『資本論』学習資料室

泉州で開催された「『資本論』を読む会」の4年余りの記録です。『資本論』の学習に役立たせてください。

第40回「『資本論』を読む会」の案内

2011-11-17 05:52:30 | 『資本論』

『資 本 論』  を  読  ん  で  み  ま  せ  ん  か 

                                    
                                    
                                     

 

 

 欧州の国家債務危機と信用不安は、ギリシャからイタリアへと飛び火し、ますますその深刻の度を加えています。

 ギリシャでは、EU首脳会議が決めた支援策の受け入れで、国民投票をするかどうかですったもんだした挙句、それを言い出したパパンドレウ首相が辞任、パパデモス前欧州中央銀行(ECB)副総裁が後任につき、来年2月実施予定の総選挙までの暫定政権が発足しました。

 しかしギリシャの財政危機は依然として増大しており、国債償還が集中する12月中旬には、国際通貨基金(IMF)や欧州金融安定基金(EFSF)などから80億ユーロ(約8500億円)のつなぎ融資を受けられなければ、国家破綻する事態を迎えています。

 一方、イタリアの国債価格が急落し、10年物国債の利回りが自力返済不能のボーダーライン(危険水域)とされる7%を超え、一気に、財政・金融不安が広まりました。イタリアの政府債務は約1兆9000億ユーロ(約200兆円)、国内総生産(GDP)比120%に達しています。

 もしイタリアが国家危機に陥るなら、その影響はギリシャの比ではありません。イタリアの経済規模はユーロ圏全体の約17%を占め、ドイツ・フランスに次ぐ「大国」なのです。

 先の主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議では、IMFによるイタリアの財政改革の実行状況の監視を決めました。もし国債の利回りがこのまま上昇し続ければ、IMFからの支援なしでは、資金調達が困難になり、国債償還時に資金繰りに行き詰まり突然の債務不履行(デフォルト)に陥る可能性があるからです。結局、ベルルスコーニ首相は自ら退陣を表明、2013年までに対GDP比4.6%の財政赤字を解消させる財政安定法の成立を国際公約させられました。

 こうしたなかで、財政危機のしわ寄せを一方的に押しつけられようとしている、ギリシャやイタリアの労働者は、敢然と闘いに立ち上がっています。ギリシャでは10月19~20日に、数百万人規模の官民48時間ゼネストと数十万人の集会や、国会包囲デモが行われ、イタリアでも600万人の労働者を組織しているイタリア最大の労組CGIL(イタリア労働総同盟)の呼びかけで、ベルルスコーニ政権の緊縮財政攻撃に反対する8時間ゼネストに決起しました。労働者への犠牲の押しつけで国家的危機を乗り切ろうとする資本に対して、その反撃は当然といえます。 

 今回のEU発の世界的な信用不安は、08年のリーマンショックの延長であり、世界市場恐慌の一層の深化を示しています。そして恐慌の時こそ、労働者階級が、新しい社会の建設に向けて闘いに立ち上がる時でもあるのです。マルクスは、恐慌と革命の関係について、次のように述べています。

 〈本当の革命は……この二要因、つまり近代的な生産諸力とブルジョア的生産諸形態とが、たがいに矛盾に陥る時期にだけ、可能である。……新しい革命は新しい恐慌につづいてのみ起こりうるしかし革命はまた、恐慌が確実であるように確実である。〉(下線はマルクスによる。全集7巻450頁)

 世界市場恐慌のより一層の深まりは、やがては世界の労働者階級を闘いに駆り立てずにはおかないでしょう。ギリシャやイタリアの労働者の闘いは、その先駆けといえます。来るべき革命の一時代に備えるためにも、貴方も、共に『資本論』を学びませんか。

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第40回「『資本論』を読む会」・案内


 ■日   時    11月20日(日) 午後2時~

 ■会  場   堺市立南図書館
      (泉北高速・泉ヶ丘駅南西300m、駐車場はありません。)

 ■テキスト  『資本論』第一巻第一分冊(どの版でも結構です)

 ■主  催  『資本論』を読む会参加を希望される方は連絡くださいsihonron@mail.goo.ne.jp


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