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おかもとまさこのごはんBLOG

管理栄養士/国際薬膳師 岡本正子
食べものと食べ方で人生は変ります。
おいしく食べて幸せになるお手伝いをします。

『多職種で支える高齢者の食支援』

2018年06月23日 18時01分04秒 | 社会福祉法人 さくらの園
本日は社会福祉法人東京都社会福祉協議会の学習会に参加しました。
知的発達障害部会 利用者支援研究会によるものです。

テーマは『多職種で支える高齢者の食支援』です。
午前
『超高齢社会における管理栄養士の役割』
医療法人社団悠翔会 理事長 診療部長
佐々木 淳先生


先生は東京で在宅医療を展開されていらっしゃいます。
医療法人社団悠翔会のサイトはこちら。
今の超高齢社会で、いかに個人の生活の質を良好に保ち、患者さんが満足できる終末医療を目指すか、沢山の世界的、専門的データをお示しされてのご講義、感激しました。
病気と障害があるのは不幸せなことと思うのは健常者のおごりであると再確認。
平均寿命は日本は世界有数の高さですが、栄養士として、関心を持つのは健康寿命です。
この2つにはおよそ10年の差があります。
つまり最後の10年は病気か寝たきりに近い状態にいるわけです。
それを受け入れ、病気でも寝たきりでも、幸せな状態でいられるよう、医療者、介護者、家族が支援することが大事だと思います。高齢の方々は一人一人の機能、能力、意識も違います。個々の特性を見て、丁寧な食の支援が必要だと感じました。
今回の講演会では、知識と技術だけでなく(当然その裏打ちは必要ですが)哲学を受け取ることができました。

キーワード
医学モデルから生活モデルへ
健康に対する概念の変化
身体的機能・社会的機能・精神的機能
ポリファーマシー(多剤併用)の害
ライフステージ、老齢期の理解
医療者・介護者からの説明と同意だけでなく、自己決定を重視、共に考えること

午後
『食べること 生きること』
ふれあい歯科ごとう 五島先生

五島先生は新宿区で在宅の訪問歯科医療をされています。
今回は口腔ケアの基礎知識とその意義を丁寧に教えていただきました。
とても平易な言葉でわかりやすいご講義です。
さくらの園から研修会に参加することが度々ありますが、「自分の口で食べる」ため、最近連続で関連講座を受けています。
毎回、自分の知識のなさに驚き、世界が広がっている充実感があります。

口腔ケアの意義は大変大きいです。
さくらの園でも、誤嚥性肺炎で入院した利用生さんのための嚥下調整食を提供した期間がありました。今日のご講義で、咀嚼障害と嚥下障害の明確な区別ができていなかったこと、恥ずかしながら知りました。
口腔ケアには3つの効果があります。
・口腔内細菌の減少
・航空周囲の刺激
・ケア
これらが、口腔内細菌の増加をおさえ、誤嚥を予防し、体力低下を防ぎます。
訓練により、「食べられる口作り」ができるのです。
先生は、多くの事例を写真、動画を用いてご説明くださいました。
誤嚥性肺炎で入院し、禁食によって機能が著しく低下した方々を在宅ケアに寄って、めざましい回復をとげた事例には、とても感動しました。
五島先生の活動はこちらをご覧ください。

キーワード
口で食べる効果
最期まで食べることの意味
サブスタンスP

毎回、学習会に参加して、得られるものが大変多いです。
より一層勉強を重ね、さくらの園の利用生さんの健康度をアップさせたいと思いながら、帰路につきました。
コメント
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