



昨日「田端文士村記念館」を訪れた。以前にそのような記念館があるらしいということは聞いていたが、実際に足を向けたのは初めてである。
北区という土地柄が横浜から見るとあまり縁がない事もあり、田端駅で下車したのも初めてではないかと思う。
昨日はこの記念館を訪れるとともに、パンフレットにも記載されている散策マップに沿って約1時間歩いてみた。この散策の模様は別途アップする予定。
まず立派な建物にビックリ。といってもこの記念館のスペースは駅から見て地上1回部分を占めているだけである。広い展示スペースと数多くの展示品を期待していくと残念ながらがっかりする。
この記念館、展示というよりもさまざまイベントや講演を通じて、「文士村」という歴史の一断面を浮き上がらせていると思えばいいと思った。なかなか楽しいイベント、取組みが行われている。
展示を見て教えられる、というあり方から地域と歴史のある時間を体感するきっかけとなる施設、という風に理解するのが賢明なのであろう。一度館内を見て回ってわかった気分になる博物館とは違うものだという了解が必要かもしれない。
私は芥川龍之介、室生犀星、中野重治、佐多稲子、平塚らいてう、板谷波山という名に大いに惹かれた。芥川龍之介、室生犀星、中野重治は著書も若い頃からかなり読んできた。佐多稲子は名前も交流範囲もそれなりにわかるが、なんとしたことかまだ読んだことがない。平塚らいてうも同様である。
佐多稲子の「夏の栞」は昔から読んでみようと思っていて果たせないでいる。いつかは読みたいものである。
板谷波山は陶芸家であり、作品をいくつか写真で見ただけである。交友範囲も思想も知らない。ある先輩から購入を勧められたことがあるが、到底購入できる値ではなかった。それ以来忘れられない名前のひとつとなっている。いつかは少し勉強してみたいと思っている。



講演会や散策等のスケジュールを手に入れてきた。この中では高橋源一郎氏の講演会、板谷波山の映画上映会は、他の日程と調整の上、可能ならば申し込んでみたい。
空襲によって焼かれた田端文士村を扱う「田端文士芸術村の終焉-戦後70年を迎えて」の講演会を申し込みたかったが、他の予定がすでに入っており、残念ながら断念。関連展示は9月までなので再度訪れてみたい。