『資本論』学習資料室

泉州で開催された「『資本論』を読む会」の4年余りの記録です。『資本論』の学習に役立たせてください。

第22回「『資本論』を読む会」の案内

2010-03-06 12:56:55 | 『資本論』

『資  本  論』  を  読  ん  で  み  ま  せ  ん  か 


                                    

 「トヨタ神話の崩壊」、「史上最悪のリコール」。

 トヨタのリコール問題が世界のマスコミを騒がせている。

 今回のリコールの対象は大きくわけて三つある。
 一つはアメリカにおいて、フロアマットを二重に敷いたことによって暴走して四人が死亡するという事故が発端になったものである。トヨタは当初、自社の責任を否定しながらも、結局、8車種計426万台を対象にしたリコールに追い込まれた。
 もう一つはフロアマットとは無関係にアクセルペダルが元に戻りにくい不具合の発生である。これも8車種計230万台のリコールの実施を発表した。
 そして最後はトヨタの技術の粋を集めたとされるハイブリッド車プリウスのブレーキ問題である。これは前二者が海外市場に限定されたものであったのに対して、日本市場においても、プリウスとブレーキシステムを共有している5車種計20数万台のリコールを届け出ることになった。

 アメリカの公聴会に出席したあと日本のテレビ局に出演した豊田章男社長は「事業の急拡大が人材育成のスピードを上回った」と、今回のリコール問題を引き起こした原因について述べたという。

アメリカの公聴会に出席した豊田社長


 確かにトヨタのここ数年の生産拡大には驚異的なものがある。1998年から2007年の十年間で海外に16工場を建設、年平均1.6工場の「怒濤の工場建設ラッシュ」と言われた。生産台数も99年以降ほぼ毎年50万台の生産能力を増強させ、世界生産台数は2001年の513万台に対して07年には853万台に達している。こうしたなかで品質低下への懸念がグループ内でも徐々に増していたと言われている。

 今回のトヨタのリコール問題に限っていうなら、こうした問題が直接の原因として考えられる。しかし資本主義的生産においては、すべての技術は「資本の技術」として、すべての生産力は「資本の生産力」としてしか存在しないという現実こそが、根本的な原因なのである。資本主義的生産は直接には使用価値を目的にした生産ではない、ただ価値(剰余価値=利潤)を目的にした生産なのである。資本にとっては、高度な技術や生産力も、ただ労働を搾取し最大の利潤を獲得するためにのみ存在する。だからその生産は、直接には使用価値、つまりそれを使用する顧客を考えたものとはならず、それらはただ利潤獲得に必要な限りで顧慮されるにすぎないのである。

 マルクスは次のように述べている。

 《科学や自然力や大量の労働生産物のこのような社会的労働に基づく充用は、すべてそれ自身ただ労働の搾取手段としてのみ、剰余労働を取得する手段としてのみ、それゆえ、労働に対立し資本に所属する諸力としてのみ現われるのである。もちろん、資本は、ただ労働を搾取するためにのみこれらすべての手段を充用するのであるが、労働を搾取するためには、資本はそれらの手段を生産に充用しなければならない。このようにして労働の社会的生産力の発展もこの発展の諸条件も、資本の行為として現われるのであって、これにたいして個々の労働者は受動的な態度をとるだけでなく、むしろ労働者に対立してこれが進行するのである。》(『剰余価値学説史』26巻 I 498頁)

 資本主義的生産は労働の社会的生産力を高度に発展させ、人類の福祉を豊かにする物質的基礎を形成する。しかしそれはあくまでも一つの間接的な歴史的な結果に過ぎず、それらを直接に目的とした結果ではない。だからそうした物質的生産力の発展は、他方で何万何千万もの犠牲をもたらす戦争や膨大な環境破壊、労働力の飽くなき搾取と浪費等々を通してしか実現できないのである。資本主義的生産様式の克服こそが問題の根本的解決への道である。

 その理解のために、あなたも、ともに『資本論』を読んでみませんか?


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第22回「『資本論』を読む会」・案内


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  ■会 場   堺市立南図書館
         (泉北高速・泉ヶ丘駅南西300m、駐車場はありません。)

  ■テキスト 『資本論』第一巻第一分冊(どの版でも結構です)

  ■主 催   『資本論』を読む会



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