく、そのほとんどを生活費に支出しなければならない低所得者に重い負担を強いるということです。

 国家の負債増大の本当の責任は大資本にあるのです。

 日本の国債発行が目立って増えだしたのは、90年のバブル崩壊以後です。92年8月の宮沢内閣から始まって、先の菅内閣まで、経済対策(景気刺激策)は合計17回に及び、その総額は約300兆円にもなっています。これは金融機関を直接救済した費用を除いたもので、不況にあえぐ資本を救済するために、公共事業等に費やしたものです。それらのほとんどが国債によってまかなわれてきたのです。


 「社会保障と税の一体改革」というのは、あたかも国家負債の原因が社会保障の増大にあるかに思わせ、その本当の原因を隠す意図があると言わねばなりません。

 社会保障費も確かに2010年末で約100兆円と、その増加も急激ですが、年金や医療の増加は、資本の都合で定年制の名のもとで、高齢者の首を切り、ただ年金に依存するしかない状態に追いやる今の制度にこそ問題があり、医療費の増加も医療が金儲けの手段になっている現実に問題があるのです。医者などの高額の診療報酬はいうまでもなく、製藥会社や医療器具会社の儲けの手段に現代の医療はなっています。

 ところが、こうした負担を消費税によってまかなおうというのが野田首相の狙いです。資本救済費用やその儲けのための負担を、労働者・国民に背負わせる政策には断固反対して行かねばなりません。

 マルクスは「個々の問題についての暫定中央評議会代議員への指示」のなかで、「直接税と間接税」の特徴を述べ、税制を変えても資本と賃労働との関係には何の変化もないが、あえてどちらを選ぶかを問題にするなら、直接税だとその理由を次のように述べています。

 〈間接税では、個人が国家に支払う額がどれだけかということは、その個人に隠されているのに、直接税はあからさまで、ごまかしがなく、どんな頭のわるい人間にも誤解のおこりようがないこと。だから、直接税は各人を刺激して、統治者を監督しようという気持にさせるが、間接税は自治への志向をいっさいおしつぶす。〉(全集16巻197頁)

 野田民主党政権の国民への裏切りを告発し、消費税導入に断固反対して行きましょう。貴方も『資本論』を学び、共に、資本主義の仕組みを科学的に考えてみませんか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第42回「『資本論』を読む会」・案内

 


■日   時    1月22日(日) 午後2時~

■会  場   堺市立南図書館
      (泉北高速・泉ヶ丘駅南西300m、駐車場はありません。)

テキスト  『資本論』第一巻第一分冊(どの版でも結構です)

■主  催  『資本論』を読む会

 

 


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする